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ねぇあなたはなんで旅に出たの?ねぇあなたはどおして旅に出たの?  作者: 〜神歌〜
〜第二章 新しい旅へ 〜
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第二章 第5話 幼星エリス




コンコンッ……。



 ステラとアルナイルの部屋のドアノブが回るが、ドアは開かずまた閉まる。


 アルナイルはなんだろ?と言う顔をしたが、ガイアの声が聞こえて来た。



「ちょっと待てっ!

頼むからこっちで寝てくれっ!」




 その少し前……本当に少し前のこと。




「ガイアおにいちゃん

わたしがおっきくなったら

お嫁さんにしてくれるの?」


エリスが聞いた。



「あぁ

おっきくなったらな」


 ガイアが笑顔で言う、ガイアはアルナイルから星海人が大人になるまで何年かかるか聞いていた、エリスが大人になるまでに何億年かかるか聞いていたので、その時までガイアは生きていない、ガイアはそれを全て考えて言っていた。



「ふふっ」



 二人がガイアの部屋に入ると、エリスは微笑んでガイアに飛び付き可愛く言った。



「わたしは不和と争いの一星

エリスですっ!


お嫁さんになりたいのっ

おねがいします」



「えっ……」


 ガイアが驚いて呟くように言うと、エリスの身体から光が放たれ、エリスを包みその光は大きくなった。


 そしてその光が収まると可愛く成長したエリスがいた……。



「ガイアおにいちゃん

これでお嫁さんに……

してくれますよね?」


 ガイアと同い年くらいに成長したエリスが可愛く言う。


 エリスは胸も程よくあり髪は薄いピンク色をしていて、見た目は17歳ほどの少女となっていた……。


 そしてエリスはガイアの頬に可愛くキスをして迫るように言った。



「お嫁さんにしてください

ガイアおにいちゃんっ!」



 ガイアは悟ったエリスは敵では無いが、個人的に隣の部屋にいる二人に命を狙われかねないと……。


 殺気に満ちたステラとアルナイル、その二人の姿を想像しガイアは言った。



「ちょっと待ってな」



 ガイアはそう言いエリスの手を引いて部屋を出た、向かうはただ一つステラ達の部屋だ、何かが起きる前に、間違った事が起きる前にエリスをステラ達の部屋に連れて行き、ガイアの口から事情を話してエリスを預けなければならない。


「えっ?

ガイアおにいちゃん

どうしたの?

一緒にねんねしようよ」


 エリスが不思議に思ってガイアに言う、それは何も知らないまさに幼いエリスの言葉で、甘く聞こえるが地獄からの招待状のようにしか聞こえない。


 ガイアは気付いていないが、エリスの星、不和と争いの星の効果であるが、それに惑わされなかった、この短い距離だが生死に関わると解っていて必死であった。

 今度はクールンでステラに本気で殴られた時の光景が頭の中を走り抜けていく、その恐怖が理性を保たせていた。



 そしてガイアはこの短い距離だが、やっとの想いでステラ達の部屋のドアをノックした。



コンコンッ……。



 ガイアがステラ達の部屋のドアノブに手をかけて回した時、エリスがガイアに抱きついた、エリスの胸がガイアに押し付けられるが、その誘惑は興味の無いガイアには一切通じないが……。



「ガイアおにいちゃんどうしたの?

お部屋にもどろっ」



 エリスが笑顔でそう言いガイアを引っ張り、ドアノブから手が離れてしまう。


 部屋の中にいたアルナイルはなんだろ?と言う顔をしたが、ガイアの声が聞こえて来た。



「ちょっと待てっ!

頼むからこっちで寝てくれっ!」



(いやっ!

それは死ぬっマジで殺されるっ‼︎


俺の未来が消えちまうっ‼︎


そんな死に方すんならっ

アル・スハイルに殺された方が

断!然!マシじゃねぇかっ‼︎‼︎)



 ガイアは心で叫ぶ、まだ心が子供のエリスを傷つけない様に、全力で心で叫んでステラ達の部屋のドアノブに手をかけようとした時、ステラ達の部屋のドアノブが回り静かにドアが開いた……。


 そのドアの向こうには、不思議に思ってドアを開けたアルナイルがいた。



 アルナイルは見た、見知らぬ、いや見覚えがあるような可愛い女の子に抱きつかれ、胸を押し当てられているガイアの姿を……。




 アルナイルはドアを静かに閉めた。




(終わったんじゃね?俺の人生……)



