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狸なおじさんと霊的な事情  作者: BANG☆
漆黒の使いと無垢なる精霊編

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第52話 黒猫、尾行をする

珍しくアンジェ目線でお送りします。

《ターさん♡、オンナはミステリアスな方が魅力的でしょ?》


 なんてターさん♡にカッコを付けてみたものの、ターさん♡人間だもんなぁ。ウチみたいな妖怪に付き纏われて迷惑なんじゃないかって、いつも心配してるんだけどターさん♡はいつも優しくしてくれるんだ。


 ウチの喉とか脇腹だとか色んなトコを毛並みを楽しみながら撫でてくれて『何も出来ないけどありがとな。お前がいてくれていつも助かってるよ』なんてささやいてくれちゃった日には、それこそ天にも昇る高揚感と満足感でウチは思わずこう言っちゃうんだ。


《眷属と主は一心同体じゃないの。何なら盛っちゃう♡?》


 ちゃんといつでも人化が出来るように準備万端整えて待ってるんだって言ってるのに、ターさん♡たら呆れた顔していつもこう言うの。


『子猫がオギャーって泣くのは、あんまり観たくないから遠慮しとくよ』


 もう、守りが堅いったらありゃしない。ウチは、ホントにいつでもどこでも何度でも相手したげるんだからね!


 えーとまぁそんな事は後の楽しみに取っとくからいい事にして、取りあえずは任務をこなさなきゃね。


 何やら独り言の多いあの若い男、四方山(よもやま)って言ったっけ?には近所の野良猫が3匹掛かりで行方を追わせているわ。そうしないと野良だからテリトリーの問題とかで撒かれちゃうのよね。これはね、ここ3月くらいでウチが覚えた方法なの。こうするようになってからは撒かれた事なんてまだないわ。凄いっしょ?


 さてここで質問です。ウチは何でこんな事が出来るようになったんでしょうか?


 なんて解る訳無いわよね。実を言うとターさん♡が『猫』退治から帰ってきた頃から、除霊屋どもがさシリウスの周りをうろちょろするようになったの。元からタマちゃんを一本釣りしようとかって『捕らぬ狸の皮算用』をしてた連中が・・・狐だったわね・・・あそこ(シリウス)が建った時から足繫く通ってきてたんだけど、ターさん♡が向こうでちょっと本気出したせいか手伝いの御指名が来るようになったの。眷属としては主がちゃんと評価されるんなら嬉しいに決まってるでしょ?


 ただね、あのうさん臭い奴らがさ、真面な依頼を持ってくるとか信じられる?絶対誰にも処理できなかった『塩漬け案件』とかさ、やたら不幸に見舞われる業者が続出しましたとかって言う『訳在り案件』とか、悪神絡みの『シリウス案件』とか自分たちが出来なかった事を棚に上げてあら捜しをする為にやらせようとかってのに違いないからさ、依頼してきた奴らの追跡調査と依頼案件の難易度確認をウチがするようになったのさ。猫はどこにでもいるからね、調べ物にはもってこいって事なの。


 そしたらまぁ、等級を下げてその上でピンハネとかほぼぼらんてあ?とかタダどころか交通費自己負担の罰ゲーム顔負けの孤島の除霊だったりとかの斡旋ばっかりだったことが解ってそりゃあもう大騒ぎじゃん。


 騒ぐって言ってもあの3人って方向性が違うのよね。お金に苦労してる若いカオルン少年はピンハネとかタダ働きとかにカッカして暴れてるし、お嬢様育ちのタマちゃんはとにかく仕事(除霊)がしたいだけだから他の二人がせっかくもらえた仕事をキャンセルするのに腹を立ててるし、ターさん♡はターさん♡で騙そうとした事にどう仕返しをするか考えこんでるし、あの空間は一緒にいるのがつらかったわぁ。


 最終的に決まったチームシリウスの方針ってのが“ギョーカイ”の奴らの神経を逆撫でする事になったのは成り行き上当然よね。


 あいつらって自分たちの方が上だって思いこんでるからなぁ。実力で言えば一番低いカオルン少年でさえあいつらのエース格に余裕で勝てるぐらいの力の差があるってぇのに、自分たちの方が低すぎて相手との実力差が解らないんだものどうにもこうにも。


 ターさん♡たちの答えは、単独下請けの仕事は受け付けない、等級鑑定はタ-さん♡がしたものが公式だ、斡旋された仕事は等級を確認した上で著しく現状とそぐわない場合キャンセルする、みたいな感じね。


 んでもってそれに対して“ギョーカイ”の奴らがした事ったら悪評を流して注文が流れないようにするとか失敗の原因を全部こっちに押し付けるとかそういう姑息な事ばっかな訳。


 こっちとしてはタマちゃんの欲求不満はともかくとしてよ、喫茶店は流行ってるんだしウーちゃんやお諏訪様が持ち込んでくる依頼とかもあるから全然困ってない訳よ。


 八幡様なんて頼んでもいないのに“ギョーカイ”の不正やら姑息な所業やらを洗いざらい宣託でぶちまけてくれるもんだからさ、16強の旗色が日に日に悪くなっちゃって高みの見物しているこっちとしては『棚から牡丹餅』でざまぁだわ。八幡様にお礼の参拝にでも行こうかって話にもなったんだけど、ウーちゃんやお諏訪様から癒着を疑われるから今は止めとけって言われちゃったわ。まぁ態々行かなくてもいい様な気もするけどね。


 神様が疑われるって妙な話だけどさ、ウーちゃんや八幡様たちって神道の神様だからそれ以外の奴らから疑われてるみたいなんだ。まぁターさん♡たちに都合のいい話ばっかり出てくるんだから勘繰るのも仕方が無いか。


 だって人間ってさ、自分がやってる事を他人もやってるって考えるもんだもんね。自分たちがやってきた事から考えたらそうなるだろうさね。妖怪のウチから言わせてもらうのもなんだけどさ、業が深いよね。



 あぁ、四方山が公園のベンチで休んでるわね。ここも年末のパトカー暴走事件でぐちゃぐちゃになってたけどようやく工事が終わったみたいじゃん。稲荷の祠の方は放置されちゃったままだけどね。


 あら?こいつからかすかだけど魔の気配が感じられるわね。・・・ははーん、それでターさん♡がウチに調べろって言ってきたのか。


 まだ若い筈だけど疲れてたみたいね、まだあったかいとまで言えないベンチの陽だまりで舟をこぎ出したわ。


 魔の気配の正体はっと・・・白い鳥の羽根が1枚肩口にくっついてるわね。これから魔力を感じるわ。誰かがこいつに目印の羽を付けて行方を追ってる?


 1本の羽から感じられる魔力は結構凄いわね。ウチほどじゃないけどかなりの力を持った妖怪に間違いないわね・・・久しぶりに暴れられるかしら?


星が欲しい、などとダジャレを言っても仕方が御座いませんが、気が向いたらそこのアナタ、筆者がゾンビになる前に成仏できるように星を恵んではくださらんか。後生でごぜぇますだぁ。

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