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ねぇあなたはなんで旅に出たの?ねぇあなたはどおして旅に出たの?  作者: 〜神歌〜
ねぇねぇなんで旅にでたの?ねぇねぇどおして旅に出たの?〜第三章 漆黒の星〜
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第三章 第4話 ハダルとヴィーナス



「アルタイルちゃん

ぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇったいに

逃がさないわっ‼︎‼︎‼︎」



 ヴィーナスはそう叫び洞窟の外に飛び出していく、その姿を洞窟の入り口まで来ていたザウラクが見て呟く。



「エリス……

お前の犠牲は無駄にしない……」



バシッッ‼︎



 ザウラクはいきなりエルナトに叩かれる。



「勝手に犠牲にしないで下さいっ‼︎」



 エルナトは直ぐに洞窟の外飛び出す。


「エルナトッ!

あなたの力じゃっ‼︎」


 ザウラクが叫びエルナトを止めようとしたが、エルナトは聞かずに走って行った、ザウラクもそれを追いかけて行く。



(エリスちゃんがエリスちゃんが……)



 エルナトはアルタイルがエリスを連れて逃げきれない気がし、いてもたっても居られなかった。


「お師匠さまっ!

なんであのドブスを

やっつけないんですか?」


 エリスが聞く。


「ちょっと黙っててっ‼︎」


 アルタイルが必死なのか大きな声で言い、エリスは可愛く納得しない顔をする。


 アルタイルは大空を羽ばたき必死で星海を目指していた、とてもじゃないがエリスを怒っている時間なんて無かった、だが正面に何かがある事を感じた。


(間に合わなかったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!)


 アルタイルは思わず心で叫んだ。


 その瞬間凄まじい衝撃波がアルタイルを襲った、まるで空から大地に叩きつける様に、上から下に凄まじい衝撃波が発せられた。


 アルタイルはエリスを守る様に抱きしめた。


(避けられるっ!でもっ‼︎)


 アルタイルは衝撃波がまだ小さい範囲だと感じた、明らかにアルタイルとシーリスだけを狙っている、だがアルタイルは背を衝撃波に向けて翼でエリスを包み、その衝撃波を受け大地に向け叩き落とされた。


「なんでっ!」


 アルタイルを追うように来ていたシーリスは、避けられる攻撃をあえて受けたアルタイルを見て叫んだ、そして自らは避けようとしたが、その時にチラッと近くに小さな村が見えた、最初にヴィーナスが放った衝撃波で森が吹き飛ばされたが、その村はぎりぎりで巻き込まれずに難を逃れていた。


(アルタイル……

あなたはっ‼︎)


 シーリスは何故アルタイルがあえて受けたのかに気付き、自らも身を守る姿勢をとり衝撃波を受け、叩き落とされていく。


(これがメビウスの星だったら

私だってそうしますっ!)


 アルタイルはその攻撃を避けた場合、更に広範囲でヴィーナスが衝撃波を放つと解っていた、そうしたらあの村まで巻き込まれてしまう、シーリスはそれに付き合う様にアルタイルと大地に叩き落とされて行く。


「アルタイルさんっ!

わたしも付き合いますからっ!

話は聞いて下さいっ‼︎‼︎」


 シーリスも大星に匹敵する力を持っているために気絶せずに落ちていき、アルタイルに向かって叫んでいる。



「ヴィーナスを止められたら

聞いてあげるわよっ!


着地に気を付けてっ‼︎‼︎」



 アルタイルは叫び返し、シーリスが共にヴィーナスを止めてくれると確信した。



 アルタイルは着地直前で大きく羽ばたき、衝撃を和らげるが、両足に骨が砕ける程の衝撃を受けるが、強くアルタイルの星を輝かせそれに耐える。


 シーリスは素早く矢を大地に放ちその着弾点の時間をねじ曲げ物理的な白い球体の物質に変えた、そしてグランドファングを放ち青い狼にその白い球体を食わせてしまう。


 するとその辺りだけが砂地になり、シーリスの着地の衝撃を和らげる、辺りに砂埃が舞うがシーリスは無傷で立ち上がり素早く弓を構えた。



(なに今の……)



 シーリスのその不思議な技をアルタイルは理解出来ずにいた。



「ヴィーナスッ!

いい加減にしなさいっ!

