表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ねぇあなたはなんで旅に出たの?ねぇあなたはどおして旅に出たの?  作者: 〜神歌〜
〜第二章 新しい旅へ 〜
27/78

第二章 第11話 夢の中の話


「あったまいてぇ……」


ガイアがそう言い目を覚ました。


 そっと目を開けると目の前にステラが寝ていた。


「なんで……」


 ガイアが呟く、ガイアは横を向きながら寝ている、ステラは添い寝をし甘える様にガイアにピッタリと付いている。


 ガイアはベッドの中を見ると、服はちゃんと着ていて何かされた形跡もない。


 ガイアは思い出そうとする、なぜこうなっているのか……念入りに丹念に思い出そうとする。



(確か……

俺が部屋を間違えて

なぜかアル・スハイルが居て……


あぁだこうだステラとアル・スハイルが

話してて……

俺がいらだった時……)


 ガイアは悩んでいると、背後から抱きしめられた。


「お兄ちゃんすきぃ……」


 ガイアは気付かなかった、アルナイルも後ろで寝ていたことに、このベッドはシングルであり三人で川の字になるには狭い、ガイアは思った。



(そう言えば

アルナイルの声が聞こえてから

頭の中に星が見えた……


油断も隙も見せらんねぇのかよ……)


 ガイアはそう思いながら、そっと布団から出ようとした時、エルナトが部屋をノックしてドアを開けた。


「ステラさん

夕食の時間みたい……」


 エルナトが夕食の時間を知らせに来てくれたようだが、その現場を見て素早くドアを閉めて立ち去った。



「アル・スハイル様っ!

アル・スハイル様っ‼︎‼︎‼︎」


 エルナトのアル・スハイルに知らせようとする声が聞こえる。



「ったく…またかよ……」


 ガイアはまた誤解されたことをぼやく様に言った。



「ガイア…

どうしたの?」


 ステラが目を擦りながら眠そうに起き、ガイアとベッドの中に居たことに目を丸くして驚いていた。


「ガイア……」


ステラがそう呟き可愛く顔を赤くしガイアは思った。



(うん?

ステラから入って来たんじゃねぇな……)


 ガイアはそのステラの態度に、可愛らしいなど思う事なくそう思い、ステラが自分から入って来た態度では無いと思っていた。


 実はステラ・アル・ムーリフからガイアが寝かされているベッドに入って、アルナイルがズルイッと思ってアルナイルは反対側に入ったのだ。


「むにゃむにゃ……」


 アルナイルは可愛くガイアにしがみついている。


「…………」


 ステラはガイアにイラッとする前に、アルナイルの甘えっぷりの方に汗をかいて、ガイアはそれに救われていた。



「アル・スハイル様っ!

見て下さいよっ!


ガイアのケダモノを

なんとかして下さいっ‼︎」


 エルナトがそう言いながら、ガイア達の居る部屋にアル・スハイルを連れて来ようとしている。



「放っておけ

あの男にその様な度胸はない

どうせステラ達に

はめられたのであろう」



 アル・スハイルはお見通しの様だ。



(ったく……

こいつらのおかげで

ケダモノ扱いかよ

勘弁してくれよ……)



 ガイアは状況が状況で、そう思っているとステラが残念そうな顔をしているが、ガイアはその顔が可愛く見えステラの頭を撫でた。


 ステラはふぇ?っと言う顔をした、ガイアからそうしてくれるとは思っていなかったのだ、ガイアは優しくステラに微笑んでいた。



 それから少ししてガイア達は食堂に居た。



「なんでこうなるんだ……」


 ガイアが呟く。


 アル・スハイルがガイアの目の前で食事している、その隣にエルナトもいる。



「別に良いでは無いか

余が人として振る舞うのが

そんなに不思議か?」


 アル・スハイルがそう言い、赤ワインを楽しむ様に口にする。



「つかよ…」


ガイアがそう言い、我慢する様に黙った。


 ステラはアル・スハイルと同席することに抵抗なく、心なしか僅かな嬉しさがあった、それはアル・ムーリフの影響としかいいようが無かったが、ガイアはそれを知らないのでガイアの隣にはアルナイルがいる、ガイアが暴走しない様にしているのに、ガイアは気付いた。



「ガイアよその二人を

そちはどうする気なのじゃ

二人のめんどうを

見れるのか?」


 アル・スハイルはガイアとアルナイルの関係性も深く知っている、そしてアル・ムーリフの想いも知っていて、どちらも切り離せない気がして気になっていた。



「あんっ?

