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ねぇあなたはなんで旅に出たの?ねぇあなたはどおして旅に出たの?  作者: 〜神歌〜
〜第二章 新しい旅へ 〜
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第二章 第2話 クールンとブーツ



「ガイア

この先の別れ道を

右にいくとクールンの街があるから

そこに寄ってくれない?」


 ステラが馬車の中から大きな声でガイアに言った、三人を乗せた馬車はあれから10日ほど北に向かっていた。


 途中途中で小さな村で食料を買い足し、ステラの細かい物も買ってきたが、靴が良い物が見つからなかたったのだ、なぜかと言えばガイアの家から荷物を積む時、慌てていたガイアが忘れたのだ。


 他の衣服などはアルナイルがちゃんと短時間で揃えてくれたが、靴はガイアが忘れてしまい、まだステラは屋敷で履いていた綺麗な白いヒールを履いていた。



「解った

右に行けばいいんだな?」


 ガイアがそう言うと右に別れ道が見え、ガイアはそのまま右の道に入った。



「ステラさん

アルタイルさんは来ないようですけど


大丈夫なんですか?」


アルナイルがステラに聞いた。



「うん……

神殿書庫の書物をもう少し調べるから

しばらくフランシスに居るって」


ステラが考えながらそう言った。



「あれか?

クールン……って……

襲われてねぇかあの街っ!」


 ガイアが馬車を走らせながら大きな声で言った、その声を聞いたステラとアルナイルは慌てて馬車から顔を出し、クールンを見るが遠くて敵がよく見えなかった。


 アルナイルは馬車の中で光を集め、クールンの街の中を見る、すると盗賊が暴れている光景が目に入った。



「星海の魔物じゃないわね

ガイア馬車を飛ばしてっ

盗賊を追い払うわよっ!」


 ステラが馬車の中からそう言った。


「はーいっ!」


アルナイルが元気良く手を挙げて言った。


「わたしが行ってきますっ!

盗賊達を街の外に飛ばすんで

ガイアさん達で追い払ってくださいっ‼︎」



「解ったっ!

早く行ってやってくれっ‼︎」


 ガイアが大きな声で言うと、キラッと馬車の中が光りその一瞬で居なくなっていた。


 そしてクールンの街の上に現れ、その姿はガイア達の馬車からも見え、街の人々にも見えていた。


 アルナイルは街の様子を見て盗賊達によって被害が出ているのを見たが、それを抑えようとする衛兵達が随分少ない気がした。



「ソラが生まれし時より

初めて温もりを与えし

光の星アルナイルよ……


あなたを守星とし

あなたを名のるわたくし

アルナイルが願います


その力により時を

慈愛に満ちた時を

それを奪いし者を


あなたの慈悲にてその者を広き野に……


我輝く者の一星っ!

アルナイルッ‼︎‼︎」


 アルナイルがそう叫び、手を街に向けるとクールンの街を凄まじい光が包んで、盗賊達はガイア達の馬車の前にある平原に全て飛ばされた。



「おい……

今のはなんだ……

なんで俺たち街の外にいるんだ……」


 三百人程の盗賊達はどよめいている。



「なんだあいつ‼︎‼︎」



 そこにガイアが双刀を抜き走り突っ込んでいく。


(たっく……

魔法禁止ってなんだよ

あんなの魔法で一撃じゃねぇか……)


 ガイアはそう心でぼやきながら突っ込んでいた。


 少し前……。



「ガイア?

魔法使っちゃだめよ

悪い人達かもだけど出来れば

捕まえたいから」


ステラがそう言った。


「なんでだよっ?

あんなの捕まえてどうすんだよ?」


ガイアが言う。



「いまセプテント領では

人手が足りないのよ


街の城壁作りで

少しでも人を送りたいのよ

それであの人達がまじめに働いてくれたら


セプテントの兵として雇ってもいいわ

いい案だと思わない?」


ステラが言う。


「はぁ?

