最終章 第2話 スピカの思惑
「まぁ別に折っても構わぬがな
姉上のサーベルはもう無いのでな
姉上……
この戦いが終わってから
新たに送り合わぬか?」
「それも良いな……」
アル・スハイルは微笑み呟いた。
「次は送る剣は戦いの為にあらず
安寧を願い送り合おう……」
アル・ムーリフの魂がアル・スハイルの体を使いそう言った。
そう話あっている二人の姿を漆黒のアルナイルは見て怒りを表し始めていた。
その手に握る黒い稲妻の剣が震え出している、そして漆黒のアルナイルが叫んだ。
「黙れ貴様らっ‼︎‼︎」
その声をアル・スハイルが聞き、漆黒のアルナイルを見る。すると漆黒のアルナイルは剣を持つ手を左手で押さえ込んでいた。
「あやつは
内と外に敵がおる……
輝く星の一星アルナイルが
大大星スピカとしての
その意地を見せようとしておる」
アル・スハイルが言う。
「姉上の支度使わなくとも……
我らで片付かぬか?」
アル・ムーリフが言う、漆黒のアルナイルは先程よりも右手を意識している、そしてアル・スハイルが言った。
「試してみようか」
そしてアル・スハイルは狙いを定め、星を輝かせ赤と白い光線を放ち呟いた。
「移り変わる……」
凄まじい速さに二色の光線が加速させられ、そして更に優しく呟く。
「移り変わり
そして交わらん……」
アル・スハイルの言葉を聞いてメビウスは顔を顰めた。
(過去と未来を一つに?
そんな…時が交わるはずが無い……
いったい何を……
いや…そんな……)
メビウスはその走る赤と白の光線が重なり合い、一本の光線になろうとしている、それを見て躊躇った。
「赤とシーリスが
そんなに親しくなれたと言うの……」
あの虐められていた赤がシーリスを許し、シーリスも姉として妹の赤を支えている、その姿を見て更に驚いていた。
漆黒のアルナイルはその光線を躱した、アル・スハイルのサーベルを折った剣で弾こうとはしなかったのだ。
「やはりな……」
アル・スハイルが呟き、アル・ムーリフがアル・スハイルの体を使い頷いて叫ぶ。
「アルナイルッ!
頑張りなさいっ‼︎‼︎
あなたとわたしの勝負は
まだついてなんか無いわよっ!
ベガの元カノだからって
わたしにあげるみたいな態度っ
凄いムカつくのよっ!」
ステラとしてアル・スハイルの体を使い言った言葉にアル・スハイルは驚いた、それは赤もシーリスも驚いていた。
(アル・ムーリフッ
余に何を言わせるのじゃっ‼︎‼︎
ちと待て……
それは受け入れ難いっ‼︎‼︎)
アル・スハイルはある可能性に気付いた。
「あんたが死んでないで
ガイアが叫んでたわよっ!
テヘッてのは後でするもんだろって
それを覚えてるのも
ちょっとイラッとしたんだからね
速く戻ってわたしと勝負しなさいっ!
絶対に負けないんだからっ‼︎‼︎」
ステラが言うがアル・スハイルは別の意味で精神的に悩み出してしまう。
(それは真かっ!
真のことかっ!
それが真実であったら
あのベガが…ガイアが……
我らの父やも知れぬ……
そっそれだけは
願い下げじゃっ‼︎‼︎)
アル・スハイルは瞬時にそう考えた。
アル・スハイルはベガとアルナイルが付き合ってたなど、想像などしても無く考えてなどいなかった。
結果アル・ムーリフから送られたサーベルが折れた時よりも、数段も強い衝撃を受けていた。
真剣勝負であり、ステラを考えそれを伝えずにいたが、ステラが気付いた。
(姉上どうしたのじゃ?)