セプテントリオの直系でも

我慢出来ないわっ‼︎‼︎」



 シーリスが叫びヴィーナスに向け弓を構える、エリスは落下した衝撃で目を回して気絶している。

 ヴィーナスはまるで聞こえていないかの様に、凄まじい重圧にした気圧の衝撃波を右手で薙ぎ払う様に放った。


 シーリスは真剣な眼差しで衝撃波を狙い矢を何本か放ち、その矢が衝撃波に当たると、その衝撃波だけの時間がねじ曲がり、再び白い球体が生成され、その球体を素早く矢で射抜き破壊した。


 すると、その衝撃波は何もなかった様に消え去っていた。


「アルタイルッ!

ヴィーナスの攻撃はわたしに任せて

早く黙らせて来なさいっ!」


 シーリスが強くアルタイルに言った。


「解ったよっ!」


 アルタイルがそれに応え、一瞬でヴィーナスとの距離を詰め素手で殴りかかった。


 ヴィーナスはその速さを躱しきれずに右肩に直撃を受けるが、凄まじい重圧を乗せた拳をアルタイルに目掛けて振る、アルタイルは後ろに下がって躱したが、その拳から衝撃波が放たれ躱せないと思った。


 だがその瞬間、シーリスの矢がその衝撃波を横から射抜き白い球体を生み出し、二本目の矢が間髪入れずにそれを射抜いた。


(シーリスッ

時を破壊して過去に戻してるのかっ!)


 アルタイルはそれに気付いた、シーリスは未来を見抜きその未来に誘う力を持っている、だが過去には戻せない、それをシーリスは時を物体に変換して破壊すれば、ある程度は過去に戻せると考え、それを時に触れることが出来る誓いの星の力と、変換を同時に使い編み出したのだ。


(出来れば使いたくなかった

紫の星を驚かす為に考えたのにっ!)


 シーリスも奥の手であった技を披露する羽目になり、ヴィーナスに対して怒りを覚えた。


 アルタイルは素早くヴィーナスに飛びかかり横から蹴り、ヴィーナスが吹き飛ばされる。

 クンガ村の洞窟の横の壁にヴィーナスは叩きつけられ、岩壁にめり込んだ様に二人からは見えていた。


「ふふ……」


 ヴィーナスが小さく笑った。


「ヴィーナス

少しは頭が冷えたかい?」


 アルタイルがヴィーナスに言った。



「はい……

やっぱりアルタイルさんは

お強いです


さすが可愛いさで

わたしを超える方です」


(いや…わたしより……

エリスの方が可愛いと思う)



 ヴィーナスがそう言い、アルタイルはエリスが育った時の姿を想像してそう思った。


(まったく関係ないと思うけど

やっぱりそこなのね……)


 シーリスは呆れてしまう。



「でもやっぱり

ハダルさまの方がお強いですわ

貴方達は二人で

やっと私と戦えるんですもの」


 ヴィーナスはそう言いながら岩から出て来る、ダメージを受けてない様に歩いている。


 シーリスはヴィーナスが叩きつけられた岩壁が、不自然に円形に破壊されてることに気付いた。


(あの瞬間に気圧を操って

空気の壁を作ったのね)


 それをクッション代わりにしたのかヴィーナスは、さほどダメージを受けていない。


 そしてヴィーナスは静かに言い二人に手を向けた。


「もう少し遊びましょう」


 ヴィーナスがそう言った時、アルタイルとシーリスは息苦しさを覚えた。


 二人の周辺の大気が奪われたのだ、アルタイルとシーリスは二人ともダークマターで呼吸出来るので、まだ戦う事が出来るが、星海では無く星の中ではダークマターの量は限られている。


「これは……

セプテントリオの力……」


 アルタイルはサラスがガイアと戦った時のことを思い出した、人間の体であるガイアは酸素を奪われ戦えずにいた。


「違いますわ

わたくしの力です


セプテントリオの直系なのです

セプテントリオと似ていても

おかしくはないと思いませんか?」


 ヴィーナスはそう聞く様に話しながら飛びかかった。


 アルタイルは気付いた、ハダルとヴィーナスの二人の組み合わせが、危険すぎる事に気付いた。


 ハダルは地上戦では文句の付けようがない程に最強である、大地そのものと戦うのだ勝てるはずが無い。


 ヴィーナスは大気を操るのだ、地上から逃げようとしてもヴィーナスの力で大地に叩きつけられてしまう、それどころか大気まで奪われ、どんなに強い星海人でも弱体化させられてしまう。