あんなのが言うこと聞くのかよ」


ガイアが当然のことを聞いた。



「それはユーファ達に任せれば大丈夫よ」



 ステラが可愛くウィンクしてガイアに言い、ガイアは想像した。



(あの精霊達の監視つきかよ……

あたま悪りぃやつは

燃えっかもしんねぇけど……


普通に地獄だな……)


 ガイアはセプテント家の精霊達が規律に厳しいことに気づいていた、そして星海の魔物と戦うことが出来る彼女達から逃げる事は出来ない、ある意味野外監獄と言う意味不明な光景が頭を過り、強制労働と言うイメージへと変わっていった。




「ってことは……

殺しちゃいけねぇのか……


相変わらず

無条件でやらせてくれねぇんだな

まぁあのタコよりマシだな」



 ガイアはそう笑いながら言い、双剣を鞘に収め文字通り殴り込んだ。



「オラァァ!」


 ガイアの叫び声が聞こえる、離れた場所からいつも通りステラが応援するが、既にただの300対1の不良の喧嘩である。



「気のせいですか?

ガイアさんああいうの……

好きそうな気がするんですけど」


 戻って来たアルナイルが困りながら、ステラに言った。



「オラァッ‼︎」


 ガイアの声が聞こえステラは汗を流して言う。


「なんか……

気晴らしっぽく見えない?」



 ガイアからしたら、良くて訳あり案件でそこから発展して事故物件的な依頼ばかりこなして来たせいか、相手が人の時点で300人程であればものの数では無くなっていた。


 そう二人が思っている時に、たまたままぐれあたりだろう、一人が振った棍棒がガイアの背中に当たった時ガイアが叫ぶ様に言った。


「テメェ……

誰に喧嘩売ってんだゴラァッ‼︎‼︎」



 ガイアは凄まじいストレートをその盗賊の顔面に打ち込み、回し蹴りをお見舞いし吹っ飛ばした。


 突っ込んでいったのはガイアであり、盗賊達は売られた喧嘩を買ってくれたようなもので、盗賊達はもう既にガイアを気ちがいにしか思えなくなった。


 そして一人の盗賊が逃げ出し、それに続いて一斉に逃げ始めた。



「あんっ?

テメェら逃げんじゃねえっ‼︎‼︎


俺がステラに

殺されちまうじゃねぇかっ‼︎‼︎」


 ガイアは時折り依頼遂行出来なくなりそうになった時、ステラから凄まじい殺気を感じていたのだ、それを思い出し叫んでしまった。



「…………」



 アルナイルの横でそれを聞いたステラが、言葉を失っているように静かになった。


 アルナイルは恐る恐るステラを見た。


 ステラはイラつくことを超え、凄まじい殺気を放ち、それは紫の様な恐ろしいオーラが見える様な錯覚をアルナイルは覚えた。


「ガイア……」


 ステラが小さく呟いた時、ガイアは凄まじい殺気をステラがいる方から感じた。



(やべぇ……)


 ガイアがそう心で呟いた時、盗賊達は怯え逃げ惑っている。



「あいつのバックになにがいるってんだ……」


「やべぇぞまじで

捕まったら生きて帰れねぇっ‼︎

逃げろっ‼︎」


 盗賊達は完全に怯えた、その様子を見ていたステラの殺気は殺意に変わった。


 ステラはサーベルを抜き、その刃を舌で舐めその姿を見たアルナイルはあまりの恐ろしさに気を失い、ステラは馬車から飛び降り凄まじい勢いでガイアに向かって走って言った。



「……来るっ!」


 ガイアはそれを感じステラの方を見ると、ガイアにも見えた、凄まじい勢いで紫色のオーラの様な殺意を纏ったステラが突っ込んでくる。



「テメェらっ逃げんじゃねぇ!

