第一章 第4話 不安
(おねーちゃん!
ガイアさんの様子はどう?
うちのアル・スハイルに
めっためったにされてだけど……)
星海で可愛らしい声で紫の誓いの星に話しかける星がいた。
(赤い誓いの星よ
ガイアのことを気にかけるなら
そちがアル・スハイルに
声を掛ければよかったではないか)
紫の誓いの星が妹である赤い誓いの星に言った。
(だって
アル・スハイル怖いんだもん……)
しょぼんとした様な声で赤い誓いの星が言った。
(ふふっ
そなたの選択は正しかったな)
紫の誓いの星が小さく笑いながら言った。
(お姉ちゃん
どう言うこと?)
赤い誓いの星が聞いた。
(我らの考えは
宿主にも影響を与える
あの気が強過ぎるアル・スハイルを
引き留めたのはそちじゃ
そちの優しさが
アル・スハイルを選び
救い引き留め
それが妾の宿主である
アル・ムーリフを救ったこと
まだ気付かぬのか?)
紫の誓いの星が赤い誓いの星に優しげに言った。
(ほえ……)
赤い誓いの星はそうなの?と言う返事をした。
(少しはしっかりするが良い
シリウスと対峙した先の戦いの時も
そちの悲鳴が星海に響いておったぞ……
その上にアル・スハイルが
命をかけ凶星を消しに行った時も
そちは怖気付いて
妾の近くにおったではないか)
紫の誓いの星が赤い誓いの星を突っつく様に言った。
あのシリウスとアル・スハイルが戦った時、赤い誓いの星はアル・スハイルに使われ恐怖に怯えきり、いい様に使われアル・スハイルが遠距離変換を使った時、絶叫と言う悲鳴をあげ、その声はダークマターを通し、紫の誓いの星にまで聞こえていたのはもちろんのこと、全星海にまで響いていた。
そしてアル・スハイルが意を決し、アルナイルに自らを転移させ、シリウスに切りかかった時……。
(いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼︎
一人で行ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‼︎‼︎)
赤い誓いの星は全力で泣き叫び、その場にとどまりアル・スハイルだけが転移したのだった、つまりあの時に星だけが残っていたのはアル・スハイルの意思では無く、赤い誓いの星の意思であり、赤く輝いていたのは紫の星が、宿主について行かぬ星があるか、と怒っていたのだ。
(そ…それは言わないでください……)
赤い誓いの星は恥ずかしいのか、ただでさえ赤く輝いている星が、更に赤く輝いて言った。
(そちもアル・スハイルを見習うが良い)
紫の誓いの星は赤い誓いの星に、勇気を持つ様にと言う意味でそう言った。
(はい…お姉様……)
赤い誓いの星はしょぼんとし静かに言った、その様子を見て紫の誓いの星が言った。
(我が視線を見るが良い)
紫の誓いの星が微笑みながら言ったので赤い誓いの星は、その視線をダークマターを通してみてホッとして微笑みながら言った。
(ガイアさんも大変ですね)
二人は静かにガイアとステラを見守っていたが、紫の誓いの星は二人が居るセプテントリオの星の近くに、何かが居ることに気付いた。
「時の流れは繰り返す……
だがアル・スハイルよ
お前の流れは断ち切ってくれよう……」
紫の誓いの星が何かいると思った辺りで、一人の透き通った姿をした存在がセプテントリオを見て呟き、アトリアロフの方に向かって行った。
翌朝。
「ふぁぁ……」
ガイアがあくびをしながら、とてつも無く眠そうにし、食堂に向かっていった。
「ガイア?
昨日は眠れなかったの?」
ステラが不思議そうに聞いた。
「まったく……」
ガイアが目を擦りながら言った。
昨晩のこと。
「はぁっ?
なんでステラと一緒に
寝なきゃなんねぇんだよ」
ガイアがステラにステラの部屋の前に連れてこられ、わけわからない様に言っている。
「あんたね……
アル・スハイルとエリスちゃんが入ってた
お風呂に忍び込んで……
どうするつもりだったのかしら?」
ステラがじとっとした目でガイアに言った、無論ステラはガイアの性格で明らかに事故だと解っていたが、強気で言っていた。
「だからあれはマジで
気付かなかったんだよっ‼︎」
ガイアは言った。
「ヘぇ……
事故でバスタオルも脱がせるの?」
ステラが突っ込むが明らかに言いがかりである。
「だからあれは
ユーファが来てっ……」
ガイアがそう言おうとした時、ステラは面倒臭いと思いガイアの手を掴んで無理に部屋に連れ込んで言った。
「あのねっ!
