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ねぇあなたはなんで旅に出たの?ねぇあなたはどおして旅に出たの?  作者: 〜神歌〜
ねぇねぇなんで旅にでたの?ねぇねぇどおして旅に出たの?〜第三章 漆黒の星〜
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第三章 第8話 漆黒の星




「今度は負けないからね

覚悟しなさいっ‼︎‼︎」



 シーリスは力強く大きな声で言った。



「アルタイルアルタイルアル・ムーリフアルナイルアルナイルアルタイルアル・ムーリフ……」


 ヴィーナスは呟きながらシーリスを睨みつけていた、それは既にドブスと言われ怒っているヴィーナスではなかった。



「可哀想に

そんなに恋しいのかしら

あのハダルが……」



 シーリスはヴィーナスの言葉で悲恋に気付いてそう言った時、ヴィーナスが襲いかかってきた。


 シーリスは素早く躱し弓に星の力を込め、ヴィーナスを殴りつけようとしたが、いつもは青白い弓が真っ赤な弓に変わった。



(赤い星……)



 シーリスは心で呟いた、それは赤い星に言った言葉だった、双子星の特性の力を、分け貸し与える力を赤い誓いの星は三姉妹として、赤は強く願い白い誓いの星シーリスに貸していたのだ。


 その矢で射抜かれたエリスは、最初にヴィーナスと戦った、アルタイルとシーリスがヴィーナスと戦っていた場所にエリスがいた、過去にいた場所に戻されていたのだ。


 赤い星の深い優しさをシーリスは感じていた、あれだけ虐めたのに、それでも赤い星はシーリスに力を貸してくれたのだ。


 シーリスはその弓でヴィーナスが振るスピカの剣を防ぎ、素早く星の力を込めヴィーナスを蹴り、光りの矢をつがえ狙いを定めた。



「一度だけ……

あなたを助けてあげるわ」



 シーリスはそう言い矢を放った。


 凄まじい勢いでその矢は飛び、大地に押し付けようとする気圧の重圧を過去に戻し、何もない空間を飛ぶ様にヴィーナス目掛けて飛び、正確にヴィーナスの胸を射抜くかと思われたが、ヴィーナスは体を空気に変え、それを躱した。


 すると凄まじい勢いのある風のようになり、シーリス目掛けて飛んでくる。


 体は風で顔だけがあり、まるで生首が飛んでくる様に見える、だがヴィーナスは叫んでいる。



「みんな殺す!

みんなみんな殺してあげるわぁぁっ‼︎‼︎」



 シーリスはそんな化け物の様なヴィーナスを恐れず、素早く矢をつがえヴィーナスの眉間に狙いを定めた。


 その時やっとガイアが目を覚まし、瓦礫の中から砂が溢れ姿を表し、状況を素早く理解した、ステラは紫の星が傷を癒やしまだ目が覚めない、そしてアルタイルはぼろぼろになり気を失っている、エルナトは大量の血を流したのだろう、服が真っ赤に染まりザウラクが手当てをしているが気を失っている。



 ガイアは一瞬でヴィーナスを殴り飛ばそうとしたが体が動かない、気付けば自分の体の時を紫の誓いの星が止めていたのだ。



(紫っ!

じゃますんじゃねぇっ‼︎‼︎)



 ガイアが心で叫んだが、紫の誓いの星が言い返した。



(今は手を出すでないっ!

今手を出せば

あやつは戻れなくなるぞ!


殺すしかなくなるのだぞっ‼︎‼︎)



 紫の誓いの星はヴィーナスが凶星になりかけているのに気付いていた、この一瞬のやり取りでガイアは納得出来なかったが、どうする事も出来なかった。


 それは恋も叶わなければ、誰一人として友達がいないヴィーナスの寂しさが、憎しみに変わろうとしてしまっていたのだ。


 大大星スピカの剣を持った者が凶星に変われば、あの凶星に変わってしまったシリウスよりも強大な敵になりかねない、今はヴィーナスと全く関係ない、ガイアでもアルタイルでもステラでも無いシーリスに託すしか無かった。