お前にかんけぇねぇだろ」


ガイアが言う。



(普通に見たら

たしかに無いわね……)


アルナイルは汗をかいた。



「そうじゃのぉ……

ならば女として言うが

いつまで経ってもそれが続くのは

良くないと思わぬか?」


アル・スハイルが言った。



「わりぃけど

お前……大丈夫か?」


 ガイアが言った、アル・スハイルがそんなことを言うとは微塵も思っていなかった、だがアル・スハイルはアル・ムーリフの姉として言っていたのだが、ガイアがそれを知る訳が無い……。


 エルナトのナイフを持つ手がワナワナと震える、ガイアの無礼な態度に苛立ちを覚えている。



「まぁ良い……

ガイアよ明日

余がそちの腕を見てやろうか


そちを慕う者を守れないようでは

哀れじゃからの……」


 アル・スハイルが言った。



「上等じゃねぇか……

こっちはテメェをぶん殴りたくて

我慢してんだ


本気で行くからなっ

覚えてやがれっ‼︎」


ガイアがいきり立つ、ステラもガイアの気持ちは解るので済ましている。



「そちの拳が届けば良いがのぉ」


アル・スハイルが微笑みながら言った。



「…………」


ガイアはその言葉を聞いて言葉を失った。


 以前アル・ムーリフがセプテント家の神殿書庫に現れた時、全く同じ言葉をアル・ムーリフに言われたのだ。



「アル・スハイルさん……

どうしてガイアに

関わろうとするのですか?」


ステラが聞いた。



「こやつは

まだ己を知らぬ


余はこやつの力を見てみたい……

それだけじゃ……」


 アル・スハイルは気付いていた、あのシリウスでさえ地上に降りればハダルには及ばないはずだと、アル・スハイルは過去にハダルと地上戦を避けていたのだ、その大地の星の力を計りながら避けていたのだ。


 ハダルがガイアとなりアル・スハイルは地上で戦い、暫く観察しようやく気付いたのだ、ハダルは大星に相応しい力があると。



「ガイアの力?」


ステラが不思議そう言う。



「あぁ楽しみじゃの……」


アル・スハイルはそう言った。




 その晩、アル・スハイルは皆が寝静まったあと、アルナイルを起しにステラ達の部屋に行った。



「アルナイルよ余じゃ……

起きてくれぬか?」


アル・スハイルがアルナイルを起こそうとして声をかけた。


 アル・ムーリフは寝たふりをしながらアル・スハイルの様子を伺っていた、アル・スハイルがアルナイルに用があるなんて思いつかなかった、自分に言えばいい事なのにと思いながら様子を伺っていた。



「ふぇ…って

アル・スハイルさん‼︎」


アルナイルが驚く。


「声が大きい……」


アル・スハイルが小声で言う。



「どうしたんですか?

アル・ムーリフさんに内緒なんですか?」


アルナイルが聞いた。



「ガイアだけに話したいことがある

あやつの夢に入らせてくれぬか?」


アル・スハイルが言った。



「ガイアさんに?」


アルナイルが聞く。



「そうじゃ……」


 アル・スハイルが呟く、アル・スハイルのその瞳には優しさが溢れていた、アルナイルはそれを見て余程のことがあるのだと思い、何も言わず、ガイアのいる方に指を向けて光を放った。



「すまぬの……」


 アル・スハイルはそう言い、部屋の窓の近くにある椅子に座り、赤い星を出して瞳を瞑った。


 そして赤い星が輝き始める。


 アル・ムーリフはアル・スハイルを信じ、待つことにした。






「ハダルよ……

おるのであろう?」


ガイアの夢の中でアル・スハイルがそう言った。



「懐かしいな

アル・スハイル……」



 夢の中のガイアが言った、だがどことなくガイアの様子がおかしい。



「いつから眠っておったのじゃ?