 ガイアはただそう思った、ガイアから開けることが出来なかった、ドアの主導権をアルナイルに取られ、そのアルナイルが表情を変えずに静かに締めてしまったのだ、ガイアは絶望した。


 あの地獄のような事故物件を、ひたすら諦めずにこなし続けていたガイアが絶望していた。



「だれ……いまの……」


 アルナイルは静かに呟いた、アルナイルの目の前にあった信じられない光景を、どう受け止めていいのか解らなかった。



 ガイアは固まっていたが、エリスは不思議な顔したがそのままもう一回キスをしようとした。


 幼いエリスはまだ知らない、自分の立場が肉食動物の獲物を、横取りしようとしているウサギのような立場だと言うことに気付いていなかった。



「どうしたの?」



 ステラが固まっているアルナイルを不思議に思い、そう言いながらドアを開けた時、その少女に可愛くアツアツなキスをされているガイアが、ドアの向こうにいた。



 ステラとアルナイルはそれを直視した。



 ステラは微笑んでドアを閉めた。



「だれよ……今のおんな……」



 ステラが静かに微笑みながら言った。



「たぶん……エリス……」



 アルナイルが微笑みながら言った。



「どうしたの

ガイアおにいちゃん?」


 エリスがそう言いながら、ガイアの目の前で手を振ってみるがガイアの反応が無い……。



「詰んだ……」



 ガイアは静かに魂から一言呟いた。



(やるのぉ……

不和と争いの星エリス


そう来るとはな……

迂闊であった……)


 ステラの中のアル・ムーリフは、必死に爆発しそうな怒りに耐えながら呟く。



 ステラとアルナイルは何も言わず、目と目を一度合わせただけで考えが一致した。


「ふぅ………」


 二人は深呼吸し勢い良くドアを開け、ステラとアルナイルは素早く二人同時に飛び出した。


 その動きは今まで見せたことの無い、洗練された動きで、まさに肉食動物が狩りをする様に無駄が一切無かった。


 ガイアは呆然としていた、目の前には幻だろうか美しい川が見えていた。



「えっえっ!」



 エリスは驚いている、その隙にステラとアルナイルは二人揃って凄まじい殺気を一瞬だけ放った。



(なんでこうなった……

旅ってこう言うもんなのか……)


ガイアはその川の前でそう呟いていた。


 解っていた、ステラとアルナイルが殺気を放ち襲って来る訳を全て理解していたが、一人旅しかしていなかったガイアは、旅先でこんな経験をしたことが無くこの状況を受け止められずにいた。




ねぇあなたは

なんで旅に出たの?


ねぇあなたは

どおして旅に出たの?



(女を作りに来たんじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ‼︎‼︎‼︎)



 ガイアは初めて殺意が込められた声でその言葉が頭に響いた時、死力を尽くして心で叫んだが、ステラとアルナイルの拳がガイアの顔面を直撃した。



「ひぃぃぃぃぃぃっ‼︎」



 エリスが驚きひきつった声で悲鳴をあげ、ガイアは二人に殴られて気絶した。


 アルナイルはそのまま光の速さで拐うようにエリスを部屋に拉致、ステラは気絶しているガイアを蹴飛ばしてから部屋に引き摺り込んだ、そしてアルナイルが部屋のドアを光の速さで閉め、鍵をかけた時に勢い余って鍵を壊してしまった。


「レパラーレッ!」


 だが素早くステラは魔法で鍵を直し、ステラとアルナイルの連携は完璧であり、ステラが日々この魔法を愛用しているのが解るほど、その魔法も完璧であった。




「ちょっとそこの

おねえさん……

ガイアと

なにしてたのかしら?」


ステラが静かに聞いた。



 完全にエリスは怯えきっている、さっきまで優しかったステラでは無い、完全に別人のように思えてならなかった。


「あわわぁ……」


 エリスは涙目になり自分が二人の前でしたことに気付いてない、むしろこの三人で旅をしている事に疑問を思わなかった、何も知らない子供である。


「ちょっと

何かいいなさいよ……」


 ステラがエリスに迫っているが、身体は少女ではあるが心はまだ童女のエリスはただ怯えるしか無かった。



 アルナイルはこの状況で小さい子供がガイアにキスをしたのだと、そう冷静に想定しているがエリスの育った姿が、自分より胸が大きい事に苛立ちを覚え、尚且つガイアが好きそうな子であり、許したいが許せずにいた。


 それでもステラの迫り方がエリスに手をあげそうで、それは止めようと思っていた、勢いでガイアを殴り飛ばした、それはいいがエリスは別だと思いつつもどうするか考えていた。