 そしてシーリスは「ふぅぅ」と息を静かに吐き白く輝く矢を静かに放った。



 シーリスが放った矢をヴィーナスは風で吹き飛ばそうとしたが、その矢は真っ赤に輝きヴィーナスの風を無に変換し消し去った、それは向かって来るヴィーナスの風となった体までに作用し、空気に変えていたヴィーナスの体が元の肉体に変換された。


 ヴィーナスはそのまま気付かないうちに、シーリスの矢で眉間を射抜かれたが、その瞬間に矢が消える。


 ヴィーナスの目つきは変わらないが、その瞳の奥からは先程の怒りは感じられなくなっていた。


 ヴィーナスはそのままスピカの剣で斬りかかるが、シーリスはそれを躱し素早くヴィーナスの頬を素手で殴り飛ばした。


 ヴィーナスはよろめきながらも、スピカの剣を振りシーリスに襲いかかって来るが、ヴィーナスが大きな声で言った。


「なんでっ‼︎‼︎

なんでこんなわたしをっ‼︎‼︎」


「わたしもあなたみたいに

なってたかも知れないからよ」


 シーリスはスピカの剣を躱しながら静かに言った。


 誰も話せる相手が居ない、誰も遊ぶ相手が居ない、そんな中での叶わない恋、それにヴィーナスは耐え続けていたのだ、誰でも気が狂ってしまってもおかしくない、シーリスはそう思えていたのだ。


 幸いシーリスは初めてアルタイルを友達と言える気がした、立場は微妙でもアルタイルは話を聞いてくれる、そして一緒に互いの立場から仲良くはし難いが、お茶しながら話せる時間が僅かではあるがあった。


 シーリスは違う形で、自然に話しあえるそんなお茶の時間をいつか作れればな、そうまでアルタイルに思っていたのだ。



「だから何よっ!

どうせまた誰も

相手にしてくれないじゃないっ‼︎‼︎」



 ヴィーナスが叫び、その手に今までとは桁違いの重圧を集めた、その場の空気が薄くなるのをガイアは感じた。


「やめろぉぉぉぉぉぉっ‼︎‼︎」


 ガイアが叫んだ、ヴィーナスは今まであれでも周辺の人々や生き物に気を使っていたのだ、それを構わず大気を操り、そのスピカの剣に集めて振ろうとしている。


 シーリスはその大きな隙を作っているヴィーナスを止めようとしなかった、この瞬間に矢を放てば確実に仕留めることが出来る、だがしなかった。


 ヴィーナスはそのスピカの剣をシーリス目掛けて振り下ろしたが、シーリスは躱そうともしなかった。



(小さく見える

あのヴィーナスが……

これが……)



 シーリスは自分の背後に赤い星と紫の星がいる気がしていたのだ。


 シーリスは退くことなく、ヴィーナスが振るスピカの剣を睨みつけ、その振り下ろされた剣をその弓で受け止めたのだ。


 凄まじい衝撃波がシーリスを押しつぶそうとしたが、シーリスは耐えていた、紫の星がその衝撃波を全て優しい風に変換し、その風を赤い誓いの星が命の力に変換し、ヴィーナスが放った衝撃波で重症を負ってしまった人々に向かって放たれた、そしてヴィーナスが持つスピカの剣が輝き、それらを平等に分け与えていく。



「これがスピカの力……」



 ヴィーナスが呟いた。


 ガイアも初めてスピカの優しい力を目の当たりにした、人々の傷が癒えていき、気を失っていた人々が目を覚ましはじめる、奇跡とも言える光景を目の当たりにしていた。



 だがアルナイルの光星の中で、アルナイルは必死になっていた。


(頑張らなきゃっ!