アル・ムーリフとして聞いたが、アル・スハイルは僅かな望みを信じて言った。
(いや……
なんでもない
アル・ムーリフ
余計なことは後にせよ)
もしそうであったら、父親と結婚させる訳にはいかない、アル・ムーリフも聞き分けは良く、直ぐに諦めてしまいそうな気がした。
アル・スハイルでは無くアル・ムーリフがその光線を操り、漆黒のアルナイルを牽制しながら言った。
「妹ぶってないでっ
正々堂々と私と勝負しなさいよっ‼︎‼︎」
「うるさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいっ‼︎」
漆黒のアルナイルが叫び、漆黒のオーラを出し自らその中に入ろうとした。
「逃さぬっ‼︎‼︎」
アル・スハイルが光線を操りながら距離を詰める、漆黒のアルナイルはその光線を躱し小さな笑みを漏らしながら言った。
「にげる?
ばっかじゃないの?」
そう言い漆黒のオーラに入ってしまった。
「くっ……」
アル・スハイルはその言葉から逃げずに近くにいると感じた、だが気配は無い静寂を讃える星海の漆黒に溶け込んだ様に思えた。
(アル・スハイル……
5秒後にあなたの後ろに現れるわ)
メビウスの声がアル・スハイルの頭に響いた、メビウスが禁じ手とした未来を見たのだ。
(お母様……)
シーリスが呟く。シーリスはまだ漆黒のアルナイルの未来を見れない、シーリスはメビウスとの力の差を感じていた。
(5……)
アル・スハイルは静かに数える。
(4……3……)
アル・スハイルは瞳を瞑りどう来るのか考えてもいなかった。
(2……1……)
そして僅かにアル・スハイルの背後の闇が濃くなり始めた。
「来るが良いっ‼︎」
アル・スハイルが叫んだ時、背後の濃くなった闇から凄まじい速さで漆黒のアルナイルの剣が、アル・スハイルを背中から心臓を貫く様に突き出して来た。
アル・スハイルはそれを横に躱し、直ぐさま飛び出して来た漆黒のアルナイルの首を目掛けサーベルを振るが振り抜かずに、寸止めして語りかけた。
「これがそちと余の違いである……」
「…………」
漆黒のアルナイルは止まり何も言わない。
「じゃが
輝く星のアルナイルならば
大大星スピカならば
こうはいくまい……
余はあやつを捕らえたことは無い
捕らえることが出来ぬのだ……」
「……」
「その剣を渡すが良い……
そなたらの意思
そなたらが牙を剥かねば
輝く星の一星アルナイルならば
話を聞いてくれよう
あやつは何処までも甘く優しいからな
そなたらの無念を聞き
安らかな眠りを祈ってくれよう……
余もアル・ムーリフも祈ろう
ここに誓っても良い
どうじゃ……」
アル・スハイルがそう言ったが、漆黒のアルナイルはこう答えた。
「最初に戻ればいいんだよ……」
静かな言葉にアル・スハイルは耳を傾ける。
「大大星が間違ってる
そんな事は無い……
争いは無かったから
でもね……
大大星同士の意見が食い違った時
友情も捨ててスピカは動いちゃった」
漆黒のアルナイルは静かに言い、メビウスはそれを否定しようとした。
スピカは友情を捨ててなどいない。
そう否定しようとしたが、アル・スハイルの意識が一瞬だけメビウスに向けられたのに気付いた、それはまるで何も言うなと言う様な意思であった。
「だから私達は
あなたに殺されちゃったんだよ」
「…………」
漆黒のアルナイルは優しい表情になりそう言い、アル・スハイルは何も答える事が出来なかった。
「だからね……
全部無くなっちゃえばいいんだよ
私だけが全部を見る世界になればいい
大大星なんて
三人もいらないんだよ
私が全部最初から作り直すの
だから邪魔しないで」
「それは違う……
そちが一人でやり直したところで
思うようにはならぬ
それが星海と言うものじゃ……」
アル・スハイルは長い年月をかけ星海人に安寧を、平和を齎そうと手段は選ばずに戦い続けて来たきた。
だが結果は散々であった、星の生き物と盟約を結んでも千年後には裏切られ、全ての星の生き物を滅ぼすように、破壊を繰り返してもきりがなく、挙句の果てには大大星が敵であると知り、もしそれらを統べることが出来てもシリウスの様に野心を抱く者が現れるだろう。
そう考えると戦いは永遠に続いてしまう、それを漆黒のアルナイルに伝えようとしたのだ。
「アル・スハイル……」
漆黒のアルナイルが呟き小さな笑みをこぼした、アル・スハイルはそれに気付いていた。
「やっぱり……
あんたはあまちゃんだねっ‼︎‼︎」
漆黒のアルナイルはそう叫び姿を消し、アル・スハイルの背後に現れそのまま斬りかかる。
アル・スハイルはそれを避けすぐに体勢を立て直した。
「そんなんだからっ!
