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ねぇあなたはなんで旅に出たの?ねぇあなたはどおして旅に出たの?  作者: 〜神歌〜
〜第二章 新しい旅へ 〜
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第二章 第10話 小さな微笑み




 20日程経ちガイア達は山脈を越えた、その頃アルタイルはサラスが何か企んでないか、エリスに戦い方や力の使い方などを教えながら隙を見ては空を飛び、様子を伺っている。



 ガイア達は山脈を超えてから最初の街に入り、リヒテン卿の息子の領地最後の街だと知りゆっくり休む事にした。


 その街は美しく高い塔があるリオネスと言う街であった。



 ガイアは馬車の中で寝る時はハッキリ言って休めない日がずっと続いた、ステラとアルナイルが甘い香りを漂わせ、両脇から擦り寄って来たからだ、そんな事が旅の最初から数日続きクールンでガイアはテントを買い、ガイアだけ馬車の脇でテントを貼り寝るようになっていた。


 ガイアもゆっくり休みたかったのだ、テントを張っても寝心地が良いわけでは無い、大地の力でいちいち寝心地のいい砂地にする訳にはいかない、山の中でそんな事をすれば地盤が変わり崖崩れなど起こしてしまうかも知れない、そんな事を考えながら休まる日無かった。



「ここもダメか……」


 ガイアが宿から出て呟く、何軒か宿を回っているが一部屋しか空いてないのだ、それではガイアの気が休まることは無い、ここはリオネスの街と言ってこの街から北はすぐに北域に入る、その為に旅人や商人は必ずこの街に寄り支度をしたり英気を養ってから出発するのだ、もちろんその逆もあり北域から来た人はアグレス山脈に入る支度をする街であった。


 その為に宿はかなり埋まっていた。


その後数件周りステラが言った。



「別に一緒でいいんじゃない?」


 それを聞いたガイアが否定する。


「いや

別じゃなきゃダメだ……」


 アルナイルが言う。


「そんなこと言ってたら

決まらないかもですよ」


 ステラとアルナイルの連携が光った時、ガイア達は声をかけられた。



「あのぉ……

宿を探してるのですか?」


 可愛らしいメイド服を着た女性であった、ガイアはその身なりで宿の客引きかと思った。


(何この子?

客引き?メイド服で?

うちのお父様みたいなオーナーかしら?)


ステラはそう思い、話も聞かずに断ろうとしたが、その前にガイアが言った。



「あぁ……

探してんだけど


お前んとこは二部屋空いてるのか?」



「はい二部屋なら

すぐにご用意出来ますよ」


そのメイドは言った。


「おっ!

サンキューっ!

案内してくれないか?」


ガイアが笑顔で言った。



(……)


 ステラとアルナイルは邪魔された気になったが、ガイアはそこに決めたようで二人はとりあえずついて行く。


 その宿は少し高めであるが、受付など内装はなかなか綺麗でまぁ納得出来る宿であった。


「おっ……

部屋も綺麗じゃねぇか」


 ガイアは部屋を見て周り、隣のステラの部屋だと思った部屋を間違えて開けた。



ガチャ



「うん?」


 部屋の中にいた女性がそう言い、ガイアは顔をしかめ少し間を置いてガイアはドアを閉めた。



(幻か?

そんなはずねぇよな……)


ガイアは汗をかきながら思っていた。


「ガイアどうしたのよ

私達の部屋はこっちよ……」



カチャッ


ステラがそう言った時、ガイアが間違えた部屋のドアが開いた。



「なっなんでっガイア達がっ!」


エルナトが大きな声で言った。



「やはり気のせいでは無かったのぉ

余が見間違える訳なかろう」


アル・スハイルがその部屋で寛いでいたのだ。



「ア……アル・スハイルッ!」


ステラが駆け寄り部屋の中を見て驚いた。



(アルナイル

そちが気付かなかったのか?)


