表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/187

066 ケルン到着

王太子の胃腸も治った翌日。

やっと移動を再開して、昼前に港町ケルンに到着した。


「おお~、ここがケルンか~」


聞けば城壁みたいなのは三方だけで、海側には無いらしい。

海からの襲来には、海の中に沈めてある尖った石が威力を発揮するそうだ。

船で近づいた場合、地元民じゃないと分からない航路を通らないと座礁するんだって。

もしその航路を知っていても、同時に沢山の船が通過出来ないから、撃退が容易になる仕組み。

ちなみに、尖っているのは魔物用の対策らしい。


王太子の力であっけなく検問を通ると、港町らしい匂いがした。

潮の匂いと言うのかな?

それと共に海産物を焼く匂いも。腹減ったなぁ。


「何か食うか?」

「いや……今は海産物は見たくない」

「グランは辛そうだねぇ。じゃあ宿を取ってきてくれよ。

 集合場所は……そこの噴水でいいか?」

「了解した」

「って一人で大丈夫か?」


よく考えたら王太子を一人で行動させるって問題だよな?


「大丈夫だ。子供扱いするな」

「いや、そういう意味じゃなくてな?」

「冗談だ。大丈夫だよ。こういう街中で襲ってくるヤツはいない。

 それにぶっちゃけ、隠れて護衛してるヤツが居るから、一人じゃないしな」

「えっ?!」


そうなの?! そんなの居るのかよ!

忍者? 隠密? 盗賊と書いてシーフ?


「じゃ、行ってくる」


あっ、聞く前に行ってしまった。

まぁ良いか。いつでも聞く事は出来るだろう。

それよりも安全って判ったからいい。


「じゃあ俺達は、飯にするか。何食う? どこで食う?」

「屋台のが食べたいな」

「じゃあそれで」

「え~と、あまり行儀の良い事ではありませんが……」

「ザック! 今はただの冒険者なの! 行儀が悪いとか無いの!」

「……はい」


アイザックさんも大変だね。

止めない俺も悪いかもしれないが。

いいじゃないか、食いたいんだよ。

そこの屋台なんか、イカ焼きっぽいのを売ってるんだぞ?

ほら、俺に食ってくれって主張してるぜ?!

うん、買おう。よし、買おう。



食い終わって、集合場所の噴水に行く。

既に王太子は来ていて、お爺さんと会話してた。


「何話してたんだ?」

「この噴水の事だ。ほらキレイだろ? 新しいのかと思って地元の人に聞いてみたんだ」

「結果は?」

「最近出来たものだそうだ。海水しか出ない場所なのに不思議だと言っていたな」

「ふ~ん。やっぱり怪しいかな?」

「怪しいと思うな」


そうなのか。

じゃあ悪魔を呼んで、聞いてみないとね。

同族が近くにいるなら気づくだろう。


「じゃあ、早速宿に戻って呼ぶか」

「いや待て。その前に冒険者ギルドに行くぞ」

「えっ? 何しに?」

「前にも言っただろ。資金調達と、到着した事を知らせる為だ」


あ~、そう言えばそうだったね。


「その後、ここの領主の館に行く」

「へ? それは聞いて無いぞ? 何でだ?」

「隣町に王太子が来てた。しかも街の検問をあっさりと通過しただろ?

 誰がどう考えても、今この街に王太子が居るって判るだろうが。

 だから挨拶に行くんだよ」

「へ~、そうなのか。大変だな」

「他人事のように言ってるが、全員で行くんだからな?」

「はぁ?! 俺もか?! 王太子と姫様と護衛の近衛兵で良いじゃないか!」

「アホか。それよりも地位の高い“聖人様”が行かなくてどうする!

 それに顔を売っておいた方が、何かするにも都合が良い。諦めろ」


え~、面倒くさいなぁ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