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狸なおじさんと霊的な事情  作者: BANG☆
閑話 その12

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閑話 新しい会社

新規採用編の最後という事で改めて組織の再構築をやってみました


ただそれだけの話です


では本日もよろしくお願いします

【えーっ・・・本日はお日柄もよく?

 旦那さま、これからどう言えばよろしいので御座いましょうか?】


 身内だけとは言え、人前が苦手な葛葉嬢が僕にヘルプを求めている。


「僕も得意な方ではないんですけどねぇ・・・代わりましょうか?」


 喜んでマイクを渡すんじゃないよ、この新米神様は・・・


「では仕切り直しで・・・今日は新生チームシリウスというか、有限会社シリウスが新たな仲間を迎えての新たな旅立ちの日です。

 新しい部署もできました。新しい仲間も増えました。

 僕たちの使命は、この世から霊障を減らし、人の世に(あだ)なす妖怪を退治し、悪神を鎮撫する事です。(間違っても悪神を討伐するなんて言わない)

 それは大変な努力と労力と研鑽の末に成し遂げられる事でしょう。

 でもここにいるみんなはそれを乗り越えられる人たちだと僕は、いや僕たちは信じています。

 新しい世界への(いしずえ)を築くのが僕たちの仕事です。

 みんなで力を合わせて頑張りぬきましょう」


 そこに(つど)う全員から大きな拍手が巻き起こる。色々言わなきゃいけない事もまだあるかも知れないけどこれ以上のスピーチは僕には無理だ。


 無理無駄無茶はみっともないんです!


「それじゃ、改めて有限会社シリウスの人事を発表したいと思いますがよろしいですか・・・よろしいかって言ってるだろうが静かにしやがれそこの禿とジジィ!」


 おぉ!さすが神戸でもヤクザ相手にブイブイ言わせていたちんちくりん(宇佐木)の一喝で浮かれて騒いでた日輪道場関係と穢れ無き世界関係の連中が直立不動になったよ。


「うちのトップはそこの一言二言で舞い上がった陰陽師姿の“アウトレンジの舞姫”こと狐づ・・えっ?もう面倒くさいお嬢だわ。えーと舞姫こと狸小路葛葉ですね?あっ一応社長です。CEOとかなんとか面倒くさいんでうちの役職には漢字の奴しかありませんからね。


 次に色々くっちゃべっていたのがうちの影が薄いって言われてるけど影の支配者の“神転がしの達人”・・・へっ?おじさまったらその辺に転がってる神様に気ぃ遣わへんでもええんとちゃいます?えーと“猛獣使い”・・まだなんかあるんですか?ええやないですか、眷属の子らかてあたしらかて普通の奴らの手に負えへん事ぐらい自覚有るんですから・・・めんどくさっ!“シリウスの番頭”さんです。本名はどうせ言ってもみんなの頭には残らへんでしょうから割愛させて頂きます。・・・あぁ専務です。いやなら会長て呼ばせて貰います。


 そいからいつも厨房から睨み利かしてはるんが“シリウスの落ち武者”をこの二人と討伐した“ソッコーの美少女”こと大上薫ちゃん・・えっ?はたち過ぎたから美少女は止めてくれ?じゃ“蹂躙する拳王”ですね。取締役の事業部長です。事業部言うんは喫茶シリウスと毘沙門台の湯の事ですんでよろしく」


「すまんが座らせては貰えんかのう。年寄りには長い間立たされるのは叶わんのじゃが」


「ジジイ、アンタら年寄りはスピーチさせりゃ貧血で子供が倒れても辞めねぇくせに自分の時はわがまま言ってもいいって思ってんのかよ・・・おじ、専務がいいって言ってらっしゃるからキツイ奴らは着席しても構わないよ・・・食いつめて餓死寸前で辿り着いたような連中になんて優しいんだろうね、専務は。舐められたら最期だっていつも言ってんのにさ」


 どうやらちんちくりん(宇佐木)はテンションが上がり過ぎているみたいだな・・・どうにかしないと。


若年寄(宇佐木)さぁ、ごちゃごちゃやってないでさっさとやってくんない?

 何なら自己紹介にする?》


「・・・そうね、創立メンバーさえ終われば後はそれでもいいわね。

 じゃあ、あたしから。

 経理と人事の部長をしている宇佐木チカだ。元“同盟”出身で同じ同盟出身の根津と組んで仕事をしている事が多いんでよろしく」


 自分の事はやれ“シリウスの裏番”だ“ロリ悪魔”だ“舌先の魔女”だって二つ名で紹介しないんだねちんちくりん(宇佐木)さん?


「次、俺ですか?