 その二人が手を組み一つの星に立て篭もったらどうしようも無い。


(だからシリウスは

星ごと破壊しようとしたのねっ‼︎‼︎)


 アルタイルは初めてシリウスの判断が正しいと感じた、正しくは無いがハダルとヴィーナスが居る星に乗り込むのは正に自殺行為である、それならば星ごと消してしまおうと言う方が賢い気がしてならなかった。

 だが星の中限定であるとアル・スハイルは見抜き、さわらぬ神に祟りなしと言わんばかりにほっといたアル・スハイルの判断力にも気付いた。


 ヴィーナスのビンタから放たれる凄まじい衝撃波が、今度は真空の刃になって二人を襲う。



 シーリスが襲って来る真空の刃を次々とそよ風に変換しビンタも躱している、その間にアルタイルがヴィーナスに飛びかかる。


「肉弾戦で

私に勝てると思ってるの?

ヴィーナスッ!」


 アルタイルが大きな声で聞きヴィーナスが言った。


「思いませんわっ!」


 その瞬間アルタイルは凄まじい気圧の衝撃波に吹き飛ばされた。


 ヴィーナスがシーリスを狙ったのは、シーリスの変換を自分の為に使わせる為であった、そしてアルタイルを吹き飛ばしそのまま気圧を集中させアルタイルを大地に叩きつける。

 アルタイルと近接戦を避けようとしているのが見て取れる、そして中距離に強そうなシーリスから倒そうとヴィーナスはしていたのだ。


「このくらい……」


 アルタイルからすればダメージは大した事が無いが、凄まじい気圧の影響で体が重く立つことさえままならなかった。


 アル・スハイルの守星を退け続けたヴィーナスの力を目の当たりにしていたが、その時気絶していたエリスが気付いて立ってしまう。


「えっ……

アルタイルさまが……」


 エリスはアルタイルが押さえつけられているのを目の当たりにし、ショックを受けていた。


 アルタイルはそれに気付いて必死に立ち上がり、金の羽を一枚抜いてエリスに向けて放った、その羽はエリスの前の地面に刺さり輝きその光は大地に染み渡る様に波紋の様に広がった。



「あんたの前で

カッコ悪い姿を見せれないじゃない」



 アルタイルは呟いて体内で星を最大限に輝かせていた。

 そしてシーリスを襲い続けているヴィーナスを睨み一瞬で姿を消した。


 アルタイルが居た場所からヴィーナスに目掛けて黄金の風が吹いた。


 アルタイルは超加速を使い、ヴィーナスの凄まじい気圧の重圧を押し返す様に、襲い掛かった。


 シーリスは鼻で笑ってからヴィーナスのビンタを死ぬ気で掴んだ。


「っ⁉︎⁉︎」


 ヴィーナスは今まで防戦一方だったシーリスが取った行動に違和感を感じた。


 そしてその僅かに違和感を感じた瞬間に、凄まじい速さの黄金の風を纏ったアルタイルの蹴りが、背後からヴィーナスの脇腹にめり込みヴィーナスは吹き飛ばされた。


 アルタイルが姿を表しその姿は全身が黄金に輝いている。


「いまので終わったかしら?」


 シーリスはアルタイルのその蹴りの威力を一度味わい知っていた、シーリスが受けた時はその衝撃を逃していたので、意識を保ち無傷な未来を呼び寄せ瞬時に回復していたが、ヴィーナスは間違いなく直撃を受けていた。


「あのくらいでへこたれるなら

苦労しないよ……」


 アルタイルは真剣な眼差しでヴィーナスが吹き飛ばされた方を見ていた。


「そう……」


 シーリスは楽しそうに呟く、シーリスは二人で共に戦う事を楽しく思えていたのだ。




 その様子を見ていたメビウスは嬉しい様な、困った様な表情をしていた。



「どうしたのですか?」



 アルナイルが聞いた。



「なんでも無いわ……」



 メビウスが言った。


(二人は

仲良くなれるかも知れませんね


でもそれじゃ……)


 メビウスはシーリスに星海人の友達が居ないことを心配していた、だが今の状況ではアルタイルが友人になってくれたとしたら、シーリスは再びアトリアロフを攻撃する事を躊躇ってしまうのでは?と考えていた。