マジでステラに

ぶん殴られるだろうがっ‼︎‼︎‼︎」


 ガイアは叫び、大地を拳で殴った瞬間凄まじい勢いで、周囲に岩の壁が現れ盗賊達を逃がさないように囲んだ。


 ガイアはステラの美しいハイキックが一撃で、サラスをダウンさせた光景が頭を走り抜けていく。

 ガイアがそのまま逃げ遅れた盗賊達に片っ端から殴りかかり、気絶させていく。


 ガイアの岩の壁は完全に周囲360度を囲み、ステラの侵入さえ阻んだ様に見えた。


 残り50人ほどの盗賊達が逃げ惑っている間に、ガイアが何かの影に入ったが、ここに影が出来るはずはない……。


 ガイアがそっと振り向き上を見た時、ステラが岩の壁を飛び越え、鋭い眼光でまるで瞳が紫に光ってるように見えた。


 ステラは上空からサーベルを振り、ウィンドブレードを放ちガイアが避けようとした退路を経ち、そのまま落下しながらサーベルを鞘に収め、その鞘に入ったサーベルで落下と同時にガイアを全力で叩いた。



 ガイアは凄まじい打撃を受け、白目を向いて倒れ気絶した。


 そして一部始終を見ていた盗賊達は、腰を抜かし震えていた、あれだけ暴れたガイアが一撃でのされたのだ、それは恐怖としか言えないものがあり。


 ステラが怖くないよ、と言う笑顔で振り向いたが盗賊達は全員恐怖で気絶していた。



「…………」


 ステラは気絶した盗賊達にイラッとし、気絶したガイアを蹴り飛ばした。




 その日の夜……。



「イッテェ……

マジで殴りやがった……」


ガイアがぼやいている。


「ガイアが悪いのよ

あんなこと言うから……」


 ステラが静かに言いながら食事している、まだ機嫌が悪そうである……。



 あの後ガイアが気付いた時に、クールンの街の兵達が来てくれていたのだ、ステラが話をしセプテント家の力がすぐに解った、すぐにクールンで一番いい宿が用意された。


 最初はホテルが用意されたが、ステラが断り宿屋にしたのだ。



 盗賊達はクールンの牢に入れられ、直ぐにアルナイルがフランシスのユーファに手紙を光の力で送った。



 三人はその宿で食事を取りながら話していた。


「はいはい

俺が悪かったよ


でもたまには数相手にするのも

悪くねぇな……


一発くらっちまったからな……」


 ガイアはまぐれ当たりだった盗賊の一撃が、棍棒でなく刃物や槍だったらと考えそう言ていた。


「油断大敵ですよ

弱い相手だからって

気をぬいちゃいけませんよ」


アルナイルがそう言った。


「そうよ

あれくらいで叩かれて

本当に私を守れるの?」


ステラが言った。


「つか

おまえを守る必要ってあるのか?」


ガイアが言った。



(お兄ちゃん……

無いと思うけど

あることにしといた方が……)


アルナイルはそう思い手を止めた。



 ステラがイラッとして言う。


「ガイア……

そろそろ私を女の子として

扱ってくれないかしら?」



(わかるぅ……

わたしだってずっとそれ思ってた……)


 アルナイルもガイアがハダルだった時に女の子扱いされたことは、些細なことでもレア過ぎて、美しすぎる思い出になるほどであった。



(最初は良かったよね……

小さい時とかは楽しかったし……


でも大人になっても

変わらなかったし……

お兄ちゃんそう言うとこ

不器用なんだよね……)


 アルナイルはそう思っていたが知らなかった、兄を好きでずっと一緒にいて、可愛い年頃の星海人の女の子達が近づきがたくなり、ハダルはそう言う機会が無く育ったことをアルナイルは知らなかった。



「女の子か……

女王様の間違いじゃねぇか?」


 ガイアがそう言いステラの凄まじいビンタが炸裂し、ステラはツカツカと食堂から出て行ってしまった。


 ガイアは椅子から叩き落とされ転倒し、ステラを見ていた。



「なんだってんだよ……」



 ガイアはそう言い起き上がり、全くステラの気持ちを解っていなかった。


(うーん……

お兄ちゃんも変わらないなぁ……)


 アルナイルは散々そんな目に会いながらも、ハダルをずっと追いかけていたのでそのくらいはもう慣れっこになっていたが、妹と言う壁をどうしても越えることが出来なかったのだ。



(ステラさん頑張ってっ)



 アルナイルはステラを心から応援し、見守っていた。


「アルナイル

わりぃけどステラを頼むわ」


 ガイアはそう言い一人で宿を出て行った。



(うーん……お兄ちゃんの良いところ

ちょっと変だけどステラさんは

どう見てくれるのかな?)