 だがそんなアルナイルも気付かなかった、エリスの星の力を受け始めている事に気付いていなかった。



「アルナイル

お姉さん達を怒らせたらどうなるか

ちょっと教えてあげましょ……」


 ステラがそう言った時に、アルナイルは気絶しているガイアを見て邪なことを思いついた。



「そうですねステラさん……」



 アルナイルは静かに言うが、その瞳は怪しくキラリと光っていた。



(いまここで

ステラさんを気絶させて

エリスを眠らせちゃえば


お兄ちゃんを好きにできるじゃない


いつも逃げちゃうけど

いまは本気で気絶してるから

既成事実を作れるじゃない……)



 アルナイルは珍しくそう思っていた。



 エリスの持つ、不和と争いの星の力によって欲望が大きくなっていたのだ。



 静かにアルナイルはステラの背後から迫った、エリスを威圧し続けていたステラが気付いた時、アルナイルが真後ろにいて殺気を放っていた。


「え……」


 ステラが小声で言った時、すでにアルナイルは右手をステラの顔に向け、光を放ちステラを気絶させた。



「ヒィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ‼︎」


 エリスはそのアルナイルを見て悲鳴を上げた、女同士の争いが裏切りもあり、卑劣で恐ろしいものだと心から感じ、悲鳴をあげたのだ。



 エリスは無論気付いていない、この現状を招いたのが自分の星の力であると、全く気付かず全力で怯えていた。


 そしてユラユラとアルナイルが残りの邪魔者を消すかの様に、エリスに歩み寄って来る、その目はもうすぐ獲物にありつける様な獣の様な目をし怪しく輝いている。


「…………」


 エリスはもう声も出すことも出来ずにいたが……。



「アルナイル

なにをしておるのじゃ……」


 ステラが起き上がるが、それはステラ・アル・ムーリフだった。


 アルナイルはストレートに目の前の現実に気を取られて、もっとも重要なことを忘れていた。


 ステラが眠るとアル・ムーリフが自在に出て来ると言うことを忘れていた。



 だがアルナイルはステラ・アル・ムーリフに飛びかかった、もはやエリスの星の術中にはまりガイアに対する想いと本能で動いていた。


「まったく

子供に遊ばれおって……」


 ステラ・アル・ムーリフがそう言うと、紫の誓いの星が現れ優しい紫の光が、アルナイルを包み込んだ。



「その……星……

アル・ムーリフさまなのですか⁈」


 エリスは気付いてアル・ムーリフに聞いた。



「さよう妾が

アル・ムーリフじゃ


今は訳あってな

この様に過ごしておる」


 ステラ・アル・ムーリフが微笑みながら言うが、アルナイルは動きを止められたがまだ抵抗しようとしている。



「エリスよ

元の姿に戻るが良い


でないとこやつが

静かになってくれぬのでな」


 ステラ・アル・ムーリフが困った様な目で言っていた。



「はいっ!」



 エリスは大星とも呼ばれたアル・ムーリフの言葉に、素直に返事をしたが、どうやって戻っていいのか解らなかった。


 星の力を過去に何度も使っていたエリスだが、やはり未熟であり使いこなせているとは言えなかった。


 ステラ・アル・ムーリフは仕方ないと言う顔をして、手刀でアルナイルを気絶させエリスに近づいた。



「最初はこうするのじゃ……」



 ステラ・アル・ムーリフは両手をかさね

て胸に当てて、思いを募らせて何かを呟く。



「我誓いの一星

アル・ムーリフ……


我っ癒しのひと時を求めん


我が星よその力……

美しき花と化せ」



 ステラ・アル・ムーリフはそう言いながら、その手をエリスの前に出すと、美しい白い花が一輪だけ手に現れて咲いた。



「綺麗……」


エリスがそう言い花を受け取った。



 ステラ・アル・ムーリフが微笑んで言う。



「そちは練習が足りぬのぉ

誰にも教わらなかったのか?」


 ステラ・アル・ムーリフはその昔、アルタイルから星の力の使い方を教わったのを、思い出しながら言っていた。


 エリスは静かに困ったように頷いた。



「手を優しく胸に当て

想いを込めて戻りたいと願うがよい」


 それを見たステラ・アル・ムーリフが優しく教える。



「こう?」


 エリスは言われた通りに願いを想いを込め心で唱えた。



「そうじゃ

そして星に求めよ」