アル・ムーリフはガイアとアル・スハイルがもめないか気にしている。


(きっ気付かなかった

この街に来てたのね……)


 当然アルナイルは常に気を張っている訳ではない、そのため光がとらえたものを常に見ている訳では無かった。



 まさかアル・スハイルと同じ宿に入るとはガイア達は考えていなかった。



「そう硬くなるでない

余はそち達と争う気など

今は無いゆえ楽にするが良い」


アル・スハイルは紅茶を楽しみながら言った。


 ガイアはアル・スハイルの部屋に入ろうとするが、それをエルナトが通さない様にしている。


「アル・スハイル様に何をするんだっ!」


 エルナトが槍を出さずに立ちはだかるのを見て、アルナイルは不思議に思った。



「ガイア…どいて……」


 ステラが言いガイアの前に出て、アル・スハイルの居る部屋に入ろうとした時、エルナトは躊躇いながらもステラを中に通した。


(アル・ムーリフ様……)


 エルナトが心で呟きステラを見た時、ガイアが押し通ろうとしたが、エルナトはガイアを通さなかった。


「俺も入れろよっ!」


ガイアが言った。


「うるさいっ

従者は大人しくしてろっ!」


エルナトが言った時、アル・スハイルが言った。


「入れてやれ……

騒ぎを起こしたら宿に迷惑であろう」


アル・スハイルがそう言い、エルナトはやっとガイアを通した。

 ガイアはアル・スハイルの言葉で行動に釘を刺されたことに気付かなかった。



「テメェ……」


 ガイアは怒りを覚えた、クラスト村が消えかけている、その原因はアル・スハイルにあってどの口が言ったと言うように、その怒りをアル・スハイルにぶつけようとし歩み寄ったがステラが言った。



「ガイア

静かにして……」


 ステラが静かに言い、部屋の扉をアルナイルが閉めた。


 ステラはアル・スハイルの前にある椅子に座り、静かに話始めた。



「アル・スハイルさん

こうして話すのは初めてよね?

なんで私はあなたに

親しみを感じるのかしら」


ステラが静かに言った。



「知らぬのぉ……」


アル・スハイルはアル・ムーリフを考えて話している。


「そうよね……」


ステラが言い話を切り返した。



「アルタイルさんから聞きました

いま悩んでる見たいですけど……


何を悩まれているのですか?」



「そちに話す必要はあるまい」


アル・スハイルは微笑みながら言う。



「話して頂けませんか……

わたくしの守るべき村が一つ

あなたの手星の手によって

無くなりかけています……」


ステラが静かに話した。



「それと余の悩み

なんの関係があるのじゃ……


まぁ……

どう繋がるかなど

余にはどうでも良いことなのじゃ

そち達の好きに考えるが良い」


 アル・スハイルはため息混じりにそう言い、その態度にガイアが拳を鋼に変えたが、アル・スハイルは静かに言った。



「そちのような者に

聞かれる訳にはいかぬ……


この星の人間にとって

余の悩みは村一つなど

小さな話じゃからの……」


「ふざけんじゃねぇ‼︎‼︎」


ガイアが叫んだ。


「ガイアッ‼︎‼︎」


 ステラは凄まじい気迫でガイアを呼び、アル・スハイルに殴りかかろうとしたガイアを止めた。


 ステラは侮辱されたのは解っていたが、不思議とその悩みをステラに聞いて欲しいように聞こえていた。

 ガイアはステラがアル・スハイルと話そうとしている、その気迫に押され思いとどまっていた。



「ったく……

ステラッ!

そんなやつと話したって

意味なんかねぇよ‼︎


他の宿に行くぞ」


ガイアは言うがアル・スハイルが微笑んで聞いた。



「ステラよどうする


ガイアと行くか?

余の話を聞くか?」


 ステラは答えなかった。



「ガイアさんゴメンッ‼︎」


 アルナイルが叫ぶと同時に、ガイアを後ろから光の速さで銀色に輝くグーで頭を殴りつけた。


 ガイアはアルナイルの声を聞いた瞬間に、気を失った。



「ステラさん

ガイアさんには気絶して貰いました

話を聞きましょう」


 アルナイルは聞いておくべき話だと思ったのだ、そして気の短いガイアが居ると話が出来ないと思っていた。



(ハダル…

おぬし…人になってから……

どんな扱いを受けておるのじゃ……)


アル・スハイルが僅な同情を感じていた。



「姉上久しいのぉ

こんなに早く話せるとはな」


ステラが静かに言った。



「アル・ムーリフか……」


 アル・スハイルは静かに呟き、心の中で涙を流していた、アル・ムーリフとやっと話せるのだ。


「姉上……

何を知ったのじゃ?