一人で何も出来ないんだよっ‼︎‼︎」
漆黒のアルナイルはそう続けて言い放ち、鋭い突きを放ち、アル・スハイルはそれを躱し再び漆黒のアルナイル首を目掛けサーベルを放つ。
その動きは漆黒のアルナイルの動きを読んでいたかの様に正確に無駄の無い動きであった。
だが漆黒のアルナイルはそれを躱そうとせずに、そのまま再びアル・スハイルを貫こうとした。
(面白い……)
アル・スハイルはそう思いそのままサーベルを振り抜き、漆黒のアルナイルの首を切り落とそうとしたが、その首は斬り落とせずにすり抜けてしまう。
だがアル・スハイルは冷静に漆黒のアルナイルの突きを躱し続ける。
そうしてる間に二人の見えない位置で、淡いピンク色の光が静かに輝き始めた。
「プルートは位置についたか……」
アルデバランがそのプルートの合図の光をみて言った。
「あとはシーリスとアルタイルか
アルタイルは信用できるが
シーリスとは信用できるのか?
あのシリウスの妹にあたると言うが……」
アルデバランはアルタイルの輝きを見て言った、その表情には不安の色が滲み出ている。
アル・スハイルは再び漆黒のアルナイルの首を狙い続けている、それは無駄であると解って居ながらも狙い続けていた。
(アル・スハイル一度出来なかったことを
なぜ繰り返すの……
あなたの力とあのアルナイルの力には
差があり過ぎるのよ
あなたが星の力を込めても
闇を切り裂くことなんて出来ないわ……)
メビウスはそう感じていた。
漆黒のアルナイルは力の差を見せつけるように、その刃を時折り受けながらもアル・スハイルを襲い続けている、アル・スハイルは積み重ねた戦いの経験でしか漆黒のアルナイルに勝るものは無い、だがそれを余すことなく使い漆黒のアルナイルの斬撃を躱しつつ反撃を行なっている。
そしてその戦いの場に風となって現れた者がいた、大星ヴィーナスである。
「なに…この戦い……」
大星ヴィーナスは二人の戦いが次元の違う戦いに見えていた、凄まじい力の前に一歩も引かずに立ち向かうアル・スハイル、その相手が黒いローブを纏ったアルナイルである、大星ヴィーナスは信じられないものを目の当たりにした心地になっていた。
(良く来てくれた大星ヴィーナス)
アル・スハイルの声がヴィーナスの頭に響いた、アル・スハイルはメビウスを通して意識をヴィーナスに伝えていた。
(なっ……)
ヴィーナスは戸惑った。
(驚かずとも良い
そなたの力を貸してくれ
余に立ち向かった
そなたの勇気を
この星海の為に使ってくれぬか?)