私達付き合ってるのよね?
私がそれで許してあげるって
言ってるの解らないの?」
「えっ……」
ガイアは、部屋の扉を閉めながらそう言うステラに驚いていた。
ステラ的に無理矢理の口実が欲しかったことにガイアは気付いた。
「悪りぃ……」
ガイアが頭を掻きながら言ったが、ステラはベッドに座りガイアに言った。
「なにぼーっとしてるのよ
寝るよわよ」
ステラはそう言いベッドに入り、ガイアはステラに背を向けてベッドに入った、まったくその事に興味が無いガイアだが少し落ち着かなかったが、しばらくしてステラがガイアの後ろから抱きついてきた。
ステラは眠っているが、小さく寝言のを囁く。
「ガイア……」
ガイアは可愛いと思ったが、暫くして強く思った……。
(寝れねぇっ‼︎‼︎‼︎)
結果ガイアは一睡も出来なかったのである。
「ガイアってさ
旅してる時は馬車で一緒に寝ても
寝れてたよね?」
ステラはもう昨日のことは許しているように話す、結果二人の間には何も無かったがステラはそれで満足したようであった。
「あぁ……」
ガイアは眠そうに言った。
「ガイアってさ……」
ステラが考えながら言い、うん?とした顔でガイアが見た。
「ううん
なんでもない」
ステラは思ったことを隠すように言った時に食堂に着き、みんなが既に居て機嫌が治ったステラを見て安心していた。
そして食事が終わり、ガイアはいつもの様に屋敷の外に出ると、いつもの様にステラヘ求婚を求める者達が集まって居たがガイアは言った。
「悪りぃっ!
今日は眠いからまた明日来てくれ
手加減出来ねぇかもしれねぇから
また明日なっ!」
そう言い、ガイアは屋敷に入ろうとした時、一人の騎士が侮辱されたのに怒りガイアの背後から切りかかったが、ガイアは裏拳でその騎士を吹き飛ばし庭の木にその騎士が叩きつけられ気を失った。
「こっちはねみぃんだよ
寝かせてくれねぇかな……」
ガイアは凄みを出して振り返りながら言った時、数人の傭兵が帰り始め、それに続いて多くの者達が帰り、解散ムードが漂っていく。
「ガイアさんって
強いんですね……」
その様子を見てプルートが言った。
「お兄ちゃん
眠い時は機嫌悪いからね……
普通の時より星が輝いてる時もあるから
今のお兄ちゃんなら
昨日みたいなことは無いかもよ」
アルナイルがプルートをけしかける様に言った。
プルートはステラに求婚するには、ガイアを倒さないといけない様なルールが存在してるのを、ステラから聞いていた、その為にちゃんと勝負してから来なさいと、ふっても解ってくれないプルートにそう言っていのだ。
ステラもプルートが不思議な能力を持っているのに気づいていた、それもあり真夜中に忍び込んで来ないかと思い、ガイアを昨日ベッドに強引に連れ込んだのだ。
その頃アル・スハイルは屋敷に帰る前に、ステラと話しアルタイルにも声をかける為に、ステラと神殿書庫に向かって階段を降りて行った。
「ステラ
アルタイルは何を調べておるのじゃ
この星がセプテントリオだとして
それを調べておるのなら解る……
だが違うことを調べておると思わぬか?」
アル・スハイルが聞いた。
「え……そうなの?