アルナイルはそう思いながら微笑んでいた。


 ガイアはクールンの街を歩き、市場を見て何かを探していた。



(あいつこの位かな……)


 ガイアはそう思いながら何かを見ていた。


(たぶん違うな

この位なんだけど

走り方からして……)


「そこのねぇちゃん

これとこれ……

こんな感じに出来ないかな?」


ガイアがその店の主人にそう言った。



 ガイアは店の主人に細かく話している。


「それならこれとこれなら

すぐに直せるけど

そっちのにするかい?」


 店の主人がそう言ったがガイアが言う。


「あぁわりぃけど

こっちのでやってくれないかな?」


 ガイアは譲らなかった。



「解ったよ

明日の夕方に来てくれないかい?」


 店の主人は笑顔でそう言ってくれた。


「ありがとな

代金はこれで足りるかな?」


 ガイアがそう言い金貨を何枚か手渡す。



「こんなにいいの?」


 店の主人はそう言ったがガイアは笑顔で言った。



「俺が無理言ったんだから

もらってくれよ

ありがとなっ!」


 ガイアはそう言いその店を後にして宿に戻った。




 翌日ステラはまだ機嫌が悪く、アルナイルと二人で街に出て行き、ガイアはクールンのギルドに行って依頼を見ていた。


「これなら

夕方までには帰れるな……


つか……

これが普通のギルドだよな……」


 ガイアはそう言い手頃な依頼を選び、フランシスで普通の依頼にまったく出会わなかったことを、不思議に思いはしたが依頼をこなしに行った。



「ステラさん

まだ怒ってるんですか?」


アルナイルが聞いた。



「えぇ当たり前じゃない

ガイアがあんなこと言ってくれたおかげで

わたしはあの盗賊達から


悪魔って言われてるのよ


このフランシスの妖精って言われた

このわたしがよっ!

許せるはずないじゃない」



ステラがプンプンしている。



(そうよねぇ……

あの盗賊達の様子だと

トラウマになってるかも?だよね……)


アルナイルは汗をかきながらステラについていく。


 ステラとアルナイルは食料を買い足したり、消耗品も見て回りながらステラの靴を探していた、サイズが丁度いいのはいくつもあるがステラは靴を選ぼうとしない、そんなステラをアルナイルは不思議に思っていた。



「これなんていいんじゃないんですか?」


 アルナイルが戦闘にも使える、女性冒険者用のブーツを見て言った。


 確かに素敵な水色で多少高いがいいブーツだった、アルナイルは50億歳は超えてる分、いい品を見分けることも出来るようだった、だがステラは少しつま先を触り首を横に振った。



 そして夕方になりガイアが依頼を終えて、昨日の店に行った。



「ねえちゃんあれ出来てるかい」



 ガイアが店の主人に声をかけた。


「えぇ出来てるわよ

ねぇあんたこれプレゼントにするの?」


 店の主人のお姉さんがそう微笑みながら言う。



「あぁ……

それは考えてなかったな

実は旅に出る時に


つれの靴を忘れてきちまったんだ

うんで用意してやろうと思ってさ」


 ガイアがそう言いながら靴の出来を見ているが、その主人は靴を忘れる旅立ちに、何か訳があるんじゃないかと思い微笑んでいた。



「そっか

じゃ綺麗に包んであげるね

サービスだから気にしないでね」


 そう靴屋の主人が言った時にガイアはその靴がステラにぴったりだと思って言った。


「サンキューッ」


 ガイアはそう笑顔で言い、少し待ってからその靴を受け取り宿に帰って行った。



「うんうん

若いっていいなぁ……」


 靴屋の主人は微笑んでそう言いガイアを見送っていた。



「ステラさん

靴決まらなかったですね」


 アルナイルが聞いた、二人はクールンの街を歩きまわって靴を探していたが、ステラの足に合う靴が見つからなかったのだ。


「やっぱり注文しないと

見つからないのかな?」


 ステラが呟いていた時、丁度宿の前でガイアとばったりあった、ガイアは綺麗な袋を二つ持っていてステラとアルナイルはそれが気になったが、ガイアが一つの袋をステラに差し出した。



