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狸なおじさんと霊的な事情  作者: BANG☆
前門の祟り神と後門の貧乏神編
259/278

第202話 狸、言い争う

え、え~出遅れてしまいました


こそこそ投稿します


本日もよろしくお願いします

【それでも警備についておった稲荷狐らぐらいは残っておる筈だ。

 それがどうした】


 不良中年(大国主命)の言葉を合図にするかのように悪寒が襲ってきてその場に居合わせた八百万の神々はおろか痴女(弁天様)脳筋オヤジ(毘沙門様)までもが(ざわ)めきだす。稲荷狐たちに至っちゃ揃いも揃って白眼剥いて泡を吹いているよ。

 普段葛葉嬢の威圧に晒されてるシリウスのみんなは若干不快感を示す者がいたものの全員無事だ。

 鍛え方が違うんだよ、鍛え方が。


 ところで悪寒が来たって事は、ある人物の仕業だって解るよね。


 そう、これは地味オヤジ(崇徳上皇)が何かをやらかしたって事だよ。


 そうなると思いつくのは、番犬にもならないアホ狐どもを放し飼いにしている空き巣状態の旧東京晴明神社だ。


白峯しゃん(崇徳上皇)に騙されたっちゃなかとね(んじゃないの)?」

【番頭殿よ、何を根拠にそのような戯言(ざれごと)を抜かすのかな?

 玉藻殿の(つがい)でなければ()うに天罰を喰らわしていたものを口惜しや。

 虎の威を借る狐ならぬ狐の威を借る狸殿が何を根拠にわしらを見下すのかな?】


 不良中年はご機嫌斜めだな。別にこんなおっさんに気に入られても何の得にもならないけどなんかムカつくな。

 大体、根拠根拠って一々(うるさ)いんだよ!


「第一に白峯しゃん(崇徳上皇)あそけ(あそこに)潜り込もうてしよった(としていた)

 そん時は、首座しゃんたち()ゾロゾロおったしぇん(いたから)いつン間にかおらんごつ(いないように)なったろうが(なったでしょ)

 そいば(それを)皆しゃんは力んのうなって(力が無くなって)帰った(って)言いよったろうが(いってたでしょ)

 ほんなごて(本当に)()使い果たしておらんごつ(いないように)なったっちゃろかて(なったんだろうかと)思うたったい(思ったんです)


 僕の説明に黙り込む八百万の神々。

 返事も来ないので取りあえず先に進む事にしよう。


「白峯しゃんは、あそけ(あそこに)潜り込んでなんばしようち(何をしようと)思ったっちゃろか(んでしょう)

 あそかぁ(あそこは)葛葉しゃん(葛葉嬢)(やしろ)すって(するって)言いよった(言っていた)ろうが(でしょ)


 不良中年が不承不承頷く。自分で葛葉嬢にそう言ってたんだから間違いないよね?


そいぎん(だったら)そけは(そこには)あん(あの)神しゃんの力ん源ん葛葉しゃんのモン()溢れっとでしょうもん(ているんでしょ)

 白峯しゃん()次ん首座()狙うとぎん(んだったら)絶対欲しかとでしょうもん(欲しいんでしょう)

【先生!そうは申されましてもあの時、間違いなく四国に気配は戻ったので御座いますよ?】

「お諏訪しゃん、そいは(それは)どがんやろか(どうでしょうか)

 あんお方(崇徳上皇)にでん(にも)眷属っておらすとやろ(おられるんでしょ)?」

【・・・犬神、で御座いますね。

 でもそれが何か?稲荷狐より使える奴らとは寡聞にして聞き及んではおりませんが】

タケ坊(お諏訪様)、ワテんトコのボケナス(稲荷狐)うらなり(崇徳上皇)んトコのゴミカス(犬神)を比べるゆうんも肚立つんやが?

 自分(お諏訪様)トコの蛇かて恵比寿のスカタンを見(うしの)うとるやないけ!】


 ウーちゃん、出番が無いからって割り込まないで欲しいんだけどね。


「ウーちゃん様、四国の妖怪と言えば阿波の化け狸に讃岐の子泣き爺辺りが有名ですけど犬神ってその上の位なんですか?」

【なんやワテの存在に関する重要事項の確認を邪魔せんといてくれへんか。

 まぁおっぱいちび(ちんちくりん)の顔に免じて答えたるがな。

 犬神が化け狸より上?ハッ!そないな事ある訳あらへんがな、知名度で負け、実力で負け、頭数で負け。

 うらなりの眷属やあらへんかったらとっくの昔に“れっどぶっく”に乗っとるわい】

 

 レッドブックって事は絶滅危惧種扱いなのかよ。

 妖怪自体が絶滅危惧種なのにその中でのそれってほぼニホンオオカミ状態って事だよね。


そいは(それは)どがんでん(どうでも)よかっちゃなかね(いいじゃないですか)

 おいは(ぼくは)白峯しゃん()なんかトリック()つこうて(使って)アリバイ工作しよらしたっちゃ(したんじゃ)なかかて(ないかと)思うとっと(思ってる)ばってんが(だけど)思い当たらんね」

【我らを出し抜いて騙しおおせるなど万に一つも有り得ないと思うのでございますが】

【タケ坊、お前は疑う事を知らんのかな?それこそそのタヌキが狸たる所以(ゆえん)だと気付かないとはな・・・

 わしらの眼を誤魔化す方法などこの世に存在する筈が無いじゃないの。目を覚ませよ、ったく】


 不良中年は、僕の話を聞く気が無いらしいな。


「弊社()宇佐木()聞きよった(尋ねていた)(あやかし)()話はどがん(どう)思うたね」

【ふん?どうと言われても単なる世話話じゃないの?】

おいには(僕には)犬神()白峯しゃんの庇護でようよう生き延びとうとの(てるのが)知れたとばってん?そうは思わんやったね。

 そいぎん(そしたら)犬神()白峯しゃんの為言うて無茶すっとの(するのが)眼に見えてこんね。

 たとゆるぎん(例えば)白峯しゃんの握っとう(握っている)殺生石ん欠片()白峯しゃんの気配()濃か(濃い)所縁(ゆかり)ん場所で暴発させて見すっとか」

【そんな事をすりゃ自分の身が危ないじゃないか。特攻隊か自爆テロじゃあるまいし、する意味が解らないよ】


 静まり返った小火(ボヤ)の消えた店の裏手で対峙する八百万の神々と僕たち。不良中年はあくまでも僕の考えを軽視したいようだな。

 そしてさっきよりきつい悪寒がやってくる。明らかに崇徳上皇は力を増している。


「とにかく話()次に移すばってん(けど)恵比寿しゃん(貧乏神)があんタイミングで来たとは(のは)偶然やろか(でしょうか)そい(それ)が第二たい(です)ね。

 もし白峯しゃんと恵比寿しゃん()連携()しとったぎん(していたなら)どがんね(どうですか)

【そんな事はありえんよ!

 お前は空想と現実の区別もできんのかい!】


 ファンタジーの住人(八百万の神々)が自己否定とは片腹痛い。


なんば(何を)甘かこつば(甘い事を)言いよらす(言ってるん)っちゃろかね(だろうね)

 葛葉しゃんの様子()見てでん(見ても)そがんこつ(そんな事)いゆっちゃろか(言えるのかね)?」


 僕の傍らには力なく伏せる九尾の白狐の姿があった。

 

予定は閑話を二つ挟んで最終章の予定なんですけど難産でして少々遅れる事も予想されてしまいます


出来るだけ頑張りますが遅れたらすいません


ではまた来週(あっ、又プレッシャーが・・・)

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