私にはこの星のことで
私も知らない事も教えてくれるけど……」
ステラが考えながら言った。
「それは良いのじゃ……
じゃがアルタイルは我らの師でもあり
我らの性格も知っておるからな
話をはぐらかすのも上手いのじゃ……
教えてくれれば良いのじゃが……」
アル・スハイルがアルタイルを気にしているのを、ステラは感じていたがステラは優しく言った。
「気にしすぎかじゃないかな
もし何かあっても
アルタイルは私の手星だし
ちゃんと教えてくれるよ」
アルタイルはステラにとって手星であり、手星としては忠実であり、恩人でもあるので深い信頼を寄せていた。
「余には何度も剣を向けて来たがな……」
アル・スハイルは困った様な顔で言った。
「それはお姉ちゃんが悪いんでしょ?」
ステラが可愛い笑顔で言った、ステラはアル・ムーリフがアル・スハイルと仲良く話していた頃の様な態度を自然ととり、アル・スハイルも懐かしく心地よい感覚を覚え微笑み、神殿書庫に着いた。
神殿書庫では頭を抱えながら本を睨みつけているアルタイルがいた、何かを見つけたらしい……。
ステラが声をかけようとしたが、アル・スハイルがそれを手で止め、静かにアル・スハイルは赤い星を輝きを抑えて出し、アルタイルの背後に送った。
赤い星を使い、アルタイルが見ている書物を覗き見ようとしたのだが、アルタイルは静かに本を閉じた。
「ほんとにこの子達は
油断も隙もあったもんじゃ無いね」
アルタイルが問題児を見るように、それでいて困った様な顔をしてアル・スハイルとステラに言った。
「アルタイルよ
何を見つけたのだ?
我らに隠さねばならぬことなのか?」
アル・スハイルが言った。
「この星のことさ……
この星は間違いなくセプテントリオ
王の星だってこと……」
アルタイルが応える。
「ほう……
ならば我らに見せても良かろう?」
アル・スハイルが言った。
「まだ調べ切ってないからお預けかな
昔からあんたはせっかちだからね
間違った解釈されても面倒だからさ」
アルタイルがそう微笑みながら言った。
アルタイルは昔、アル・スハイルが可愛い弟子であった時からアル・スハイルが好奇心旺盛で、アルタイルが調べ物をしている時に割り込んできて、アル・ムーリフを含めて三人であぁだこうだ言いあったことを思い出していた。
「そうか……」
アル・スハイルもそれを思い出したのか、微笑みながらそう言い、続けて言った。
「だが先程の様子からして
問題があるのでは?」
「大ありだよ……」
アルタイルはそう言い、少し考えてから話すことを決めたのだろうか、アルタイルは言った。
「サラスが持っていた
セプテントリオの杖……
あれがまた新しく
生まれ変わるらしいんだ
この星の何処かに現れるらしい
でも現れて暫くすると
不思議なことに
別の場所に移動するらしいんだ
そこで二人に問題です
その杖を
全く無知で喧嘩っ早い人が
手にしたらどうなるでしょう?」
アルタイルが言った、それを聞いたアル・スハイルとステラはガイアを連想し、ステラが可愛く答えた。
「問題ないと思うけど?」
「……」
アルタイルは固まって気を取り直して言った。
「ガイアちんなら問題ないよ
うん……言い方が悪かったね……
ごめん……
普通の人でそう言う人が持ったら
どうなると思う?」
「……」
アル・スハイルはアルタイルが、何を言いたいのか理解して無言になった。
「争いが起きるわね……」
ステラが呟いた。
それは簡単な答えであった、絶大な力を持つものは意思が弱ければ、力に支配されてしまう人が力を使うのでは無く、力が人を使うその様なことになりかねないのだ。
そして人は力のある者に寄りがちである、地位を得る為に人が集まり、より大きな力になり危険な思想を抱きかねない。
アル・スハイルがかつてこの星で魔法を禁じたのは、そう言ったことが起きない様にと考えてしたことであった。
「つまりアルタイルは
我らにそのセプテントリオの杖を
探してまいれと
言いたいのか?」
アル・スハイルは小さく微笑んで言った。
「そうっ!
そう言うこと
これからアル・スハイルが星神として
この星を見るなら
うちらの誰かが
その杖を持つ必要があると思わない?
それか……
封印して誰も使えない様にする
もし使うなら
ガイアちんが一番暴走しなそうだから
望ましいと私は思うんだけど
どうかな?探して来てくれるかな?」
アルタイルが言ったが、一番喧嘩っ早いガイアを押す意図がアル・スハイルには解らなかった、だが一番暴走したと言えるアル・スハイルが、それに意を唱えるのはおかしな話しであり、アル・スハイルは立場をわきまえ何も言わなかった。
「いいわ
探しに行ってあげる」
ステラが得意そうに言った。