「昨日は悪かったな……

あとこれはいつもの礼だ


詫びじゃねえから勘違いすんなよ」


 ステラはガイアの意外な行動にキョトンとしていた、そしてアルナイルにももう一つの袋を渡した。



「二人ともいつもありがとな」


 ガイアはそう優しい顔で言い宿に入って行った、二人は袋の中をその場で見て見ると、可愛く紙で梱包された物が入っていた。



「なんだろ……」


 ステラが呟いたが、アルナイルは気づいているようだった。


 二人は部屋に戻りその袋を開けると、靴が入っていた。



 ステラはそのプレゼントの靴を見て嬉しくなるが少し困惑した、靴と言うより冒険者用の白い綺麗なブーツで、ステラは試しに足を入れてみた。


「え……

なんで解ったの……」


 ステラが思わず呟いた。



 ステラは軽度の外反母趾であった、それはセプテント家の令嬢であり、服もいつも綺麗な物を着ていて、高めのヒールも子供の頃から履いていてなったものであった。


 そのため走ったり激しく動いても足が痛くならないように、外反母趾用の靴を履いていたのだ。


 普通なら気付かないだろうそれを、ガイアはステラの走り方で気付いていたのだ。


 ステラはガイアがいつも見てくれているように思い、涙が静かに溜まって来ていた、普段から粗雑に扱われているが、選んでくれたブーツもとても綺麗な物で、女の子として気遣ってくれているのも伝わって来た。


 それも知らずに、昨日は思いっきり叩いてしまったことに申し訳なさを感じていた。



「ごめんね……」



 ステラは小さく呟いて涙を流していた、アルナイルはその様子を見て小さく微笑んでいた。



(お兄ちゃん

こう言うところは器用なんだよね


でも狙ってないから

いいんだよね……

わたしのはどんなのかな?)



 アルナイルがそう思いながら包みを開けると、アルナイルに似合う可愛らしい白いブーツが入っていた。


(うーん……まぁいっか

かわいいし)


 アルナイルは大人の姿(星海人に戻った時)でも足のサイズはきもちしか変わらないので、履きこなせると思っていた、本当は大人の姿に合わせてくれた靴が欲しかったようだ。



 コンコンッ



「メシ食いに行こうぜっ」


 ガイアが呼びに来てくれた、アルナイルはステラをそっと見ると、ステラは優しく微笑んでアルナイルを見て言った。



「いこっか」


「はいっ今日はきっと

外に食べに行くと思いますよ」


 アルナイルが笑顔で言い、ステラは涙を脱ぐって、そのプレゼントのブーツに急いで履き替えた、やはりサイズもぴったりでよく似合っていた。


 ステラはガイアが始めてプレゼントしてくれたのに、履けなかったらと最初は心配していたのだが、そんな心配は無用であった。



 ステラが部屋から出てアルナイルも続いて出ると、ガイアは宿の入り口で待っていた。



「外で食おうぜっ……

ってやっぱり二人とも似合ってるな

可愛いじゃん」



 ガイアが笑顔で言う、昨日のことは気にして無いようでアルナイルの言った通り、外食に行くことになった。


 ステラは嬉しかったがいつも通りに言った。


「当たり前でしょ?

わたしに綺麗なもので

似合わないのは無いのよ」


 ガイアはそれを聞いて小さな笑顔を見せて扉を開けて待っている、どうやらガイアなりにレディファーストのようだった。

 ステラとアルナイルが先に外に出て、三人は夜になり賑やかなクールンの街に出て行った。





 その頃クールンの街の入り口から二人の女性が入って来た。


 赤いラインの黒いコートを纏った白い髪の女性と、黒いローブマントで着ている赤い鎧を隠した女性だった。



「この街に来ているようだのぉ……

フランシスから姿を消したと思えば


どこに向かっておるのか

気になるでは無いか」


二人はアル・スハイルとエルナトだった。



「アル・スハイル様

いかがなされますか?