アル・スハイルは必死に漆黒のアルナイルの斬撃を躱しつつも、ヴィーナスを讃えるように言っていた。
(星海の為に……)
大星ヴィーナスは今まで考えた事もないことを言われた。
(星海は皆の物じゃ
だがこのアルナイルを止めなければ
全てが無くなってしまう
救ってやってくれ皆を……)
アル・スハイルの言葉にヴィーナスは初めてハダル以外に頼られた気がした、今までも他の星海人に頼られたことがあるのかも知れない、だがアル・スハイルの言葉から信頼さえも感じた、それはハダルからは感じたことのないものだった。
そう伝えて来るアル・スハイルも目の前でたった今、紙一重でアルナイルの斬撃を躱している。
(頼むっ!大星ヴィーナスッ‼︎)
アル・スハイルがそう心で叫び、ヴィーナスは思わず頷いた、漆黒のアルナイルと戦い全く余裕の無いアル・スハイルが込めた、気迫と信頼を寄せられた叫びに思わず頷いたのだ。
「ヴィーナスッ!」
メビウスがヴィーナスを呼び、アル・スハイルが眺め続けていた図面を投げ渡し、ヴィーナスはすぐにそれを見て、思わず涙が溢れそうになったが、その涙を流さずにすぐにその場を離れた。
その図面にはヴィーナスの持ち場がしっかりと書かれていた、場所は漆黒のアルナイルを包囲するのにアトリアロフから一番近い場所だった。
今までアル・スハイルと敵対する側だったヴィーナスを信頼している、そして必要としているのを伝えるには十分であった。
ヴィーナスはアル・スハイルがヴィーナスを認めてくれているのを強く感じ、ハダル一派を引き連れてその場所に向かって行った。
メビウスがその図面をアル家で見た時、アル・スハイルに言った。
「アル・スハイル本気なの?
ヴィーナスはスピカの剣を折って
今の状況を招いたのよ
それに貴女の敵だったのよ
本当にここでいいの?」
「構わぬ
あやつは余に何度も挑んだ
一度も戦う事は無かったが
実力は本物じゃ……
ガイア達がセプテントリオから来るのだ
その反対にあたる
アトリアロフ側に行かせるとすれば
時間がかかる
今は時が無いのだ
大星ヴィーナスに任せる他は無い
それに……」
アル・スハイルはそこまで言い僅かに俯いた。
「それに?」
メビウスが聞いた。
「過ちを犯した者に
それを償う機会さえ与えぬ
その様な醜い星海に
余はしたくは無いのじゃ」
「…………」
メビウスはそれを聞いて、アル・スハイルが今でも自ら過ちを償おうとしている様に思えた、それはアル・スハイルがまるでメビウスにその機会を求めてる様にも感じていた。
(アル・スハイル
あなたの気持ちが
ヴィーナスに伝わったか解らないわ
だけど応えてくれそうね)
メビウスはそう思いアル・スハイルを見る、未だに漆黒のアルナイルはブラックホールを背後に展開し吸い込もうとする重力を放ち続けている。
漆黒のアルナイルはそれを行い続ける事で、この場で一番厄介な大大星メビウスの動きを、封じることが出来ると解っていたのだ。
あとは技量だけで粘り続ける、赤と白の誓いの星を持ちアル・ムーリフの魂と共に戦うアル・スハイルを、力でねじ伏せればいい、戦況は変わる事なく漆黒のアルナイルが優勢であった。
そして凄まじい勢いで水色の光を輝かせサラスが接近して来た、その力はミアプラだけの物では無いとメビウスは感じた。
(サラス……)
メビウスが心でそう呟き一筋の汗を流し微笑んだ。
「メビウスは気付いたか
いやアル・スハイルも気付いておるな
ならばとくと見よっ‼︎‼︎
我が力をっ!
女王よっいっときの間許されよっ!
我が力を貴女に向けることをっ‼︎‼︎‼︎」
サラスがそう言い放ち美しいエメラルドグリーンの輝きを全身から放った。
「サラスめ
何処までも余を謀りおって……」
アル・スハイルはそう呟きステラはサラスの姿を見てとてつも無く大きな希望を感じていた。
(お父さん……)
ステラの中で優しいサラスの思い出が本物になって行くのを感じた。
あの美しい星空をサラスと見た幼い日々。
二人で楽しく流星を数えた日々。
いつも穏やかで街の人々を大切にするようにと教えてくれた。
その全てがステラの中で本物の思い出であったと、その全てが大切な宝物に変わっていくのを感じていた。
サラスはアル・スハイルにステラの姿を重ね合わせ、ミアプラと二人で優しく微笑んでくれていた。
そしてサラスは全身で力み両手を自らの胸の前で力強く音を立てて合掌した。
すると周りの小さな岩石が集まりだし、その岩石から砂が溢れ全てが繋がって行く、そして次第に少しづつ大きな岩石まで集まり出して土台となり、大地が形成されていく。
「セプテントリオ……
今まで姿を現さずに
力を溜め続けただけのことはありますね
星を作らずに
大地を形成するなんて
そんな事も出来るって
そこまで最強にこだわるなんて
私には理解出来ないわ」
メビウスが呟いた。
大地を形成するには重力が必要である、でなければ全てがバラバラになってしまうからだ。通常は星を作りコアを生み出し回転させて重力を生み出す、だがサラスはそれを無視してただ広い大地を形成させたのだ。
そして素早くサラスは漆黒のアルナイルの頭上に現れ言った。
「女王よっ!