それとも

寝ずに起きてたのか?」


アル・スハイルが言った。



「アルタイルに起こされてたさ……

でもこの星の奴らが面白くてよ


ちっとこのまま遊んでやってたのさ」


 ガイアの魂はセプテント家でアルタイルにの羽に刺されたあの時に、眠りから覚めていたのだ。



「さようか……

そちは我が妹を

どうする気なのじゃ?


アルナイルもそちを慕っておる

それは知ってるのであろう?」


アル・スハイルが聞いた。



「わかんねぇ……



でも答えは解ってんだ



あいつが

ついてくんなら

俺は守るだけだ……


いつまでもな……」



ハダルは優しく微笑んで言う。



「さようか……


まさか余とそちが

こんな話をする時が来るとはの……

考えもしなかったのぉ」


アル・スハイルが言う。



「そうだな……

お前も結構いい所あるじゃねぇか


まさかそんな話をしに来るなんて

これっぽっちも思わなかったぜ」


ガイアは笑いながら言った。



「仕方なかろう

姉としてお前がどんな男なのか

見なければならぬが


もう答えは出ておる様じゃな」


アル・スハイルはハダルの言葉に二つの意味を見つけそう言った。



「あぁ解ってんなら

早く帰れよお前が来たから

話してやったんだ


俺はまた少し寝てやっから

ガイアの方も適当にしごいてやってくれ

人間相手じゃ鍛えられねぇからな」


ハダルはそう言い砂になって消えて行った。



「ふっ……

ハダルも人としての生を

まっとうしたいと言うことか……


いい気なものじゃな」


 アル・スハイルはそう言いガイアの夢から去った。



「アル・スハイル

少し見せてもらうぜ……


あんだけやったんだからな

あいつの為に許したくても


簡単に許せねぇんだよ」


 ハダルは再び姿を現し優しくも寂しそうな顔でそう言っていた、それはアル・ムーリフのこともあるが、星海でアル・スハイルが今までして来たことを見つめるようであった。



 アル・スハイルは、ハダルが話しに応じてくれそうならシリウスと戦う時、共に戦うように誘うつもりであった、だがそう甘くないことも解っていたので、その話は切り出さなかったのだ、アル・スハイルはただ妹のことだけを話し夢から去ったのだ。




 椅子に座っていたアル・スハイルは瞳を開け、小さく笑って言った。


「あやつは相変わらずだのぉ……」



「なにを話していたのですか?」


アルナイルが聞いた。



「解っておろう?

アル・ムーリフのことじゃ


そちには悪いが

余も姉なのじゃ

妹のことを気にかけるのも

許してくれ……」


アル・スハイルはそう優しい口調でいい、部屋を出て行った。




 一方その頃フランシスでは……。



「誰かな?」


 サラスが屋敷のテラスから星を眺めながら呟くように言った。



「わたしだよ……」


アルタイルがサラスの部屋の入り口で言う。


「アルタイル殿……

こんな夜更けにどうされたのかな?」


サラスが聞いた。


「一つ話があってさ」


アルタイルはそう言い、サラスに歩み寄りテラスに出てサラスの隣に行き、星を眺めたながら言う。


「何処と戦争するんだい?」



「……」


サラスは静かに沈黙する。



「今のセプテント家なら

この国を乗っ取るのも簡単だよね

でもそれをしない


その力を他国に向けるのも

容易いんじゃないかな?