今ならみんな助けられる……


でも……)



 アルナイルはやっと気付いた、なぜシーリスをメビウスが養女にしたのか、それは大大星の力を大大星だけでなく、ほかの星にも分けようとしたのだ、そしてあのシリウスの罪の償いを妹星にさせるためであった。


 今メビウスの三姉妹の力がやっと揃い、その誓いの星の力をスピカの剣が組み合わさり、メビウスの考えていたことが目の前で小さい規模であるが、実現していた。



「大大星でない星々を

自由にさせるなら

これくらいの仕組みを作らないと

収まりませんよスピカ……」



 メビウスが小さく微笑んで言っていた。



 アルナイルはスピカとして、メビウスがもう少し時間が欲しいと言う言い回しをした意味がわかった、大大星の直系でない星に大大星の力を分けて、それが良い方向に使われるのか、そして大大星の力を組み合わせて使えるのかを実証しようとしていたのだ。


 全てスピカの親友として時間が欲しかったのだと、やっと気付いたが遅かった。



 ヴィーナスが握る大大星の剣、スピカの剣に僅かにヒビが入ってしまう。



 アルナイルはそれに気付いて、すぐに手持ちのもう一本のスピカの剣を喉にそっと当てる。


「スピカ…なにを……」


 メビウスはそれを見て驚いた、いまやっとメビウスが考えていたことが実現しようとしている、その要であるアルナイルが自ら命を絶とうとしている。


「ごめんね……

時間がなくなっちゃった……」


 アルナイルがそう言い、メビウスはすぐにその剣を掴みアルナイルの自殺を止めようとした、だがアルナイルはそれでも強引に剣を引こうとした時、メビウスが目を見開き力強く言った。



「繰り返すっ‼︎‼︎」



 そしてアルナイルは自らの剣を持つ前に引き戻される。

 メビウスはアルナイルを守りたかった、その一心で力強く大きな声で言ったのだ。


「メビウス……」


 アルナイルは小さく呟いた。




 その時、ヴィーナスが持つスピカの剣に大きな亀裂が入った、その様子をシーリスが気付き叫んだ。



「ヴィーナスッ!

剣を退きなさいっ‼︎‼︎

それ以上は剣が持たないわっ‼︎‼︎」



「黙りなさいっ!

どうせ私には何も無いのよっ!‼︎

ハダル様もアルタイルも

わたしをなんとも思ってないわっ‼︎‼︎」


 ヴィーナスは退かなかった、戦いの最中で最大限の力がぶつかり合う、その中で迂闊に退けば自分の身が危なくなる、アルタイルやエルナトの怪我、そしてステラが重症でありガイアが許してくれるはずがない、ヴィーナスはそう感じ、他人を巻き込む様にこの場にいる者を全て消そうとしていた。



「みんな死んじゃえばいいのよっ‼︎‼︎」



 ヴィーナスは叫んだ、何よりもステラの優しさと美しさに溢れたあの顔に、あの優しく自分の頬を触り、ステラから謝って来たことに怒りでは無い、無限とも言える限りない敗北を感じてしまったのだ。



 ヴィーナスはその想いをスピカの剣に乗せ、更に力強くシーリスを押し切ろうとした。


「うぁぁぁぁぁぁぁっ‼︎‼︎」


 ヴィーナスが声を上げ力を込めた時、シーリスは凄まじい未来を見てしまう。



 漆黒の闇の星が生まれ、全ての星を砕き飲み込もうとしている未来が見えた。

 星の生き物も引き裂かれ、星海人も逃れられ無い、多くの力のある星でされ砕かれ引き裂かれていく未来を見てしまった。

 

「これは……」


 シーリスはそれを知っていた、光さえ逃げられ無い全てを取り込む闇の星……。




 そしてスピカの剣の亀裂から漆黒の闇が溢れ出し、いきなり勢いが増し砕け散ってしまった。



「うそ……」



 アルタイルが気がつきその目に入ったその光景を信じられずに呟いた。




ドクンッ!




