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狸なおじさんと霊的な事情  作者: BANG☆
漂う梅の精と春の園編

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第159話 狸、訛る

GW明けたら金曜日だった・・・最初から分かってたはずなのにこれでストックゼロに・・・


な、なんくるないさで本日もよろしくお願いします


でもなぜ沖縄の言葉?

 秋の九州はやっぱよかぁ・・・


 秋とはまだ名ばかりの残暑の太陽がぎらぎら照り付ける中僕たち一行はぞろぞろと沿道を歩いて行く。


【旦那さま?どうなさったので御座いますか?】

うんにゃ(いいや)なんでんなか(何でもないよ)久しぶい(久しぶり)に九州に来たもんけん(ものだから)ちぃと(ちょっと)気の緩んだっちゃろねぇ(んだろうね)


 どうも気持ちが緩み過ぎて方言が出ちゃいましたよ。

 案の定、僕の顔を覗き込む葛葉嬢の頭の上にははてなマークが乱舞している。


《タマちゃんったらターさん♡の言ってる事が解んないんでしょ》

【そんな事は無いので御座います!正妻である私にとって旦那さまの事など手に取るようにわかるので御座いますよ?】


 アンジェに突っ込まれて条件反射で言い返してはいても目が泳いでるよ、九尾の妖狐さん。


「葛葉さん、すいませんね。帰ってきたと思ったらついつい方言が出ちゃいました」

【ご出身は長崎の方だとお(うかが)いしていたので御座いますがこちらは福岡で御座いますよね?】

「ええ大宰府ですね、菅原道真公のお膝元のね」

「クー姉ったら去年法事で長崎に行った事忘れてるんじゃねぇの?・・・うっかり屋さんだから(ボソッ)」


 葛葉嬢ったらカオルン少年からの鋭い指摘に唇を噛み締めて耐えてますね・・・負けず嫌いだから泥沼にならなきゃいいんだけど・・・


【薫くんったら「おじさま、それにしても今度の依頼はみんなで太宰府天満宮に参拝してくれだなんて妙な事だと思いませんか?」

 ・・・もういいので御座います】


 ちんちくりん、ナイスカットだ。あのままだと30分は揉め続けてるからな、助かった。

 けど、葛葉嬢が拗ねちまったな・・・これはこれで面倒なんだが。


「あー、宇佐木くん「社長を名前で呼べるようになったんですからあたしもチカとか愛人2号とか呼んでも構わないんですよ」

 まだ結婚もしとらんとに(してないのに)愛人っちゃ(とか)無理ばゆうなて(無理を言うなよ)


 いかん、気が緩み過ぎて方言が止まんないよ。


「だったらオレもカオルン♡とかハニィって呼んで欲しいな・・・マジで(ボソッ)」

「なんでそがん(そんなに)ハードル()あがっとね(上がるんだ)!」


 60前の中年に子や孫の年頃の子が何を強請(ねだ)ってるんだよ!


「いつもながら仲睦まじいのう、ここだけ真夏に戻ったようじゃな。暑くてかなわん。

 それはそうと菅公(菅原道真公)を訪ねるという事は、神無月の出雲に向けての根回しを稲荷神さまたちが目論んでいるのかと思われますな」


 一番新入りだけど一番年長のじいさん(益岡翁)が、今回の依頼の裏を読んで見せる。

 東の新皇(平将門)と並ぶ祟り神の2大巨頭の京都北野ではなく福岡大宰府を指定してくるトコなんかなんかあるよね。大宰府の天満宮って道真公のお墓の上に建てられてるそうじゃない・・・出てくるんだろうな、色々と。


 それにしても八幡様の宇佐神宮が近いって事から八幡様が団体旅行のガイドみたいに旗持って先導してくれてるのがこっぱずかしいんだけど・・・実は罰ゲームとか?


【兄貴ィ、なんなら耶馬渓にでも案内した方がよかったっすか?

 あしたはオレの地元の宇佐に行くついでに行って見ようか?アソコは紅葉の名所でね《お話の途中ではありますが9月に紅葉が見える所でありましたか、耶馬渓は?》

 ・・・流石に早いか・・・・な?】


 案内する方が舞い上がってるって大丈夫かねぇ・・・取りあえずディーテ、ナイス。


「そんなに八幡のアニキも落ち込まないで下さいよ!

 それにしてもゆきちゃん♡ここって梅がなんとかって喰いもんばっか売ってるっすね!食べてみます?」

「ここは菅公の終焉の地よ。

 『東風(こち)吹かば匂い起こせよ梅の花 主なしと春ぞ忘るな』って有名な句があるの。

 だからここでは梅は菅公に(ちな)んだ重要なキーワードなの。

 でも梅が枝餅かぁ・・・番頭サンも食べませんか?」


 一生懸命気を引こうとしてる河間くんにスルーする雪子ちゃん・・・薄情サキュバスって呼んじゃうぞ?

 河間くんも雪子ちゃんの正体がサキュバスだってわかっててもアタックを続けるとか相当本気なんだろうね。でも雪子ちゃんは僕のトコの眷属になっちゃったから成就するかは僕の胸先三寸なんだよね。

 因みにダイエット中ですから甘いものは厳禁です。代謝が落ちてるからあと1キロが落ちないんだよなぁ。


「アンジェとジュリアに何を土産に持って行ったらいいんだろ」

「確かここは学問の神様だったとか・・・お守りでも買って行ってください」


 家族第一主義の宇宙人(伊達)に適当に答える千里眼()。そこの子は小学校低学年だったと思うから喜ぶかどうか。僕だったら杖になりそうなでっかい鉛筆なんかがおすすめかな?・・・今もあるのかな?


【ホンちゃん、宇佐が近いからゆうて調子に乗っとんや無いで!

 ワテのトコかて大きいトコやったら祐徳(佐賀県鹿島市)、いやこの街にも天開稲荷大明神ゆうんがあるやないの。

 タケ坊んトコでも長崎のくんちしよる諏訪神社が有名やないの】


【ここの近所にある八幡神社は祭事の折には天満宮より神職が出張るとの事、宇佐が近いとはいえ調子に乗るのもいかがなものかと】


 日本の神社って下手なコンビニより数があるからなぁ・・・ウーちゃんも対抗したいんならなんで依頼だけかけて向こうで見送りしてたのさ。しれっとついてきてるけどさ。

 それにお諏訪様が八幡様にライバル心を燃やしてるみたいで・・・ねぇ。


 後ろからトボトボついてくるのは足利の坊さんとモブ1号、2号。それからおまけで入社した苑市、瀬神人、山伴、藤堂、静内。体力ないぞ、帰ったら体力作りから始めないとダメかな。


 お絹とポチ、ポンのすけ親子は毘沙門天の湯で留守番と言うか温泉が流行ってて抜けられないらしい。あんな山奥なのにねぇ。


 慰安旅行のノリでやってきた九州で何が起きるのか。ただの旅行じゃ済まないだろうな。

いつの間にやら眷属に収まっていた雪子ちゃん


その辺の話を書く気が有るのか無いのか・・・それは秘密です


何はともあれ菅原道真さんの依頼は何なんでしょね


ではまた来週・・・に出せるように頑張ります

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