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071 デカラビア

デカラビア。星座は宝瓶宮。

姿はヒトデで、能力は鳥や水や宝石を呼び寄せる。


うん、間違いない。

こいつがこの街の変異の原因だ。


さて、問題は、だ。

登録したら呼び寄せた水がどうなるか、なんだよな~。


やっぱ悪魔に聞こう。

困った時のアンドロマリウスだ。

連れて歩けるし、なによりも伯爵クラスなので召喚可能時間が24時間ってのが良い!



すぐにアンドロマリウスを召喚したが、現れない……。

どうしたのだろうか?

使用可能期間はちゃんと過ぎているはずなんだけど。


「お、お待たせして、申し訳ございませんでした」

「すぐに出て来なかったけど、もしかして寝てた?」


もし寝てたのなら申し訳ない。

寝てるとか風呂に入ってるとかの情報がカードに表示されれば便利なのにな。


「本日はインベントリ担当でしたので、交代して参りました」

「あっ、それ、前に聞いたわ。悪魔が出し入れしてくれてるんだってね。

 交代って誰になったの?」

「はい。ビフロンスでございます」


ビフロンスね。

げっ! カードを見てみたら、姿が前後両方に顔のある生首って書いてある悪魔じゃないか!

ん? 手とか無い悪魔だぞ?


「ビフロンスは、手とか無いんじゃないの? どうやって出し入れするの?」

「かの者は死体を動かす事が出来ます。死体を召喚し使役する事で可能です」


うん、ちょっとイヤかな。

ビフロンスが担当の時は、悪いけど取り出す事をしないようにしよう。

空気が無いから腐敗する事は無いんだろうけど、なんか気分的にイヤ。


「ところで、当番の時に呼んで悪かったけど、代わりって準備してるの?」

「いえ。当番の者が召喚された場合、その場に居る悪魔全員でじゃんけんし、勝者が当番になれます」

「じゃんけん?!」

「はい。誰もが役に立ちたいと当番になりたがるので。

 勝者を決めている間は、インベントリが使用出来ないかもしれませんので、呼び出される時に持ってくるように念じて頂けると幸いです」


役に立ちたいって……。十分なんだけどなぁ。

どこかの領域守護者じゃないんだからさ、無理はいけないよ?


一つだけ疑問に思った事がある。

フォルネウスなんかはどうやってじゃんけんするのだろう?

ビフロンスは死体を利用するんだろうが、もし違うならどうやって?

顔芸みたいに顔の筋肉だけでグーチョキパーを表すのか?

……聞くとイヤ~な気分になりそうだ。黙っておこう。


「今回のお呼びの件は、そのデカラビアの事でしょうか?」

「うん、そうなんだよ」

「その前に一つ。勝手に行動する事をお許し下さい」

「ん? 行動する?」

「はい。誓って主様に迷惑になるような事は致しませんので」

「う、うん。良いけど。でも解説して欲しくて呼んだんだけどなぁ」

「それほど時間は掛かりません。5分ほどでございます」

「……それなら良いか」

「ありがとうございます」


返事をするとアンドロマリウスは消えるように走り去っていった。

何の用事だろうか?

美味そうな屋台でも見つけて買いに行ったとか? って、そんなわきゃないか。




フォルネウスと話していると、アンドロマリウスが戻ってきた。

気絶した知らないオッサンを二人小脇に抱えて。

ゆ、誘拐ですか?!


二人をザックさんの前に投げ下ろすと、次に領主の後ろに居る衛兵の一人に走り寄り、クビの後ろをトンとして意識を刈った。

うわぉ! 初めて見たぜ! 本当に、出来るんだな、首トン!

その衛兵の胸ぐらを持つと、こいつもザックさんの足元に放り投げた。


「ななな、何事ですか?!」


領主さんが戸惑っている。どうやら衛兵以外の人も知り合いっぽい。

他の衛兵は腰に下げている剣に手を掛けて、アンドロマリウスを見ている。一触即発な感じ。


俺は……ヤバくなったら海に飛び込み、フォルネウスに連れ去ってもらおうと決めた。

そんな事を考えていると、アンドロマリウスがこちらに礼をした。


「主様に危害を加えるような悪事を練っていた者達を捉えてまいりました」


どうやらアンドロマリウスの能力『裏取引や企みを看破』が発動したようだ。

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