 アルナイルの心臓がその瞬間、悍ましい鼓動をうった。

 メビウスはスピカの剣が砕けてしまったことに目を見開き、唖然としていた。


 次の瞬間アルナイルがメビウスに斬りかかった。


 メビウスは咄嗟に躱しアルナイルを見た時、アルナイルの両目は漆黒に染まり、全ての絶望を讃え、希望を飲み込む様な瞳と化していた。


 そして輝く様に真っ白なローブが漆黒に染まっていき、アルナイルが呟いた。



「メビウス

いい方法があるよ……」



 アルナイルの様子が明らかにおかしい。



「みんなが悩まない方法

本当の平和……」



 メビウスは目を鋭くし大大星としてアルナイルを見ていた。



「みんな無くなっちゃえばいいんだよ」



 アルナイルがニタリと恐ろしい笑みを浮かべそう言った。


 メビウスはアルナイルが自ら命を絶とうとした訳に気付いた、アルタイルが持っていたスピカの剣には星海中の負の意思が集められていたのだ。


 ベガとアルタイルが二人で行動し、誰も二人を襲う者はいない、そしてベガが居なくなってもアルタイルに勝る者がいなく、スピカの剣はアルタイルによって守られ続けていたのだ。



「みんなみんな

無くなっちゃえば

静かな星海になるよ」



 メビウスはアルナイルの言葉からメビウスにではなく、星海全てに向け無邪気な殺意を感じ、そっとチャクラムを向けた。


「そんなこと

私がさせない……」


 メビウスが静かに大大星として、アルナイルの友人として言った。


 そしてシーリスに向けて意思を放った。



(シーリス

すぐに私の星の力を集めて


この場を包囲しなさい)



 メビウスはアル・スハイルが考えたことと同じことを考えていた。



「友達でしょぉ?

じゃましないでよメビウス」



 漆黒のアルナイルが微笑んで言った。



「友達だからよっ!

スピカッお願いだから

静かにしてっ!

抵抗しないでっ‼︎‼︎」



 メビウスはそう言い、チャクラムをメビウスの輪をアルナイルに向け、赤紫色の輝きを放つ、そしてアルナイルから溢れる負の意思を自らのメビウスの輪に吸い取ろうとした。


(あなたが全て背負っていたのね……

アル・スハイルがあれだけのことをした


なのにこの星海には

凶星が何一つ自然には生まれなかった

あなたが一人で……)


 メビウスはアルナイルが無理をしていたのだと感じた、アル・スハイルの罪をまるで全て自分が封じ込めていたかのように、メビウスは薄々感じていたことが現実味を帯びて来たように思えていた。



「……」



 漆黒のアルナイルが何かを呟き、ゆっくりと微笑みメビウスに飛びかかって来た、アルナイルは自らのエストックを持たず、漆黒の稲妻の様な剣を右手に出し襲いかかって来た。


 メビウスは咄嗟に負の意思を吸い取ることをやめ、それを躱して呟く。



「繰り返す……」



 メビウスはアルナイルの時を戻そうとしたが、アルナイルはメビウスの力を寄せ付けず、直ぐに次の斬撃を放つ。




 その様子をアル・スハイルはアトリアロフからアルナイルの光星を観測してて気付いた。


 美しく光り輝くアルナイルの光星が静かに黒ずみ始めたのだ。



「なんじゃ…あれは……」



 アル・スハイルはアルナイルの光星で見た事もない現象を確認呟いた時、全く光を放たずにアルナイルの光星が爆発をした、その衝撃放は周辺の小さな小天体を吹き飛ばすのではなく、一瞬で消し去り凄まじい威力がある事に気付いた。


 アル・スハイルはその衝撃波の中でメビウスが何かと戦っている事に気付いた、漆黒のローブを着て深々とフードをかぶり無邪気な殺意を放ち凄まじい勢いでメビウスに襲いかかっている。


 メビウスが傷を受け「繰り返す」と呟き傷を癒しているのを、アル・スハイルは確認しその相手を超長距離で捉えた時、メビウスのチャクラムを躱した漆黒のアルナイルの顔を確認した。