でも悪いけど

そんなことをする暇は無いんだよ


この星の人類に

そんな時間は残されていない

動物達の巨大化は今も進んでいる


やがて村が動物達に滅ぼされ

その次は大きな街も危ない


それは解ってるのかな?」


アルタイルはそうサラスに話した。



「ふむ……

じゃが争いは力を生み出す

人は戦うために

より強い兵器を生み出す


その動物達に対抗するには

必要なことだと思わないかね?」


サラスが言う。



 サラスが言うのもアルタイルは理解できた、今まで星海に乗り出した多くの星々の人類は戦いの果てに、星海に乗り出す力を得て来たことを見ていたからだ。


 だがサラスの言い分は人々の協力では無く、それを犠牲に手入れる戦う力だと、すぐに解った。



「それをして来た星々が

今までアル・スハイルの手で

どんな目にあって来たか

知ってるのかな?」


アルタイルは言う。



「ほう……

どんな目にあったのですかな?」


サラスが聞いた。



「その種は

アル・スハイルの手で

全て滅ぼされたんだよ


数億じゃ効かない

星の数を超える命が散ったんだ

この星の人類も

その流された血の

一滴に加わり兼ねない……


だから争いで力を

求めない方がいい……」


 アルタイルはサラスにその道を思い止まるように話している。



「じゃが……

そのアル・スハイル殿は

今は優しくなられたと聞く


我が娘も気に入られたようですな


そう考えれば……

それを心配する必要はあるのかな?」


サラスが言った。



 アルタイルは驚いた、なぜサラスがそれを知っているのか全く解らなかった、それと同時に何処まで知っているのか予想が付かなかった。


 アルタイルはサラスがただの一領主では無い気がした。


「アル・スハイルは

油断しない方がいい

このフランシスの街を……

この街に住む人達を思うならね……」


アルタイルはそう言い部屋を去ろうとした。



「そうですな

お気遣い感謝致します……」


サラスはそう穏やかな顔で言い、アルタイルはその場を去った。



 アルタイルはサラスが過剰なまでの兵器を集めているのを、空から見つけていた、それは巨大化した動物達や魔物から街を守る為では無いことが明白であった、精霊達の多くは争いを好まない、それも知っていたアルタイルは焦りを感じ始めていた。


 アルタイルはエリスと過ごしている部屋に戻り、金色の羽を一枚抜いてエリスの額に当て何かを優しく唱えるように呟いて、それが終わると小さな声で言った。



「これで大丈夫……」


 アルタイルは優しい笑顔でまだ幼く、可愛らしい寝顔でスヤスヤと寝ているエリスを、見守る様に言っていた。




 翌日、ガイア達はリオネスの街から少し離れた平原にいた。



 アル・スハイルとガイアが向き合っているが、アル・スハイルは余裕を見せる様な態度でいるが、ガイアの瞳は殺気がギラついている。



「はようかかって参れ

今のそちがどう足掻こうと

手の届かぬ余がこうしておるのじゃ


それとも臆したと言うのか?」


アル・スハイルが言った。



 その瞬間、アル・スハイルの足元から岩の槍が突き出しアル・スハイルを襲うが、アル・スハイルは素早く背後に飛びそれを躱すが真後ろからも岩の槍が突き出し、串刺しにしようとした。


 アル・スハイルは高く飛びそれを躱し、岩の槍に手をついてさらに後ろに飛び、赤い星を出し一閃が走り、赤い光線がガイアの肩を貫くが、ガイアの肩は砂になり飛び散る。


(ほう……

少しは学んだか……)


アル・スハイルはそう思い、次々と襲って来る岩の槍を躱して行く。



(あいつ遊んでやがる……

なら…これはどうだ?)


 ガイアがそう思った瞬間、大地から凄まじい速さで木の根が伸びアル・スハイルを捕らえようとするが、アル・スハイルはサーベルを持ち、その根を切り裂き襲いかかって来る岩の槍を躱して行く。



 その様子を見てガイアは小さく微笑んだ。


 すると平原の草の葉が一斉に針の様になり、アル・スハイル向かって飛ばされる。


 アル・スハイルは微笑んでコートから大量のサーベルを出し、そのサーベルはアル・スハイルを囲む様に回転し次々とその葉を切り裂き、襲って来る岩の槍も見事に砕いて行く。


「チッ……」


 ガイアが舌打ちした、ステラとアルナイルは真剣にガイアが戦っているのに気付いていた、エルナトは既にガイアが人の身でありながら、その力はエルナトを超えている事に気付きその戦いを見て思っていた。


