第185話 元詐欺師、本領を発揮する
日本、負けちゃいましたね・・・また奢らにゃならんのか
まぁ初戦が上手く行き過ぎたんだから仕方ないという事で本日もよろしくお願いします
「カみヨ!アなたはトレたケワしをクルしメタらすムのテすか!」
ハイハイ自分の罪を他人のせいにするのはいい加減に止めて現実を直視しましょうねぇ、キム元会長さん。
「ところでここに潜り込んでなんばすっつもいやったとね?」
黙秘する三人。碌な事しようとしてた筈無いから黙るのは当たり前か。
もしかして僕の言葉が理解できなかった可能性もあるけど・・・
【オドレらもあの青成(不健康に痩せた若造)とおんなじ事しようとしてたんやあらへんやろうな?】
お諏訪様八幡様も逃げ出すウーちゃんの凄味を利かした睨みにも三人は無反応だ。
きっと青成が誰なのか解ってない上に何をやらかそうとしてたか知らないんだと僕は思うよ。じゃなかったらゴミ山賊あたりがべらべら白状して自分だけ助かろうとする筈だから。
こっちの言葉も解らない上に掛けられてる嫌疑が解らないとなるとそれから先の反応は二つ。
疑心暗鬼になって白状するか判らないまま黙って時間の過ぎるのを待つか。今の状況からすると後者が濃厚かな?
もし後者の場合だったら拷問でもして真相を吐かせるって展開になるけど誰に聞くかだな。
一番口が軽そうなゴミ山賊だったらアイツの特技で尋問者を惑わして脱走して終わりになりそうだし、駄神は存在の抹消が掛かるから最後まで口を割らないと思う。
元会長なら不当な扱いをどうしたのジュネーブ条約がどうだのとごねてごねて有耶無耶を図って隙を見て逃げるってのがデフォじゃないかな?自分が宗旨替えしてるのに気付いて無さそうだけどキリスト教の天使辺りに協力して貰ったとしても埒は明かなそうだし手詰まり感が半端ないな。
蛇足ながらジュネーブ条約ってのは捕虜への人道的な扱いを取り決めした国際条約だけど神様にどれだけ意味があるかは不明だ。
「ぺんコシをヨぺ!シャナきゃヒとこトもシャぺらソ!」
さすが盗人猛々しいを地で行く民族出身の元会長は威勢がいいねぇ。
「じゃ、オレが知り合いの弁護士に連絡付けようか?」
現在更生中は弁護士の知り合いがいるのか!・・・裁判で世話になってるからいるのは当たり前か。でもお前さんの担当は国選で某学会のお抱え弁護士じゃなかったか?学会員じゃないお前さんの弁護はほとんどせずにほぼだんまりだったって噂に聞いたぞ?そのせいでお前さんだけ実刑喰らったそうじゃないか。
まぁ弁護士付けたって証拠は残るから良しとするか、弱小貧乏神とその使徒(キリスト教徒もどきを含む)にちゃんとした弁護をしてくれるか、見ものだね。
「いヤ、ワしのシリあイにウてのイいやツカイる!」
「そりゃ金払えたらだろ?今時、文無しにタダでやってくれる奴なんている訳ねぇだろ?
オレの弁護もしてくれた国選の奴だからさ、カネいらねぇぜ?」
色々抜け道をシミュレーションしてみたもののそれ以上の答えを出せず力なく頷く元会長。そりゃ金持ってた時ならまだしも今のアイツに手を出すバカな弁護士なんていないだろうな。自分の価値を落とすだけだからな。
あらぶってた詐欺師の元親玉が更生中とはいえ元詐欺師の若造にまんまと丸め込まれるのを見て僕もこいつの世話にだけはなりたくないと強く思った。雪子ちゃんが絡まなかったら割と優秀じゃあるけど時々僕を見る眼が怖いんだよなぁ・・・やっぱ雪子ちゃんが僕の眷属になって以来、僕にべったりになってるのが気に喰わないんだろうなぁ。
寝首掻かれないように用心しとかなきゃな。
現在更生中の伝手で昼前には黒縁眼鏡しか印象に残らないやる気のない弁護士が到着し、僕はその場で一番古株の部下のモブ2号に合図を送ると尋問を開始した。
いくら気取っても鼻に洗濯ばさみを挟んだままの間抜けな姿のモブ2号からの尋問に元会長は割と素直に応じた。
時々挟む嘘に八百万の神々からのダウトが容赦なく発せられて渋々修正する元会長。
都合の悪い話が出てくると頭が痛いだのお腹が減っただのと騒ぎ立てて妨害を図る駄神とゴミ山賊に遠慮ない鉄拳制裁が発動しても弁護士は眼鏡を外してレンズを拭きながら見てない振りをしてそれを制そうともしない。マジもんで仕事する気ねぇぞ、コイツ。
30分もしない内に全ての質問は終わった。ホントに中身の薄い陰謀だった。
ゴ〇ブリ並みの生命力とミジンコ並みの思考力で突き進む貧乏神教団に明日はあるのか
などと話題を振りつつまた次回