 アルナイルもシーリスの表情に、何処か楽しんでいる様な気がしていたのだ、何か初めての経験をしている様な、表には出さないがワクワクしてる様なそんな表情に見えていた。


(あの子……

この状況を楽しんでるのかな……)


 アルナイルはそう感じていた。




(己が妹を

侮辱する者と話すなど……

むしずが走るっ‼︎‼︎)


 シーリスは思い出していた、アル・スハイルが言っていた言葉を……。


(己が妹を……

なぜっ‼︎

大切にせぬのじゃぁぁぁぁぁぁぁっ‼︎‼︎)


 アル・スハイルがそう叫んだのは、赤を思っていることと、その溢れる怒りをぶつけたものだったが、姉妹であれば何よりも信頼出来る存在のはずだった、それをアル・スハイルが伝えようとしている様に思えてきていた。


 アルタイルと肩を並べて戦うことで初めてそう感じていたのだ。



(たかが星海人のくせに……)



 シーリスはそう呟くが、思っている事と違う言葉を呟いて、口元で小さく笑っていた。



 次の瞬間、ヴィーナスが吹き飛ばされた方からではなく、違う方向から声が聞こえた。



「アルタイルさんが

本気を出されるなら……」



 それはエリスの背後から聞こえた。



「えっ……」



 エリスは驚いて振り返ると、そこにヴィーナスがいた、大気を操るヴィーナスは大気のある星では自らの体も大気に変える事が出来たのだ。

 



「もう親友でも何でも無いわっ‼︎‼︎」



 そしてヴィーナスが叫ぶがその叫びは大気を震わせる程大きな声であったが、アルタイルはすかさず叫んだ。



「親友じゃないからっ‼︎‼︎」



 アルタイルが大きな声で否定したが、ヴィーナスは聞こえて無いのか無視したのか、エリスを捕まえようとし、エリスは走って逃げようとした。


「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼︎‼︎‼︎」


 エリスは全力で悲鳴を上げ走り出したが、凄まじい大気圧がエリスを襲い押し潰そうとした時、アルタイルが一瞬で移動しエリスを庇うが大地に叩きつけられてしまう。


 その間にシーリスがヴィーナスを弓で全力で殴り飛ばそうとするが、気圧で作られた圧縮された空気の壁の様なもので防がれてしまい、ヴィーナスは殺意を乗せたビンタでシーリスを吹き飛ばし、シーリスはクンガ村の洞窟壁まで飛ばされ叩きつけられ、その振動がクンガ村まで響いた。



 アルタイルがエリスを抱えて逃げようとしたが、それをヴィーナスが蹴り飛ばしアルタイルは洞窟の脇の岩壁に叩きつけられる、アルタイルは大星であり、ダメージは大した事なくシーリスもさほど傷は受けていなく、シーリスは矢を放ちアルタイルは羽を飛ばして反撃をし、それを薙ぎ払う様にヴィーナスは連続で衝撃波を放ち、凄まじい力がぶつかりあい、クンガ村は断続的に大きな振動に襲われていた。


 もう既にエリスはあわあわ状態で、頭を抱えてしゃがみ込んでいる、その姿を見たヴィーナスはニタリと笑い、急にビンタの手のひらを強く握り、その拳を強く自分の方に来いと言う様に振った。


 その瞬間凄まじい風がエリスを拐うように吹き、体の軽いエリスは風に飛ばされ、ヴィーナスの方にもっていかれてしまった。


「エリスッ‼︎‼︎」


 それを見たアルタイルは叫び、シーリスも攻撃が出来なくなってしまう、エリスに当ててしまう訳にはいかず、二人は走り出しヴィーナスに襲い掛かろうとした。


 アルタイルは体内で星を輝かせるのが遅れてしまい、超加速を素早く使えなかったがシーリスが呟いた。


「移り変わる……」


 アルタイルはメビウスが言った言葉と、同じ言葉をシーリスが言ったのを聞き逃さなかった。


 その瞬間シーリスは自らの時の流れを未来に向けて加速させた、シーリスだけの時間の流れが変わり凄まじい速さを見せ、ヴィーナスに至近距離で矢を放とうとした。


(なにっこの動きはっ‼︎‼︎)