その辺で騒ぎを起こせば

すぐに来ると思いますけど……」


エルナトが言う。



「よいよい……

気付かれてはしかたなかろう?

ハダルがどこに行くのか知りたくないか?


それにアル・ムーリフがこの星を

二度も救おうとしておる

何があるのか気になるではないか」



 アル・スハイルがそう言い、綺麗な高級そうなレストランに入って行った、アル・スハイルは金品を手っ取り早く手に入れる為に隣国で盗賊を襲っていた、街を襲えば悪い噂は広まりガイア達を警戒させてしまう、だが盗賊を襲えば良い噂が広まりガイア達を警戒させないと考えていたのだ。


 アル・スハイルは巧妙にそして着実に動きやすく、この星の社会に入り込もうとしていた。


 アル・スハイルが入ったレストランの、斜め前にある綺麗なレストランに少ししてガイア達は入って行った。



「ステラ

好きなの頼んでいいぜ」


 ガイアは優しい顔でそう言い、席を立ってお手洗いに行った。


「これがガイアさんのお詫びですよ」


 アルナイルがステラに静かに言った、それはガイアがステラだけにそう言ったからだ、無論それはアルナイルにも言ったのだが、ガイアの不器用なところであった。


「本当にわかりにくいんだから……」


 ステラはそう言い微笑んでメニューを見ていた。




 一方……アル・スハイルとエルナトはレストランの個室で料理を楽しんでいた。



「ふむ……

このワインはなかなか良いな」


 アル・スハイルはそう言いながら、ワインを上品に楽しんでいた。



「この星の文明は

そんなに進んでいないようですが

一部はかなり進んでいますよね……」


エルナトが言う。



「おしいのぉ……

このような星もあと千年もすれば

食い尽くされ

欲に溢れた人間どもが星海に現れる


だが精霊達の方が

進んでいる星は珍しい


余が以前に滅ぼそうとしたのだが


あの時はアル・ムーリフが

余の放った魔物どもを葬り

何故かこの星を救ったからのぉ……

その結果と言えよう……」


 アル・スハイルは、ワインの赤い色を見ながらそう言っていた。


 最初は星ごと攻撃し全てを根絶やしにしていたが、それでは星自体が廃墟と化してしまう、それでアル・スハイルは魔物を放ち、その文明だけを滅ぼすことも考えたのだ。




 アル・スハイルは何かを考えていた、だがその答えが出た時小さく呟いた。



「余としたことが

たわけたことを……」


 エルナトはそれを聞いて不思議そうな顔をした、アル・スハイルが何かを悩む時と今回は違い、懐かしそうにそれでいて悲しそうな目をしていたのだ。


 暫くして二人は店を出て、クールンの街の奥に向かって行き、ガイア達もレストランから出て宿に向かった。


 アル・スハイルとガイア達は、僅かなタイミングの違いであった。



「ガイア今日はありがとね」


 ステラが帰り道で可愛くそう言った、ガイアは別にと言うように歩いている。



「あと……」



 ステラが謝ろうとした時、ガイアがスッと人差し指で夜空を指差したて言った。



「あの星綺麗だな

紫に光っててステラみたいじゃね?」



(あれは……)


 アルナイルはその星を見て驚いて心で呟いた、ガイアが指差した星、それは誓いの双子星、アル・ムーリフの星であった。



(謝るなんて

お前に似合わねぇんだよ)


 ガイアはそう思っていた、本当に大きなことなら必要かも知れない、だがガイアにとって昨日叩かれたことはどうでも良かった、悪いと思っている態度を少し見せてくれれば、それでよかったのだ。



 ステラはその星を見て、優しく微笑んでいたが、その紫の星の近くに赤いが優しくふわっとした輝きを放つ星があった、それはアル・スハイルの星であった。



「綺麗だね……」


 ステラがそう呟き、その二つの星を見ていた、ステラはガイアが送ってくれたそのブーツの履き心地がとても良くて、ガイアがステラをよく見ていてくれたことと嬉しさもあり、少し雑に扱われても……そう思い始めていた。

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