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076 アンドロマリウスの暗躍

~アンドロマリウス視点~


私はウィネ、バティン、クロケル、ゼパル、そしてサクスを連れて旅立った。

行く先は聖王国。移動方法はバティンの短距離瞬間移動。連続使用で高速移動だ。


「おい、愚物の居場所は判ってるのか?」

「全員把握しています。その場に短距離瞬間移動して1人づつ確保しましょう」

「どこに集める?」

「逃げ場の無い森の中が良いでしょう」

「逃げ出せばモンスターに殺されるってか? 主が怒るんじゃね?」

「我々が去った後に死のうが関知しませんよ。主様に報告する時には生きているのですから、問題ありません」

「まぁな。と言うか国ごと死ね、と思うが、主が反対してるならしょうがねぇ」


バティンも殲滅したい様子。

どうやらそれはゼパルも同様で。


「国境に軍団を呼んで並べるのはどうだ?

 こっちはただ並べただけ。なのにそこに攻撃してきたから反撃したって事でさ。

 それで国が滅びてもしょうがないじゃん?」

「主様にバレた場合、貴方だけ怒られて下さいよ? 私は止めました」

「おいおい、それはズルいだろぅ。そうだ、制御が効かなくなったってのは?」

「それでも構いませんが、制御出来ない軍団を持つ者を、次に主様が呼んでくれるでしょうか?」

「……無し無し! 二度と呼ばれなくなる気がするわ!」


クロケルは?


「私はこの姿ですので、空から降りれば誰もが言う事を聞くようになる気がします」

「で?」

「そこで幻聴を発生させ改心するまで1ヶ月でも続けます」

「どれくらいの規模で?」

「レベルMAXで」

「お前の幻聴のレベルMAXって、発狂するだろ」

「でも死にません」

「一国全員が発狂って、絶対に主に怒られるぞ」

「……難しいですねぇ」


そうなのです。

なかなかの難しいミッションなのですよ。


「ま、今回はアンドロマリウスの作戦で行くか」

「主に怒られたくないからな」

「ですね」

「ありがとうございます」

「お前ら! 俺にも聞けよ!!」

「「「鳩は黙れ」」」

「うるせぇ! お前ら全員人の形だからって偉そうに!」


サクスはここでもイジられキャラですねぇ。




近くの森に到着しました。

作戦開始です。


「じゃあ、ちょっくら行ってくる」


バティンが集めに向かいました。

我々は準備をしましょう。

と言っても、近くの木々を切り倒してスペースを確保するだけですが。



程なく関係者11人が集まりました。

すぐにサクスが全員の視覚を奪います。


「ここはどこだ?!」

「何も見えない!!」

「どうなっている?!」


サクスが恫喝します。


「貴様ら、うるさい。黙れ。静かにせねば、視力は死ぬまで戻らないとしれ」


見えてないので、鳩と判りません。2mの高さで喋っているので、大男が言っているように聞こえるでしょうね。

すぐに全員が黙りました。


「全員、聞け。貴様らは我々の主を害そうとした。よってここで罰を与える。

 ああ、言い訳などしなくとも良い。全てを把握している。

 ま、万が一本当に関係無い人物だったとしても、同様に罰を与えるがね。害を与えようとした者を恨むが良いさ」

「きょ、教皇に指示されたのです!!」

「そ、そうです! 逆らえないのです!!」

「き、きさまら!!」

「死んででも反抗すべきでしたね。死んだ方がマシな罰を与えますから」

「そ、そんな……」

「い、いやだ!!」

「ゆ、許してくれ! 国のため、そう、国の為にやったのだ! 今は間違いだったと心から思っている! だから!」

「国の為、自分の欲の為、出世の為、命令の為。そんな事は関係ありません。

 反省? 罰を受けてから、死ぬまでゆっくりと反省しなさい」


愚かな。


「全員片目の視覚だけ奪います。残った目の視力は10分の1に。

 それから常に死者からの怨嗟の声を聞こえるようにします。

 そうそう、教皇は作戦のトップだったので、味覚を追加で奪います。サクス、クロケル」

「「おう」」


すぐに実行します。

片目は見えるようになりましたが、幻聴で怯えているようですね。


「最後に。愚かな事をした国を罰します。

 この国に仕える貴族と王族、ああ、この国は呼び方が違いましたね。

 法王、枢機卿、教皇、司教、司祭の地位に居る者を対象とします。

 これらの者と、その子供や孫、男女問わずこれらの生殖能力を無くします。

 子孫が残せないだけで、性行為は出来ます。好きなだけ遊べますよ。おっと、これでは褒美ですね。ははは」


教皇が青白い顔になりました。

自分の行いで、王族の子孫が何代か後でいなくなる事実に気づいたのでしょう。


「そ、それだけは許してくれ!!」

「無理です。ゼパル」

「任せろ」

「あああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ」

「うるさいですよ。騒ぐようなら声も奪いましょうか?」


そう言うと、全員が項垂れて静かになりました。

そんな能力は無いですけどね。


「二度と我々の主に手を出さないように。

 出せば今よりも酷い罰が待っていますよ。それこそ国が消滅するほどの。

 ふふ、そんなに落ち込まなくても。主の機嫌が良くなれば、回復するかもしれませんし。

 おっと、だからと言って接触を試みないように。バレないように他人を雇っても判りますからね?」

「……そ、それはいつになりますか?」


確かこの者は司祭でしたかね?

逆らえないと言っていた者だったような気がします。


「そうですねぇ……2~3年後じゃないですか?」

「そ、そんなに先…………」

「言い忘れていましたが、自殺は許しません。死んで楽になろうなど!

 その場合は連帯責任という事で、法王の五感を頂きましょう」


面倒なので奪いになんか来ませんけどね。

怯えて暮らすが良い、愚か者どもめ。


我々は愚か者を放置して主様の元に帰りました。

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