 ヴィーナスは違う次元に居るようなシーリスの動きと、シーリスの矢を受けてはならないと感じたが予想もしなかった速さにどうする事も出来なかった。

 シーリスが小さく笑った時、いきなりヴィーナスの足元から砂が吹き出した。


(これは……)


 ヴィーナスは懐かしく愛しい人の気配を感じた瞬間。



「うっせぇぞお前らぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼︎‼︎‼︎」



 凄まじい叫び声を上げてガイアが砂の中から二人の間に現れたかと思ったら、一瞬でヴィーナスの顎を鋼の拳で下から上に殴り飛ばした。


「ガイアさん……」


 洞窟の入り口まで来ていたエルナトが、ヴィーナスを殴り飛ばしたガイアの姿を見て呟いた、やっとガイアが助けに来てくれたと思い安心を覚えていた。




(いきなり何っ‼︎‼︎)



 シーリスはそう思ったが止まる事が出来ず、そのまま突っ込み、ガイアは大地を蹴るシーリスの動きを読み、凄まじい速さで回し蹴りをシーリスの腹部目掛けて蹴りつけた。


 エルナトはシーリスをよく知らないが、明らかにアルタイルと一緒にヴィーナスと戦っていたのを感じていが、巻き込まれたシーリスを見て目が点になる。



「ちょっ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」


 それを見ていたアルタイルも急いで止まろうとしたが、ヴィーナスによって飛ばされ、ヴィーナスが空に向けて殴り飛ばされ、受け止める者が居なくなったエリスが叫びながら飛ばされて行く。


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼︎‼︎‼︎‼︎」


 アルタイルはそのまま加速し飛ばされて行くエリスを捕まえ、ガイアを通り越し砂埃をあげながら着地するが、エリスは怖かったのだろうアルタイルにしがみついて泣きじゃくっている。



(このちから……

ハダル様ですわっ


間違いないですわっ!


あぁ…感じますわっ!

全身を貫く大地の温もりをっ

感じますわっ‼︎‼︎)



 そらに飛ばされながらヴィーナスはそう思っている。


「…………」


 シーリスは口から泡を吹き白目を向いて倒れている。


「ったくお前ら

何してんだよ……

村の人達も

アル・スハイルの祠に集まって

必死に祈ってんぞ……


って…いま俺……何殴ったけっ?」


 ガイアはそう言い、蹴飛ばしたシーリスを見てアルタイルに聞いた。


「あれ誰だ?

星海人じゃねぇだろ?」


 アルタイルはキョトンとしている、仮にもメビウスの養女であり、紫の星の義理の姉にあたるシーリスを蹴り飛ばし一撃で気絶させたのだ。



「ガイアお兄ちゃんっ!

怖かった怖かったよぉぉぉぉっ!」



 エリスは本気で怖かったのか、そう叫ぶように全力で泣きながらガイアに飛びついた。

 エリスがどさくさに紛れてるのではない、本気で泣きじゃくっている。


「あいつに虐められたのか?

もう大丈夫だからな」


 ガイアがエリスの頭をなでながらシーリスを見て言った。


「ちがうのちがうの

あのお姉ちゃんじゃなくて

ドブスに虐められたの」


 エリスの中で既にヴィーナスの名は、ドブスになっている様だと感じた。




「あれは

大星ベガ……」



 エリスをなだめているガイアを、アルナイルの光星にいるメビウスは、その姿を見てすぐに気付いて呟いた。

 そして更に気付いたアルナイルは大大星スピカと言う事を隠し、ベガの生まれ変わりであるハダルに近づき、そしてガイアのそばにも居たと言うことに。


(ほんとうに好きなのね……

ガイアは人間よね?

じゃあいつか死んで

星海人に転生して戻ったら

きっとまたそばに行くのねこの子は……)


 メビウスはそう言う目でアルナイルを見ていた。





「ドブスって誰だよ

あいつそんなにブサイクじゃねぇぞ」


 ガイアはシーリスを見て言う。


「ちがうのちがうのっ!

ガイアお兄ちゃんが

そらにやったおばちゃんが

ドブスで怖い人なのっ‼︎」


 エリスが本音を言っている。


「たっく

誰だよそれ……」


 ガイアがそう言い空を見上げる。



「ハダルさまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼︎‼︎‼︎」


 空からはヴィーナスの喜びに満ちた叫び声が聞こえくる。

 それを聞いたガイアの顔からは全ての感情が消え失せていた。

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