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073 サクス

言われるままにサクスを召喚した。


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サクス(双児宮)

 姿:鳩

 能力:視覚・聴覚・嗅覚等の五感を奪う(与える事も出来る。奪った物は100年後には返却される)


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……呼んでおいてアレだけど、これ、絶対に拷問する気だろ!

俺自身の安全の方が大事だから、止めないけど。


現れたのは普通の鳩。公園に居そうなヤツ。

今にもクルッポーと鳴きそう。


「ああっ! マイロード! そのような目で見ないで!

 判ってます! 私が悪魔らしくない事は! ええ、豆でも食ってろと思われてるのでしょう!!」

「い、いや、そんな事思ってないぞ?」

「いえいえ、言われなくとも判ってますとも!

 目の下の膨らみってなんだよ、気持ち悪い!とか思われてますよね! すみません!!」

「思ってない、思ってないから!!」


面倒くさいキャラだな!

自虐と言うか、自己否定と言うか。


「なんと優しい……マイロード、死力を尽くします!!

 ささ、誰の五感を奪いますか?! この街の人間全てですか?!

 何なら、海の中に居る動物の五感も可能ですよ!!」

「そこまでしなくて良いから!! えっと、アンドロマリウスに従って欲しいかな……」

「そ、そうですか? はっ! 私はまた暴走してマイロードに迷惑を?!」

「違うよ?! 違うからね?! 信用してるから!! 頑張ってね!!」

「マイロード…………。はい! 頑張ります!!」


面倒!! すごく面倒!!


「始めましょうか」

「おう! いつでも良いぜ!!」


サクスはアンドロマリウスの肩に飛び乗った。

執事の肩に鳩。う~ん、シュールな絵だ。


アンドロマリウスが家令と言われた者の背中を蹴る。

それだけで、家令は目を覚ました。


「う~ん……。ここ……は……どこだ?」

「貴方の企みは全て知っています」

「誰だ?! うん? 何故私は拘束されているのだ?!」

「黙りなさい。私の言う事を守らないのなら、貴方の五感を一つづつ奪います」

「五感を奪う?! 何を言っている!!」

「体感しないと判らないようですね。サクス、お願いします」


次の瞬間、サクスの目が赤く光る。


「貴方の触覚を奪いました」

「触覚? んん?! 何だ?! 今私は寝ているのか?! 感覚が無い!! 宙に浮いているのか?!」

「落ち着き静かになれば、返してあげましょう」

「クソ! ふざけるな!!」


そのまましばらくは暴れていたが、感覚が戻らない事に気づいたらしく静かになった。

しかし触覚が無くなるって、良く考えたら恐怖しか無い。

だって、触れてるか判らないんだろ?

座ってれば、尻や背中に圧を感じるから座っていると判る。

その感覚が無いって怖すぎるだろ。


「ふむ。やっと静かになりましたね。

 ではこちらから貴方に質問します。それに正直に答えてください。

 ウソを言う、黙る、等をすれば、五感を一つづつ奪います。素直に答えれば五感は一つづつ返します。

 それだけです。判りましたね? 判ったのなら頷きなさい」


家令はロックのライブかってくらい首を縦に振った。

顔色はさっきまでは怒りからか赤かったのに、今は青を通り越して白い。


「では最初の質問です。

 貴方は聖王国のスパイですね?」

「………………」

「答えないので、五感を奪います。そうですね、最初は優しく味覚を奪いましょうか」


それ、優しいか?

まぁ、今は飲食出来ないから、必要無いと言えば必要無いけども。


「あるじぃ。味覚から取るのは優しいからじゃないよ?」

「……フォルネウス、どうしてそう言うのかな?」

「顔に出てるってば!」

「マジか……。で、優しくないって何で?」

「今必要無いかどうかは関係無いの。沢山取っておけば、素直に答えても全部帰って来ないでしょ?」


……そういう事か!

質問が全部で3問だとして、最初に4つ奪えば、残り全て素直に答えても1つは返却されない事になる。

さすが、悪魔!


「貴方は聖王国のスパイですね?」

「……違う」

「そうですか。では次は……聴覚を……と思ったのですが、質問が聞こえなくなっては困りますね。

 嗅覚にしましょうか」

「止めろ! 止めてくれ!!」

「素直に答えれば良いのですよ」

「こ、これは拷問だ!! 国際法に反している!!」

「国際法? この世界での国際法に書かれている拷問とは『自由を奪った状態で肉体的に痛めつけ強要する事』です。

 良く見なさい。既に拘束はされていません。自由ですよ?

 それに肉体は一切痛めつけていませんよ?」


さっき触覚を奪った時に、開放してたんだよね。

触覚が無かったから気づかなかったのだろうな。


しかし、よくこの世界の国際法なんか知ってたなぁ。

って言うか、国際法が制定されてる事が驚きだわ。


でも折角制定されてるけど、まさか五感を自由に出来るとは誰も想像してないから、抜け道だらけだ。

そんなヤツが居ると誰も想像出来ないけどな。

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