 ステラ・アル・ムーリフが言うと、エリスが光に包まれ身体が小さくなり、元の童女に戻る事が出来た。


 ステラ・アル・ムーリフは嬉しかったのだろう、まさか自分がこんな可愛く素直な子に教える機会があるなんて、思っていなかったのだそして自然な話し方をし始める。



「そうよ

最初はそうやって

ちゃんと気持ちを込める練習をしなさい


そうしないとお姉さんみたいに

強くなれないわよ」


 ステラ・アル・ムーリフが笑顔で言った、まるでガイアとの一件も子供がしたことの様に水に流し、優しいお姉さんの様に振る舞っている。


 アルナイルはエリスが童女に戻った時に気が付いていたが、気絶したふりをして優しいステラ・アル・ムーリフの様子を見ていた、それはアル・ムーリフの本当の姿に思えて来ていた。



「はいっ!

沢山沢山練習しますっ!」


 エリスが元気に言うと、ステラ・アル・ムーリフは可愛くエリスに言った。



「あとガイアのお兄ちゃんは


わたしとアルナイルのだから

横取りはダメよ

そんなこと考えてたら

アトリアロフに送っちゃうわよ」


 そうステラ・アル・ムーリフが笑顔で言った。



「えっ!

そっそうだったのですか?


でも…わたしも……

ガイアお兄ちゃんといたいでつっ!」


エリスがステラ・アル・ムーリフに言った。



「じゃっ沢山練習して

みんなに迷惑をかけないように

なってから来なさい


話はそれからね」



 そうステラ・アル・ムーリフは右目でウィンクして言った。



「えぇぇぇぇぇ……

どこで練習すればいいんですか?」


エリスは困りながら言う。


ステラ・アル・ムーリフは窓の外の夜空を指差して言った。



「もちろん星海でっ!」



 話の流れでアルナイルは遠回しに帰れと言ってる事に気付いた。



(ナイスッですっ‼︎)


 アルナイルは気絶したふりをしながらそう思ったが、エリスは目に涙が溢れ泣き出した。


「どっ……どうしたの?

なんで泣いてるの?」


ステラ・アル・ムーリフが聞くと、エリスは泣きながら言った。



「星海に帰れないのっ!

この星の力にひっぱられて

帰れないのっ‼︎‼︎」


 エリスが泣きながらステラ・アル・ムーリフに飛びついて言った。



「え……」



 ステラ・アル・ムーリフもアルナイルもそれを聞いて声を出して固まった。


 星海に帰れない星海人なんて聞いた事がなかった、何かの笑い話のようにしか二人には聞こえなかったが、目の前に真剣にそれで困っている星海人が居たのだ。



 普通の星海人は星に降りて来ない、それは簡単な理由である、星を持たない星海人が星に降りるのは自殺行為であり、そうしたい者以外は誰もしない、星を持つ者だけが星の加護を使って降りて来るのだ。


 普通、星を手に入れるのは星海人が大人になってからで、星に降りるとしたらそれからであって、帰りも十分飛んで帰れるのだ。




 だがエリスは違った。



「アル・スハイル様がここに居るって

聞いたから来たけど


見つけられなかったから

帰ろうとしたけど……


帰れなかったんですっ‼︎‼︎


何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も頑張ったけどっ

帰れなかったんですっ!」


 エリスは余程訴えたいようだ、何回も頑張ったことを、何回も連呼して泣きながら訴えている。


 それを聞いたステラ・アル・ムーリフとアルナイルはなぜ帰れないのか気付いた。


 エリスはまだ二億歳、自力で星海まで飛ぼうとしても、星海に無いこの星の重力に引っ張られて幼い力では突破できず帰れなかったのだ。


 

(うーん……

それって私が星海まで送ってあげれば……

いいのかな?


ちょっと待って

星海まで自分で帰れない子を

星海に一人にさせていいの?


自分で街まで帰れるのかしら……)


 アルナイルは気絶したふりをしながらそう考えていた。



(ちょっと待って

保護者はどうしたのよ

そもそもエリスちゃんは

どうやってこの星に来たのよ……


ここから近いのは

星海だとアトリアロフの街だけど……

家出でもしたの?


そう言えば600年前に

うちにきたわよね?


あの時は私は仕事中だったけど

確か姉上が対応したよね?


姉上はなんて

エリスに言ったのかしら?


って事はこの子って!

アトリアロフの子なの?)


