第199話 一同、現場に急行する
毎度おなじみ駄文の時間でございます
10年に一度の寒波とかって散々脅されてふたを開けたら積雪1cmだった・・・雪で大変だった地方の皆さん降ってなくってごめんなさい
でもこのくらいで大渋滞が起きちゃうのが九州なんですけどね
そんな事より本日もよろしくお願いします
【全員で玉藻殿と番の狸の愛の巣やらを確かめに行くしかないな】
溜息と共に不良中年が八幡様に合図を送るとまた空を埋め尽くす鳩の大群が押し寄せ、気が付くと僕たちは神も人も妖怪も関係なく全員が喫茶シリウスの前に立っていた。
建物はまだちゃんとしているみたいだけど、辺りには焦げ臭い臭いと煙が充満している。
店を遠巻きにしてるのはさっきまで食事に訪れてくれていた客の方たち。そして中からテーブルとかを運び出す船幽霊と河童たち。
ちなみに稲荷狐たちは鼻を抑えながら遠巻きに覗いてるだけだ。
「オレの店が!・・・くそ(ボソッ)」
「待ってください事業部長!
警察も消防も来てないのに入るのは証拠隠滅を疑われますよ!」
居ても立っても居られないカオルン少年が店に飛び込もうとするのを雪子ちゃんの父親の昌雪さんが後ろから羽交い絞めで抑える。僕に似た体形のおじさんだけど立派なもんだ、僕だったら絶対間に合って無いよ。
《さすがは我が殿でありんす♡
こう言ってはなんじゃが番頭様とはものが違うでありんす》
「リっちゃん!今はそんな事言ってる場合じゃないからね?愛してるから静かにしてようね」
サキュバスのリっちゃんことリリアーネ嬢は、愛しい旦那の昌雪さんの一言に頷くと舌をペロッと出して静かになってしまう。葛葉嬢並みの素直さだよ。でも、僕とはものが違うってのは最初から解ってる事なんだから態々言わないで(泣)。
「折角店まで来たのに中に入れないなんてどうすりゃいいのさ!・・・せめてひと目でも(ボソッ)」
「雪パパの言う通りあたしらじゃ疑われてお終いよ。
それとも火元とか状況とか薫ちゃんは見て分かるの?」
ちんちくりんにとどめを刺されてカオルン少年が涙目で唇を嚙み締めながら首を振る。
《おいどんらは稲荷神さまから様子を見守れとしか言われてないでゴンス!
店がどうなろうとも命令は絶対でゴンス!》
【オドレらは『臨機応変』ってもんを知らへんのか!ドァホめ!】
それにしても空気が読めない上に稲荷狐の無能さ加減と言ったら・・・ウーちゃんの日頃の指導の賜物なんだろうね。
「番頭さん、みんなもどこに行ってたんっす?
いきなりいなくなったと思ったら店の中が煙で真っ黒になるとか心臓が止まったと思ったっすよ」
・・・少年Aことツトム君よ、今日は僕は最初から店にいなかったんだけどそれにも気付かない程僕って影が薄いのかい?
「あぁ今日はなんて尊い日でしょう!ねぇおじいさん、私たちってもう天に召されてるんじゃありませんの?
いつものように魔王様に給仕して頂いて霊験あらたかなお札まで頂いた上にこんな神々しいお姿をいくつもお見せいただくなんて!ナンマイダナンマイダ」
「あぁばあさん!儂の心臓も動いておらんのかも知れんのう。
あれはきっと大黒様に道祖神さまじゃぞ!
きっと功徳を積んできたおかげじゃろうて南無妙法蓮華経」
神様見たさに常連になってる老夫婦が壊れてるよ。
いつも八幡様からおしぼりとか貰ってるのにそっちは有り難くなかったのかよ。
大体天に召されるのはキリスト教だしナンマイダとか南無妙法蓮華経とかって仏教のおまじないでしょ?
元から無宗教だってモロバレじゃないのよ。
で、不良中年とハゲタ彦の正体に付いちゃ正解してると・・・信心深いのか不心得者なのか判断に苦しむわ!
きっとアンタたちは100までピンピンしてるだろうね。
それにしてもこのままじゃ埒が明かないよ。
そうだ、火事を知らせてくれた痴女に話を聞けば何か解るかも。
「とこいで弁天しゃんは?」
僕の問い掛けに船幽霊の一人が店の裏側を指さして見せる。
喋れなくても稲荷狐とは月とスッポンの気の付き方、ディーテを眷属にできてホントに助かったと思う。
でもなんで裏なんだ?
雪パパこと昌雪さんの有能ぶりに主人公の座が揺らぐのではないかと思っているあなた、大丈夫です。
雪パパは忙しくて駄文に付き合う暇は無いんだそうです(泣)
雪パパとリっちゃんのなりそめでも書くことがあったら面白いかも知れませんが現在その予定は無いんですよ・・・なんせ週に1本の話を捻り出すのに一生懸命で他に手が回らないんですもん
ゴールはもうすぐの筈なんだ・・・どこにあるか全然わからないんだけど(泣)
そろそろスギ花粉も始まりますが皆さまご自愛ください
ではまた来週