 営業部主任の根津です。元同盟で怨調を経てシリウスに来ています。主任、じゃないや宇佐木部長と組んでの仕事や渉外、予備調査なんかをやってます」


《ハーイ、ウチは管理部長(並)でターさん♡の眷属の猫又の“アンジェ”よ。

 真名はターさん♡から貰ったものだからアンタらには教えない。猫の王であるウチに内緒ごととかできないんだから覚悟する事ね♡》


《我が君の第2の眷属にして警備部長(並)の人魚の“海坊主”であります。

 姉様、いやアンジェ殿程優秀では無いでありますが船幽霊を配下に持つ身であります。

 7百年ほどの経験があるでありますからそれなりの結界を張る事が出来るであります・・・後は実戦でお見せできる事があるやも知れないでありますな》


《えーと、おと-さんのけんぞくでおとーさんのひしょをやってる“ぴーちゃん”だよ。

 うんとね、ハルピュイアなの。いろいろできるけどおと-さんがいいっていったらみせてあげるね》


 おっかなびっくりのモブ2号(根津)のあいさつの後に僕の眷属たちアンジェ、ディーテ、ピュアがあいさつする。真名縛りを警戒しての愛称でのあいさつだったけどそこまでの実力者は今の人間の中にいるのかどうか。


 続いて子狸2匹を抱えた和装の女性が一歩前に出る。


《この姿じゃお初にお見えになる方がほとんどだと思うだどもワタスの名は“おキヌ”、そしてこの子たちはワタスの子のポチとポンのすけだ。

 ワタスは第2事業部毘沙門台の湯の女将(おかみ)をさせて貰ってるだ》


「あそこは狸が仕切ってったんだよな・・・えっ?アンタの子?」


《んだ。やっとこさワタスも化け狸になれたで神様(おっさん)にお(ねげ)ぇして新しく眷属にして貰っただ。

 んだども、ワタスには人に化けるぐれぇしか芸がねぇから荒事は出来ねぇんでわかってけろ》


 (ちな)みにポチとポンのすけは、念話はもう出来るから化けるのも時間の問題らしいって事でとりあえずはマスコット枠だよね。


 次は新社員組だ。


「歳の順でわしからやらせて貰うかのう。

 益岡広之進、73じゃ。名古屋のはずれでちんけな除霊屋を経営しとったが力の貰い先を誤ってつい先日までホームレスをやっとった。

 海坊主殿がここの社長と専務の力を借りて悪霊を祓うのを目の前にして自分がいかに無能だったかを思い知った。

 何分にもジジイではあるが一から修行するつもりで頑張る所存じゃ」


「日輪道場と言う野良を営んでいた足利義葦 歳は40を過ぎているのでみんなやりづらい事もあるだろうが気にせずビシバシ鍛えてくれ。

 益岡翁は神道系、ボクは修験道上がりの新興宗教系という事になる。もっともここで八百万の神々と接する機会が増えちまったから自分トコの看板は恥ずかしくて降ろしちまった。

 何はともあれ一人前になれるように頑張るからヨロシク!」


「・・・元世界救世教会司祭のイです。昔の名前で言うなら“千里眼”なんて呼ばれていました。

 もう霊能は無いので経理の方で頑張っていきたいと思います」


「え?アンジェとジュリアが待ってるから帰っちゃダメなの?

 同盟発教会経由シリウス行きのレールを走らされてる伊達ナオトです。子供たちが待ってるから早く終わってください」


「宇佐木主任(今じゃ部長の間違い)根津くん(今じゃセンパイだから)伊達主任(こいつも平だから)に続いて4人目の同盟出身者になります井上です。

 ここに来る前は繋ぐ会の方で運転手をやってました。肉壁専門になるかと思いますがよろしくお願いします」


「俺が先っすか?

 えっと、元野良のチームシルクっていうパチモンの霊能屋にいてついこないだシャバに戻ってこれました河間ヒロっす。22っす。

 こんな俺でも拾ってくれたオヤっさん(おっさん)姐さん(葛葉嬢)には感謝するしかないっす!

 ビリョウ(微力の間違い)だと思うっすけど力の限り頑張るっす!」


「警察を円満退職した烏丸雪子です。

 今まで隠していましたが実はヒトではありません。サキュバスです。

 それさえ見抜きながらも入れてくださった番頭サンや玉藻の前様のご期待に沿えるように一生懸命にやりますのでご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします」


「益岡総長のおかげで芋づる式に入れて貰えた苑市です」

「同じく元穢れ無き世界の瀬神人(せかんど)です」

「同じく山伴です」


「日輪道場の副長を務めていた藤堂です」

「静内です」

「「「「「よろしくお願いします」」」」」


 益岡老人と足利さんは一人じゃ無理だろうからそれぞれの身内をピックアップして貰って採用する事にした。


 益岡組はアンジェと組み、足利組はモブ2号(根津)と組む。

 宇宙人(伊達)モブ1号(井上)はディーテにお任せで、千里眼はお絹と毘沙門天の湯へ。

 河間はカオルン少年(大上)の元で遊撃部隊、烏丸ちゃんは葛葉嬢の眼となって頑張って貰うとしよう。


 えっ?僕?僕はウーちゃんたちの接待で忙しくて何も出来ないんだよ。

雪子ちゃんはサキュバスでした


ただ純血のサキュバスでは無いという事も言っておきます


それからこの組織は研修期間だからという事で実際の配備はまた変更するつもりは大です


それにしてもストックがあっという間になくなる恐ろしい期間ですね(自分で勝手に始めた事は忘れている)


あと1話で通常営業に戻れるぞ!


それでは最後の推敲をしながらまた明日

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