 ステラ・アル・ムーリフはそう考えていた時、宿の窓をコンコンと叩かれてから窓が空いた。



「何騒いでるんだい?」



 そして窓の外から声が聞こえアルタイルが現れ、部屋に入って来た。



「アル・ムーリフ様

その方はどなた様ですか?」


エリスが聞いた。



「ちょうど

いい所に来たわね


その前に

なんでこんなに遅くなったのかしら」


 ステラ・アル・ムーリフはそれに答えず聞いたがアルタイルは別のことを言った、エリスは誰なの?と言う顔でやりとりを見つめていた。



「それより

アルナイルちゃん?

起きてるんでしょ


そろそろ起きなよ

ガイアも起きそうよ」



 アルナイルはそれを聞いて、相変わらずビクッとして、もろバレする。


 アルナイルはテヘヘと言う顔で立ち上がり、アルタイルの肩から金色の光が僅かに漏れ出てることに気づいた。



「アルタイルさんの目は誤魔化せませんね」


アルナイルがふぅとため息混じりに言った。



「えっ

アルタイル様なんですかっ!


わたしはエリスですっ!


飛翔する鷲

大星アルタイル様!

サイン下さいっ!」


 エリスが元気にアルタイルに飛びついた、そして自らの星の力で羽ペンを出して渡した。



(珍しいわね

わたしと同じタイプの星

持ってるんだ……)


 アルタイルはエリスの星の特徴に気づいて、微笑みながら言った。


 アルタイルは羽ペンを受け取り、エリスが一緒に渡してくれた日記に適当にサインしてあげると。


 エリスはステラ・アル・ムーリフにも同じようにおねだりして、サインしてもらう。


 その間に今までの経緯をステラ・アル・ムーリフがアルタイルに話していた。



「なるほどね……


私も伝えたいことがあるんですけど

そろそろアル・ムーリフ様は

お時間ですよ」


 アルタイルがそう言うと、ガイアがそろそろ気づきそうだった。



「エリスちゃん私のことは

他のみんなには内緒にしてね

約束よ」


 そうステラ・アル・ムーリフは言うと、スッと抜けるように気を失ってステラの身体は倒れた。


「他のみんな?」


 エリスはガイアには内緒と言うのは理解したが、他に誰がいるのか解らなかった。



「う~ん……」


 ちょうどそのタイミングでガイアが頭を押さえながら気がついて起き上がる、そしてあたりを見回し、アルタイルを見て大きな声で言った。



「アルタイルッ!

おっせぇじゃねぇか!

そのおかげで俺が

ぶん殴られちまったじゃねぇかっ‼︎」


 ガイアがアルタイルに八つ当たりして、軽くだがアルタイルを叩こうとする。



「なははぁ

ごめんごめんっ

でもガイアちんも

油断しすぎだよ」


アルタイルがひらりと躱し笑いながら言う。



「何がだよっ!

俺は何も悪くないぜっ」


 ガイアがアルタイルに飛びかかりながら言ったが、アルタイルは楽しそうに言った。



「いい?

エリスちゃんだって

小さくても女の子なのよ?


それに最年少?で星を得た子なのよ

好きな人出来たら

行動するに決まってるじゃない


まだ小さいんだし

したいようにするから

手は早いかもねっ」


 アルタイルは楽しみながら言っていると、ステラが意識を取り戻した。



「えっ!

わたしの事しってるのですかっ⁉︎」


 ステラは元の姿に戻っているエリスの姿を見て驚いた。


「まぁ本当の最年少は

わたしだけどね」


 アルタイルが自慢げに言い、ステラが気がついたのを見てから言った。



「まぁ今回のことは予想つくけど

やっぱりガイアちんが悪いよ


こんなにコドモコドモしてるけど

エリスちんも女の子だってことよ

少しは気を使いなさい


ガイアちんは


肉食動物に囲まれてるけど

暴れん坊で手に負えない草食動物

みたいな感じなのよ


隙を見せたらすぐにやられちゃうよ」



 アルタイルはガイアの立ち位置を見たまま言った。



「あぁ……

わかんねぇけど解った」


 ガイアは何のことか解らなかったが、とりあえず解ったことにしたガイアがいた。



「そうよ

そう言うことでエリスちゃんは

今日こっちの部屋で寝なさい」


 アルタイルが間に入り、ステラが仕方ないと言う顔で言っていた。



「はーい……」


 エリスもアル・ムーリフであるステラの言葉に素直に返事をした。



「じゃっ

もう遅いから俺は寝るぜ

また明日な」


 ガイアはそう行って自分の部屋に戻って行った。



 結局この件でガイアは一方的に被害をこうむった訳だが、やはりいつものガイアであった、過ぎた事、終わった事、話が収まったのなら気にしないガイアがそこにいた。


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