妾の為に

この星を滅ぼそうとせぬのは

解るが……


レグルスもあれから現れぬ

何をさせておるのじゃ……」


 アル・ムーリフは早速聞いた、アル・スハイルが悩むこと、それが非常に珍しいことだと解っていたのだ。


 二人の様子をアルナイルとエルナトは静かに見守っている、二人の話次第で今は戦っていないアルナイルもエルナトも、また敵同士になりかねないのだ。



「以前に余が星神として

この星に来た時を覚えておるか?」


「忘れてはおらぬ

姉上が星を見てくれる

妾はそれが嬉しかった

じゃが……」


 ステラ・アル・ムーリフがそう言った時、アル・スハイルは強く強く思い出していた。




 その昔……1億年ほど前。



「姉上っ!

何故そのような事をっ‼︎

この星を……

見捨てるのですかっ!」


 アル・スハイルがオルビスを滅ぼす為に、手星であるサルガスとレグルスに自らの星から魔物を呼び寄せさせたのだ。



「この星の者どもは

余との約束を踏み躙りおった


いづれ我らの星海を

脅かすやも知れぬではないか」


 アル・スハイルは冷たく言い、それを聞いたアル・ムーリフはオルビスの星を去った。


 それから10年の月日が経ち、アル・ムーリフは傍観していた、オルビスの文明が滅びていくのを耐えながら傍観していたのだ。




 日が傾き始めガイア達のいる部屋に、優しい夕日が窓から差し込みはじめる、アル・スハイルは紅茶を口にしアル・ムーリフの様子を見ていた。



(わたしは

あの時のことを覚えていない


最近やっと思い出せた……

でも肝心の私がこの星を救ったことが

どうしても思い出せない……


姉上……

そのまま話してくれないかな……)


アル・ムーリフはそう思っていた。



「アル・ムーリフよ……

この星の人の文明はやがて滅びる」


アル・スハイルが静かに言う。



「なっ……」


 ステラ・アル・ムーリフは全く考えてなかった言葉に驚いていた、アル・スハイルが何を悩んでいるのか検討が付かなかった、だがアルタイルもそれに気付いていたはずで、アルタイルならば伝えてくるはずの内容であった。



「アルタイルは悪くない

そちがいつまでも

人としての生を

楽しもうとしておるからの……


それを邪魔せぬようにしておるのじゃ」


アル・スハイルは穏やかに言う。


「まさか姉上が……」


ステラ・アル・ムーリフが呟く様に聞く。


「余ではない

人自ら滅びの道を歩むのじゃ」


アル・スハイルは静かに言った。


「人が?」


ステラ・アル・ムーリフが聞く。



「この星は余が一度滅ぼそうとした

だがそちがこの星を救った


そのツケかの……

人は精霊より発展が遅れた

この星の精霊達は

人の世に完全に入り込んでおる


このケースで発展した星は

余も初めて見る……


今は人と精霊が手を取り合っている

じゃがいつか人は

自らより強い力を持つ精霊に

無理な要求をするであろう


さすれば精霊は人を見放す


その時どうなるかなど

見なくても解ろう?」


アル・スハイルは、その長すぎる時を生き見て来たことから推測して話している。



「なぜそんなことが……」


 ステラ・アル・ムーリフも、もしそうなればと簡単に予想できた、巨大化し続ける魔物と動物達、精霊の加護が無ければ人の文明は甚大な被害を受けるのが目に見えていた。

 アル・スハイルは、この星全体の人類の未来を考えていたのだ、それは誓いの星で生命力の力を使い、アルタイルに多くを気付かされアル・ムーリフの願いを考えてのことであった。

