表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狸なおじさんと霊的な事情  作者: BANG☆
漆黒の使いと無垢なる精霊編
77/278

第67話 狐の神様、役に立たず

連休という事で1話上げました


「その辺の有象無象とはレベルが違うから大丈夫だとは思うんだけどね。何ならウーちゃんにでも聴けばいいさ、もう僕には出来ないけどね」


【誰ぞ呼んだか?なんや、旦那だんさんやないか。昔の女になんぞ未練でもあるんかい】


 まさか、まだこのおばはんの声を聞けるとは思ってなかったよ・・・でも、随分やさぐれてるな。


【こないな事、素面しらふでやってられっかいな、あほくさ】


 余程僕との縁が切れた事がこたえているのかな?まぁ今まで随分振り回されてきたからホッとしている部分は小さくないけどね。


【嘘()きなはんな、本音駄々洩れやで。これからはこのおばはんの事は傍観者で居られるぅ思うとるやろ】


「そこまで解ってるなら何も言いませんよ」


【くっ、一応義理でもそこは否定しとかんかい!ったく・・・後そこにおるんはタマちゃんと裏番やな?】


 ?その言い方はまるで見えてない様な・・・まさか。


「眼鏡、要りますか?」


【アホンダラ!ワテは老眼とちゃうで!今はワテの権能を仰山預けてたどこぞの()()が加護をほかしよった(捨てた)から一時的に視野が(せも)うなっとるだけや。その内ようなる・・・100年か200年か先やろうけどな】


 さり気なく罪悪感を植え付けようとしないで欲しいもんだわ。


「まぁ時間が解決するんならそれはそれでいいとして、質問が有ります」


【それはそれって、くっそぉ・・・んで質問てなんや】


「宇佐木さんの加護についてですよ。昨年末までで加護を外してもらうようにお願いしてたじゃないですか」


【そや、めんどくさいマネばっかさせよってからに、ほんでその挙句にこの仕打ちや。実際堪らんでホンマ】


「それじゃあ彼女の霊力は今年に入った時点でリセットされている訳ですね?」


【当たり前やないの。ワテの仕事に抜かりは無いわ】


「じゃあ、今の彼女の霊力はどこから来たんですか?」


 ザワリと空気が変わる、ウーちゃんが本腰入れてこっちを見たみたいだな?


【・・・こんな、こんな事があるんかい!霊力が戻っとるがな!】


「色合いといい強さといい、どう見てもウーちゃんの加護が復活したんだと思うんですけど?」


【そないなアホな事があってたまるかいな!年が改まる時にワテが直々に一人一人やったんや、ちゃんと二度見までして確認したんやで?こないな事あってたまるかぁ!!】


 稲荷狐に適当にさせたんじゃなければ、ちんちくりんの分だけ抜けたって事は無いか。


「もしかして、八幡様とかお諏訪様とかの加護が掛かっているなんて事は無いですよね?」


【・・・いいや、これはワテの加護や・・・どないなっとんねん】


 その辺の仕組みはアンタたちでないと解らんでしょうが・・・使えねぇ駄女神だなぁ・・・


【おい、今、悪意の波動を感じたで?なんぞ妙なもん考えとらんやろなぁ】


 凄む暇があったら問題を解決しろよ、駄女神。


「ウーちゃん、このヒト(宇佐木女史)の加護が戻ったので御座いましたら、旦那さまの加護も戻るのでは御座いませんか?」


【タマちゃん、残念やけどそれはあり得んこっちゃで。

 裏番の加護は封印が解けて戻ったもんや、旦那だんさんの解除されたんとは意味が違うんや。

 加護は一期一会や。一度離れたら二度目はあり得へん、それがワテらのならわしってもんや。

 確かにワテの勝手で復活させる事はそりゃ可能やで・・・でも上のもん()が自分の勝手でことわりをゴリゴリ変えてみぃ。仕舞いにゃ誰もついてきぃへん様になる。そやから罰則としてそれをやったらワテが邪神に堕とされる事に決まっとる。

 ええか、力を持つ言うんはその力に縛られるっちゅう事なんや。難儀なもんやで、全く。

 そうそうそうやった、タマちゃん、その裏番は役に立つ女やで?旦那だんさんがえこひいきしとる訳でもなんでもあらへん。

 タマちゃんと嬢ちゃんが除霊で出払ったとしても代わりに旦那だんさんと二人で店を切り盛りしてくれるで。たまには休まんと体壊すで】


 葛葉嬢はとっても不服気である。絶対、あれは納得していないっつうか納得する気が無い。


 そろそろ昼だって言うのに長丁場の気配濃厚だよ。取り敢えず花粉症の薬を飲んどかないと集中もへったくれも無い様になっちまうからな。


「ちょっとトイレに【ゴゥラァ!散々種()いといて逃げるんかい!】役に立たない神様の相手するより自分のケアを優先したいだけですが?」


 どうでもいいから外に出してくれよ。今すぐ逃げるとかはまだ考えてないからさ。


「旦那さま、又修行の旅に出られるお積りで御座いますか?」


 僕が見えて無い癖に妙に勘が冴えてるじゃないか、葛葉嬢(まいすいぃとはにぃ)


旦那だんさん、何を考えてるんや。なんぞむず痒いもんが湧いて出とるで?】


 加護が取れたから僕の考えが読めなくなってるのか。まぁ、気配は察知してるみたいだけど。


「まぁ、僕の事はさておき、宇佐木さんに今乗ってるのは封印した筈のウーちゃんの加護であると。そしてチームシリウスで手伝ってもらうのに相応の霊力も備えている。

 だけど削除するのが勿体なくて封印したんだろうけどその封印が解けた原因が解らないと。下手すりゃ他の元同盟の連中だって封印が解けている可能性も無視できないと。

 そこで今までだったら加護で縛りつけた僕を扱き使って解決できたかもしれないけど、縁が切れてそれもままならないと。

 それだったら、自前の眷属の精鋭稲荷狐部隊の出動しかないじゃありませんか。迷う事なんか無いじゃないですか。

 あっ、結果だけでも狐塚さんには教えてやってくださいね。そう言うの結構気にする人ですから」


【おう、タマちゃんにはちゃんと連絡したるさかい自分(旦那さん)は心配せんでええ。

 ・・・しっかし自分、皮肉がきついなぁ。自分に比べたら稲荷狐が束になったところで足元にも及ばん事ぐらい長年扱き使うとるワテが一番よう知っとるがな。

 あのアホゥどもに花を持たせてくれるんや、精々立派な報告をさせてもらうとするさ。

 ほなあっちのむさくるしい方に戻るとするわ。

 そうやったタマちゃん、威圧も加減してくれへんと困るで。向こうは原因不明の失神者続出でパニックになっとるで。

 ええと、何しにこっちに顔出したんか解らんようになってもうた・・・】


 壁に向かってちんちくりんが頭を下げている所を見ると、ウーちゃんはそっちから向こうの会議室に向かったんだろう。


「狐塚さん、薬が切れそうですから薬を飲みに行きますけどいいですよね?」


「妻に他人行儀に旧姓で話しかけるとか、いつもお願いしておりますけど水臭いじゃ御座いませんか。病気の事は存じ上げておりますから、お気になさらずに行かれて結構で御座います。

 ()()()()()()()()()()()()()()()気にしておりませんよ」


 ・・・前科があると信用が無いことおびただしいよな。

通常通り明日水曜23日も上げますのでよろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