(なに……

この力…大地を操ってる……)





(ふっ……

アルタイルの入れ知恵じゃな……

まだまだ甘いが

離れた間合いも意識しておるの


良いことじゃ……)


アル・スハイルがそう思った時、ガイアが大地を踏み締めた。


 すると地震が起き一瞬で真っ赤な灼熱のマグマが吹き出し、アル・スハイルを飲み込もうとした。



「ほう……」


 アル・スハイルが小さく呟き、そのマグマを見た瞬間アル・スハイルの赤い誓いの星が現れ薄く赤いオーラがアル・スハイルを守る様に包み、そのマグマは熱さえも防がれてしまう。


(やっぱ守りがかてぇ……)


 ガイアがそう思った瞬間、アル・スハイルは一気にガイアに向かって距離を縮めた、十数本のサーベルがアル・スハイルを捕らえようとする木の根を切り裂き、葉の刃も一切通さず突き進んで来た、そしてガイアは小さく笑い、手を拳に変えアル・スハイルに飛びかかる。


 凄まじい勢いでサーベルがガイアに突き刺さるが、ガイアは砂になりもろともせずに殴りかかる。


 アル・スハイルはそれを躱し、星の力を込めてガイアを蹴り飛ばした、その足からは赤いオーラが溢れ砂になっていたはずのガイアを確実に捉えた。



「なっ‼︎」


 ガイアは声を出し蹴り飛ばされ、自ら出した岩の槍に叩きつけられ、砕けた岩の下敷きになるが、砂になり隙間から再び現れた。



「まだその程度か……」


アル・スハイルが小さな声で言う。


「テメェ……」


ガイアの口から血が一筋流れた。


「どうした?

かかって来ぬか」


アル・スハイルが大地に降りて言う、エルナトは流石アル・スハイル様と言う様に目をキラキラさせて見ている。


「紫月っ!」


ガイアが叫び剣を抜きアル・スハイルに斬りかかる。



「ふっ……」


 アル・スハイルは小さく笑い紫月をサーベルで受け止めた瞬間、ガイアの足が岩の槍になり蹴り飛ばそうとして来た。



(アルタイルの動きか……)


 アル・スハイルは素早く見極め、紫月を弾き後ろに飛んでそれを躱したが、ガイアの足が変化した岩の槍は、凄まじい勢いで伸びてアル・スハイルを捕らえようとした。


(なんじゃとっ‼︎)


 アル・スハイルはそれには驚いたが体を捻り躱した、だが目の前に既にガイアが居て紫月で斬りかかって来ていた。


(あれ……)


 アルナイルは首を傾げ、その様子をステラの中のアル・ムーリフは不思議に思った。



「詰めがあまいっ‼︎」


 アル・スハイルは、どうやってガイアが素早く移動したのか解らなかったが、アル・スハイルの周りで葉の刃を防いでいたサーベルがガイアを貫くが、ガイアは砂になり崩れさった瞬間、アル・スハイルの赤い星が輝いた。



「あめぇのはテメェだよ……」


 ガイアがアル・スハイルの背後から凄まじい勢いで、アル・スハイルを鋼の拳で殴り飛ばした。



「……っ‼︎」


 アル・スハイルは殴り飛ばされ、まるでステラとアルナイル、そしてエルナトは時が止まったような感覚を覚えた、誰もがガイアの拳がアル・スハイルに届いた様に思えた、ただ一人を除いては。



(ガイア…

姉上を甘く見るで無い……)