 アル・スハイルは過ぎた悲しみもそうだが、それよりも目の前にある、成すべき事に向きあっていたのだ。



「それでもそちは

人と精霊が手を取り合い続けると

そう思うか?」


アル・スハイルはステラ・アル・ムーリフに問いかけた。


「そっ……

妾はそうなると信じるっ」


「ふっ……


それは無理な話しじゃ……


既に人の手におえぬ

動物もおるからの……

そ奴らを精霊達が滅ぼすとは思えぬ


元々からおる

この星の生き物じゃからの……」


 アル・スハイルは動物達の巨大化も進化の一環として見た時、それは自然の流れであり精霊達がその種を滅ぼすことは無いと見抜いていた。


「アル・ムーリフよ……

そちはこの星の人間達を一度救った


だがそのツケは

この星に降りかかる


人が滅びたあと

巨大化した動物達と魔物達に

この星は食い荒らされ

その者達もやがて滅ぶであろう……」


 アル・スハイルはそうアル・ムーリフに伝えた、だがそれは十分予想できるオルビスの未来であった。



「…………」


 ステラ・アル・ムーリフは沈黙してしまう。


「それでもそちは……

この星をまた救いたいと思うか?」


 アル・スハイルはそう聞いた、まるで妹の願いを聞こうとするかの様に。



「…………」


 ステラ・アル・ムーリフは答えられなかった、それを聞いてくると言うことは、アル・スハイルはその手段を知っていると言うことだ、それを願えばアル・スハイルが何を言うか解らない、ステラ・アル・ムーリフは悩んだ。


 ガイアと共に居たいその想いが強く、どちらが本心か解らなくなっていた。



 優しい姉に戻って欲しい。


 この星も救いたい。


 ガイアと共に人としての生を生き抜きたい。



 この3つの想いが入り混じって、何が一番なのか解らなくなってしまった。



ねぇあなたは

なんで旅に出たの?



 その言葉がステラ・アル・ムーリフの頭に響いた。


 アル・ムーリフは解らなかった、ハダルを追いかけた、それは純粋に愛していたと言えた、だが今の現実をアル・スハイルに突きつけられ、まるでこの星に責任を取れと言われたように、そう導かれた様に思えて来たのだ。



「そちも変わったの……

余との誓いを交わしたあの時

そちは悩むことなど無かった……」


アル・スハイルが言った。



「姉上……」


 あのステラ・アル・ムーリフが気落ちした様な顔で言う。



「まぁ良い……

そなた達の部屋に戻り

良く考えるが良い……」


 アル・スハイルはそう言い、ガイアを見ると意識を取り戻しそうだったが、アルナイルが優しく光を当てまたガイアの意識を飛ばした。


「エルナト

手を貸してやれ……」


 アル・スハイルがそう言い、エルナトはアルナイルと二人でガイアをガイアの部屋まで運んで行った。


 ステラ・アル・ムーリフはアル・スハイルに暗い顔をしたまま、部屋を出ようとしたときアル・スハイルが声をかけた。



「アル・ムーリフ……」


 アル・ムーリフは立ち止まり、振り返ったときアル・スハイルがアル・ムーリフを力強く抱きしめて来た。



 アル・ムーリフは戸惑ったがアル・スハイルが優しく言ってくれた。



「そちの好きにするが良い……

余はそちの味方である

忘れたわけではあるまい?


その様な顔をするでない……


そなたは余の妹

余のたからなのじゃ……

心配するではないか」



 そこにはあの、遠い昔まさにアル・ムーリフの記憶となった優しいアル・スハイルがいた。



「姉上……

姉上が変わられてしまったから……」


 アル・ムーリフはやっとの想いで声を出して言った。


「そうじゃの

すまなかったの……」


 アル・スハイルは涙を流さずに言う、泣きたくても涙を見せる訳にはいかなかった、何かを抱きしめ、心の中で重い物を背負っている、それを見せる訳にはいかなかった。



「なにがあったの?」



 アル・ムーリフが聞いた、それはアル・スハイルがアル・ムーリフが姿を消して、直ぐにシリウスには遠い星を滅ぼしに行かせ、カノープスにはハダル一派の討伐を命じた、特にハダルとアル・ムーリフが同時に消えたこともあり、ハダル一派の討伐は苛烈を極めたと、アル・ムーリフはアルタイルから聞いていたのだ。


