第190話 狼と人魚、揉める
北の方の大雪はとっても心配しています(九州では5cm積んだら大雪と言いますから1mとか信じられませんもの)
そんなこんなで本日もよろしくお願いします
「これで店が火事になったら誰が責任取ってくれるのさ!・・・建て直せたとしても評判ガタ落ちで店やってらんねぇだろうが!(ボソッ)」
火を使ってる最中にいなくなるってそりゃ火事の心配もするだろうって今更ながらに思い当たる僕でした。
気が付かなくてごめんなさい。
一方八百万の神々はと言うと、連れて来いって命令を考え無しに愚直に実行して集団神隠しを発生させた八幡様は放火魔として手配される可能性に怯え、取りあえず無関係だったお諏訪様は事の成り行きを部外者として心配し、ウーちゃんと白塗りお歯黒は事の収拾をすべく眷属たちに指示を出そうとしている。
でも白塗りお歯黒んトコの眷属って牛だろ?暴れ牛の集団暴走とかしたって事の収拾とかできる筈無いだろ?ウーちゃんトコのポンコツ稲荷狐にしても喫茶店に火を付ける加勢はしても火が出ないようにする絵が見えてこないんだよな。
そして無茶な命令を出して大混乱を引き起こした張本人匿名希望の祟り神は・・・ハゲタ彦に殴り飛ばされてた。
いつ湧いたハゲタ彦。
【茶屋で寛いどったら急にホンちゃんの気配がしたかと思うたら狐の一味がまるっとおらんようになったんで、もしやとここに現れたら案の定じゃ!
どうせこのすっとこどっこいが時節も弁えんとホンちゃんにせっついたんじゃろが!このボケ!】
ここに摂社があるからには来る権利はあるとはいえ、お前ウチ出禁だった筈だよな?
「へぇ~、ハゲの神様ウチにいたんだ・・・もちろん火の始末はしてくれてたんだろうな?(ボソッ)」
地獄の底から湧いてくるようなカオルン少年の問い掛けにハゲタ彦はビクンと体を震わせて硬直する。体は正直だな・・・放置って事で了解したよ。
あ~あ、血の雨降っても知らねぇぞ。
「どうやら地獄に落ちてぇみてぇだな。
おっちゃん、ギッタギタにしてやってくんない?・・・あいつさ、二度と喋らなくても構わねぇからさ(ボソッ)」
神様相手に物理攻撃なんて芸当はなぜか僕しかできないんだよね・・・いつもみんなに頼ってるからこれくらいやっとくか。それにしてもとばっちりなのは解ってる、でも逆らえる筈無いだろ?
「豆腐ん角でんぶつきゅうか?
致命傷になるかも知れんばってん」
豆腐の角が致命傷になるのは愚か者って相場が決まってるじゃん?
《残してある船幽霊たちに消火をさせるであります》
「いや、ありがてぇけどさ、そりゃ困るんだ・・・言いにくいけどさ(ボソッ)」
《なぜでありますか?
連中、濡れてもいるし脇の池からならすぐに届くでありますよ?》
「・・・ウチってさ喰いもん扱ってるじゃん?
言いたかねぇけどさ・・・衛生面で厨房に入られると営業停止に追い込まれるの目に見えてるじゃん(ボソッ)」
連中が身綺麗にしている事は僕たち全員が知ってるけど見た目がずぶ濡れの木乃伊みたいなのが災いして保健所から査察が入った事があったっけ・・・連中に罪は無いんだけどね。ただ見た目がさ・・・
《・・・それは某の手下である船幽霊どもが不潔であると言ってるのありますか?薫殿》
「そうは言ってねぇじゃん、どれだけ綺麗好きかとかさ、あの店のピカピカ具合見りゃ解るじゃん・・・ただ見た目が綺麗に見えないってだけでさ(ボソッ)」
《屈辱であります。
手下への侮辱は某への侮辱も同じ事であります!かくなる上は「部下思いかとは知っとうけん」
されど我が君、手下に掛かる差別は主が晴らすは必定!この場に船幽霊が一人も召喚されておらぬのを見てもどれだけ軽んじられているか解るであります!さすれば「今は早急に全員の元ん場所に戻してもらうとが最優先事項やろうもん」
それは解っているでありますが、それでは某の手下どもがあまりにも不憫。
懸かる恥辱を雪がずにおめおめ引き下がる訳には参らないのであります》
あぁ、面倒な事になって来やがったよ。この調子じゃ切腹とか言い出しかねないじゃないのさ。
こんな面倒は元凶に押し付けるに限るね。
「さぁ、こん落とし前。どがんしてくるっちゃろか、八百万の首座しゃん?」
年寄りは頑固だから・・おっとディーテさんの事じゃありませんからええ!
それにしてもコロナ8波の数がずいぶん増えてて心配ですね(こないだ寝込んだからもういりません)
尿路結石も落ち着いてこのまま無事年を越せることを祈るばかり、ってまだ早いかな?
そんな事よりまた来週