 だがアル・スハイルはすぐにはアルナイルとは思えなかった。


 あの優しいアルナイルが、まるで戦いを楽しんでいる様に見えたからだ。


「何があった……」


「漆黒の星じゃ……」


 サラスが呟いた時、メビウスが呟いた。



「移り変わる……」



 その瞬間メビウスは漆黒のアルナイルの前から姿を消し、アル・スハイルの前に現れた、自らの時を加速させ一瞬で移動して来たのだ。



「メビウス……

漆黒の星とはなんじゃ?」



 アル・スハイルが戸惑う事なく静かにメビウスに聞いた、メビウスは冷静なアル・スハイルを見て小さくそして長く笑った、その笑いは静かに響いた。



「アル・スハイルあなたは……

あなたのお母さんを

始末できるかしら?」



 メビウスがアル・スハイルに静かに言った、メビウスからすれば許し難いアル・スハイルに話しかけている。



「必要であれば……」



 アル・スハイルは静かに言った。



「そう……」



 メビウスは小さく言った。


 アル・スハイルの言葉は冷たく冷徹であった、だがその言葉から吐息のように発せられたダークマターからは、苦しさと悲しみで満ち溢れていることにメビウスは気付いた。



 メビウスは認めたくなかった、アル・スハイルが統治者として成長しきっていることに、アル・スハイルが繰り返した過去の殺戮はアル・スハイルの成長に必要なことだったと認めたくなかった。


 だが静かに言った。



「巨星アル・スハイル

あのスピカを止めなければ

星海の全ての星が飲み込まれてしまうわ


あれは漆黒の星

まだ成長して無いけど

いづれは誰も手を出せなくなるわ


あなたが私と戦う為に集めた

その力を

スピカを止める為に

私に貸しなさい」



 メビウスは大大星としてアル・スハイルに命令する様に言った、だが同時にアル・スハイルを大星ではなく、巨星と呼んだ、それはメビウスがアル・スハイルを大星でなくそれを遥かに超える存在と認めざる負えなかったのだ。



「断る……」



 だがアル・スハイルは静かに断った。



「…………」



 メビウスからすれば断られても当然のことであった、メビウスは動揺せずに次の言葉を言おうとした時にアル・スハイルから言った。



「そちは赤をどう思っている?」



 アル・スハイルは意外な言葉を言った。



「なっ……」



 その言葉にメビウスは戸惑いを覚えた。


 アル・スハイルは赤い星を出していた、だがその星に目もくれずに、メビウスは要件を言ったのに対してアル・スハイルは聞いたのだ。



「そちはアルナイルを

スピカをどう思っている?」



 続けてアル・スハイルが聞いた。



「…………」



 アル・スハイルの言葉にメビウスはすぐには返答出来なかった。


 そしてアル・スハイルは言った。


「まぁ良い

その程度のこと星海から見れば

小さきこと……


それすら答えられぬ者に

余の為に集まった者を

貸すわけにはいかぬ……」



「あなたは……」


 メビウスはそう言うとチャクラムをアル・スハイルに向け、殺気を放とうとした時、アル・スハイルは言った。



「誰が手を貸さぬと言った


余に集まった者どもは余が率いる


そう言ったのだが……

そちはふぬけか?」



 アル・スハイルは鼻で笑いながらそう言った、メビウスは不思議でたまらなかった。



「あなたは私を

憎んでたんじゃ……」



 メビウスは武器をおろして聞いた。



「アルナイルの良き友なのだろ?

アルナイルの星を観察してたのだが

時折そちらの親しげな気配を感じておった


だからそちは余の元に来た

アルナイルを救いたくて……

違うか?」


 アル・スハイルはそう言った、アル・スハイルは従うのでは無く、誇り高く共に対等の立場であるならば力を貸すと言っていたのだ。



「……」



 メビウスは沈黙する、だがそれに気付いて静かに頷いた。



「来るが良い……」



 アル・スハイルはメビウスをテーブルに招いた、星図を指差した。


 メビウスはその星図を見て驚いた、メビウスが考えていたことと寸分狂わずに、陣形が描かれていた。


 それはアル・スハイルの中で完璧に作られた、メビウスと戦う為にダークマターを封鎖する陣形だったが、現状での欠点を一つ見つけた。


「これで良いか?」


 アル・スハイルが静かに聞いたがメビウスは頷けなかった。


 それは大星ヴィーナスが重要な場所に組み込まれているからであった。

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