 ステラの中のアル・ムーリフはガイアの成長に喜んでいたが、まだまだと言う様に微笑みながら見ていた。


 アル・ムーリフはアル・スハイルが、ガイアに本格的な星海人との戦いを伝えようとしているのに気付いていた。



 飛ばされたアル・スハイルは笑みを溢して消えてしまう、だが赤い誓いの星は飛ばされて行かず、その場で輝いていた。



「大星を甘く見るで無い……」


アル・スハイルの声が聞こえた。



 次の瞬間、ガイアは真上からアル・スハイルのサーベルによって肩から斬り裂かれた。


 アル・スハイルの星はアル・スハイルが殴られる前に輝き、生命力の力の一部を変換し実体に極めて近い幻を作り出していたのだ、ガイアはそれに気付かなかった。



「なっ!」


 ガイアは声を漏らし、切り裂かれた傷から大量の砂が飛び散りっている間にアル・スハイルは叫ぶように言った。



「大星を甘く見れば死……

それ以外の道は無いと思えっ‼︎‼︎」



 アル・スハイルはそのまま振り抜いたサーベルに赤い輝きを乗せ、サーベルで峰打ちをガイアの腹部に入れた。



「かはっ……」


 ガイアは声を漏らした、斬り裂かれた傷は砂によって傷は塞がったが、赤い輝きを乗せたサーベルの峰打ちが命中した腹部は、砂に変換出来なかったのだ。


 アル・スハイルは続けてガイアを蹴り飛ばし、手をガイアに向け、赤い誓いの星から光線を放ったが、ガイアは蹴り飛ばされた瞬間に白銀に手をかけていた。



「白銀……」


 ガイアは痛みに耐えながらも呟き、白銀を抜いた瞬間、アルナイルが生み出すのと同じ光の障壁が展開され、その光線を全て防ぎ紫月を精一杯の気力で振り抜いて真空の刃をアル・スハイルに放った。


 アル・スハイルはガイアの苦し紛れのその一撃を、赤い星の力を手に込め、赤く輝いた手で掴んで止め、真空の刃はそよ風に変換されてしまう。


「良い風じゃのぉ……」


アル・スハイルが微笑んで言う。



「これが

アル・スハイルの力……


いや……誓いの星の力なの……

こんなの……

アルタイルさんはどうやって

追い詰めてるの……」


アルナイルがその万能過ぎる力の前に、思わずそう言っていた。



 ガイアは大地に叩きつけられ、やっとの思いで立ち上がろうとしている。



「アルナイル

連れてきてやってくれぬか」


アル・スハイルがそう言いながら、ステラ達の方に歩いて戻ってくる。


 アルナイルはガイアに手を向けると、ガイアは光に包まれ一瞬でステラ達の所に連れて来られた。


 ステラは急いでガイアに治癒の魔法を使い、傷を癒してくれる。


「アルナイルもガイアも

聞くが良い……


アルタイルが

余を追い詰められるのは


あの速さにあるのじゃ

余も星の力を使う時には

願わなければならぬ


あやつの攻撃は

余に願う暇を与えぬ……

余がアルタイルに

一矢報いたあの時はの


生きねばならぬ


そう願っていたのじゃ……」


 アル・スハイルが、自らの弱点とも言えることを言っていた。


「いいのかよ

俺にそんな事を教えて」


ガイアが言う。



「構わぬ……

そちには星海人との戦い方を

覚えて貰わねばならぬからの……」


アル・スハイルが言った。


 ガイアはアル・スハイルが本当に考え方を変えた様に感じ、不思議に思ったが言いたいことを言った。



「テメェは生きたいって思ったやつを

何人ぶっ殺して来たんだよ……


それでテメェは生きたいって

よく言えるな……」


 その言葉にステラは僅かに胸を痛める、だがそれは、アル・ムーリフがそれを聞いて苦しく思っていたのだ。



「そうじゃ……

その為に戦うのじゃ


余は立ち止まらぬ……」


アル・スハイルがそう言い青空を見ていた。



「あぁ…

そうかよ……」


 ガイアが言った時、遠くの森から鳥達が一斉に飛び立ち、地響きが聞こえて来て何かが向かって来ていた。



「そちには

ちょうど良い相手じゃの……」


アル・スハイルが言った。



「あん?」


 ガイアはそう言いながら森を見た。


 森から見てガイア達の平原の先には、リオネスの街がある、その向かって来る何かがリオネスを目指しているのが解った。


 アル・スハイルはリオネスを見ながら呟くように言った。



「この力…精霊術か……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