 そのアル・スハイルがアルタイルと戦い、悩み、そして今、あの優しい姉に戻っていて不思議にしか思えなくて聞いた。



「余は……

どうやら奪い過ぎたようじゃ

アルタイルにそれを気付かされた……


やはりいつまで経っても

我ら姉妹の師なのかも知れんな……」


アル・スハイルが静かに言った。



「じゃぁ……」


アル・ムーリフは嬉しいのか自然に言った。



「あぁ……

この星をそなたが救いたいのなら

余がなんとかしよう……


余とそなたの誓い……

忘れてはおらぬ


そちと共に同じ時を生き

そちと共に同じ道を歩むこと


忘れてはおらぬ……」


 アル・スハイルはそう優しく言ってくれた、だがアル・スハイルはシリウスがそれに納得しないと解っていた、アルタイルと同時期に大星と呼ばれた、最も古い大星シリウス、以前のアル・スハイルの破壊的思想よりも破滅的な考えを持つシリウスが、これを聞いて黙ってはいないと解っていたが、それを表情に出さずに言っていた。



「姉上……」


 アル・ムーリフはそう呟きアル・スハイルを抱きしめる。


 その様子をエルナトとアルナイルは部屋の外で、聞き耳を立てて様子を伺っていた。


「仲直り出来たみたいですね」


アルナイルがエルナトに小声で言う。


「そうですね……

そうなると後は……

ガイアだけが気になりますね」


 エルナトはアル・スハイルとアル・ムーリフが、また姉妹で活動する日を楽しみにするがガイアが気になっていた。



「大丈夫……

ハダルお兄ちゃんは

私がなんとかします」


アルナイルは自然に言ってしまう。


「今なんて言いました?」


エルナトがえっ?と言う顔で聞いた。


(……

わたし今…言っちゃったよね……)


アルナイルは大量の汗をかいた。



「いま…ハダルって……

言いましたよね?」


エルナトがアルナイルに迫って聞く。


「う…うん……」


アルナイルは誤魔化せないと思いながら言う。


「と言うことは……

ハダルはアル・ムーリフ様と

駆け落ちしたんですか……?」


 エルナトが更にアルナイルに迫って聞く、既にその目はすわっていて、殺気すら感じる様に思える。


「いやぁ…

そっそのぉ……

うっうちのお兄ちゃんが

そんなこと

する訳ないと思うんですけどぉぉ」


 アルナイルは困りながら言う、実際どう言う訳でそうなったのかをアルナイルは知らない。


「おもう?

否定はしないんですね……」


エルナトが更に迫って言う。



(ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!

ちっちかいこわいっ‼︎‼︎)


アルナイルは怯えたが、エルナトはため息をついた。



「やっぱり

サルガス様より

ハダルの方が気合いの入り方違いますよね……


いいなぁ駆け落ち……

サルガス様も私を

連れ去ってくれないかなぁ」


 エルナトはため息混じりに言う、よほどアル・ムーリフとハダルが同時に消え、オルビスと言う星で二人とも生まれ変わっていることが羨ましいようだった。



(と言うか

駆け落ちって言うより

無理心中……?


だって生まれ変わってるんだもん

この星に飛び降り自殺したとしか

思えないじゃん……


うそ……

お兄ちゃんとアル・ムーリフさんって

そんなに進んでたの?

そんなの…知らなかった……)


 アルナイルはそう誤解し今度はアルナイルがため息をつき、エルナトが言う。


「あなたも大変そうね……」


二人は廊下でため息をついていた。



 その様子をアル・スハイルは気付いていた、もう暗くなり始めている、そしてアル・ムーリフを抱きしめたまま小さく微笑んで言う。



「もう戻るが良い……」



 アル・ムーリフは小さく頷き、しおらしく指で涙を拭い部屋を出て行く前に振り向きアル・スハイルに微笑んだ、アル・スハイルもそれに応える様に微笑んでくれた。



 アル・ムーリフが部屋から出てガイアを寝かせている部屋に行った後、アル・スハイルは部屋の窓を開け空を見上げた。



「倒さねばならぬか……」



 そう呟き鋭い目つきに変わり、ただ一つ輝く星を睨んでいた、その星は強く光輝くシリウスの星であった。


 アル・スハイルはシリウスの実力を知っていた、シリウスはベガ亡き今となっては、互角に戦えるのはアルタイルしかいない、そのアルタイルをやっとの思いで退けたアル・スハイルは解っていた、あれはアルタイルが退いてくれたのだと。



「ふっ……」



 アル・スハイルは小さく微笑みシリウスの星を見つめていた。

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