大大星セプテントリオッ
参りますぞ‼︎‼︎」
そう大きな声で言い、アル・スハイルに襲い掛かろうとした漆黒のアルナイルを両手でその大地に向けて叩き落とした。
「お父さんっ‼︎」
ステラがすぐにアル・スハイルの体を使いそう言うが、サラスは小さく口元だけで笑い直ぐに漆黒のアルナイルに追撃を入れる為に向かって行った。
漆黒のアルナイルは直ぐに立ち上がり、サラスに向けて手を向けて黒いオーラを光線の様に放ったが、二発目を放つ前に後ろに飛び退いた。
すると大地から無数の岩の槍が突き出し、漆黒のアルナイルに襲いかかる。
「あれはガイアの技……
セプテントリオとハダルの星
スピカの子の星ハダル……
‼︎‼︎‼︎
アルナイルめっ!
あやつも余を騙しておったのかっ‼︎‼︎」
アル・スハイルは気付いて叫んだ。
(どう言うこと?)
ステラが聞いた。
「ハダルは
セプテントリオの直系の星じゃっ!
スピカはその昔に
アルタイルとアルデバランの二人を
セプテントリオの養子に出したと聞いた
その時にスピカは
ハダルの星を交換する様に
セプテントリオから養子として
受け取ったのじゃ
だから我が子であって我が子でない
ハダルを
そちと余よりも大切にしたのじゃ
あやつは大大星同士が争わぬように
血縁関係を持とうとしていたのじゃ……」
アル・スハイルは大大星達が意思を統一していけるようにと、スピカが試行錯誤していたのに気づき始めた。
だがそれが叶わないと気付いた時に強行し自らの星を爆発させ、星海に命を隅々まで行き渡らせたのだとやっと気付いた。
「愚かな……
なぜ待てなかったのだ……」
アル・スハイルは小さく呟いた。
メビウスはそれを聞いた時、スピカがアルナイルとアルデバランをセプテントリオに養子に出した時とハダルの星が生まれた時とでは、大きなズレがある気がしたが、スピカがアルタイルの星を生み出した時を思い出した。
アルタイルの星は最初から星として作られたのでは無く、スピカの星から弾かれた大きな小天体をスピカ暫く放置していた、それをふと思い出したかのようにスピカは星に変えたのだ。
それと同じようにハダルの星を作ったとしたら、セプテントリオから弾かれた小天体をスピカが貰って、セプテントリオが忘れた頃に星に変えたのだとメビウスは考えた。
「じゃぁ私達が……
誓いの星と一緒にいるのは」
ステラが聞いた。
「全てアルナイルの
手の内にあったと言うことじゃ……」
アル・スハイルがそう呟き、メビウスはそれを聞いて汗を流して小さく笑っていた。
「ほんとうにあの子は
悪戯好きなんだから……」
メビウスは大大星の元に全てがあった時を思い出していた、大大星スピカに悪戯されたり悪戯しようとしている所を見つけては怒っていたり、それでいて仲も良く楽しい日々を過ごしていた、スピカは頭も良くてスピカが仕掛ける悪戯にメビウスは良く引っかかっていたのだ。
そして自らが動き出すまでは、スピカの手の内にあったと言うことにも気付いていた。
「でも今回はお仕置きが必要ね
あの笑顔で誤魔化すなんてさせないわっ
覚悟しなさいスピカッ‼︎‼︎」
メビウスはそう微笑みながら大きな声で言い、サラスが生み出した大地でサラスと攻防を繰り広げる漆黒のアルナイルを、ブラックホールから放たれる重力を変換し続け見ていた。




