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064 アロケスとソロモン神殿

デカくありませんように、と祈りつつアロケスを召喚する。


出てきたのは1人のみ。

全身フルプレートの鎧を着た、顔が獅子の男性(多分)。馬は?


「馬に乗ってない?」

「リョー様より狭いとの思念を頂きまして、置いて来ました。アロケスです」


便利だな、思念。

考えてる事が届くのは、怖い部分もあるけど。

アホな事やエロい事はなるべく考えないようにしよう。


「それで、質問なんだけど」

「はい、思念で既に了解しております。インベントリの事ですね」

「違うよ?」

「ええっ?!」

「何でフルプレートを着ているのに、頭だけ出してるの?って疑問」


登場した時から気になってたんだ。

インベントリの事も聞きたいけど、そっちが先でお願いします。


「……実はですね。この鎧はまだ作成中でして」

「作成中?」

「はい。まだ頭部しか完成していないのです」

「えっと……もう少し詳しく説明してくれる?」

「はい。鎧に獅子をあしらって、全身獅子みたいにしたいのです!

 しかしまだ材料が集まらず、頭部しか完成していないのです。

 リョー様、素材がありそうな場所に行った時は、是非ともお呼びください!!」

「あ~、うん、わかった、覚えておく」

「ありがたき幸せ!」


全身獅子にしたいのか。

理由を聞きたいけど、ちょっと怖い。

だって『聞いても良いんですよ?』というオーラが凄い。

なので聞かずに『獅子が好き、憧れ』とか『コスプレです』という理由だと勝手に解釈しておこう。


「じゃあ、その獅子の顔が取れるんだね?」

「はい。脱げますよ」

「じゃあ脱いでみて?」

「はい」

「あっ! もう良いや! 被ってて!」

「? は、はい」


ヘルメットを脱ぐように獅子の顔を外したけど、中は人の顔じゃなかった。

ぶっちゃけ骸骨。それが黒い霧のような物をまとっていた。

めっちゃ怖いです。獅子の顔でお願いします。


「インベントリの事なんだけどさ」

「リョー様、なんですか。その急な話題転換は。私の顔に何か付いていましたか?」

「いやいや、早く説明を聞きたいな~と思って!」

「そうですか?」


骸骨の顔、怖い! なんて言える訳無いでしょ。


「では、インベントリの説明を。まず、闘技場を想像してください」


闘技場と言うと、あのコロッセオみたいな円形のやつか。


「その壁に、全悪魔用の扉があり、その中には部屋があるんです。

 我々はこの空間を、ソロモン神殿と呼んでいます。

 神が作った空間なので、我々以外では神しか立ち入る事は出来ません」


あの神様、わざわざ空間まで作ったのかよ。


「ソロモン神殿ですが、3つほど悪魔の部屋では無い扉が存在します。

 その内の2つが風呂場になっています。男湯と女湯ですね」


風呂まで完備なのか。

あれっ? トイレは?

悪魔はトイレに行かないのかな?


「そして残った扉。こちらがインベントリになっています。

 リョー様の仕舞われた物は、全てこの部屋に収納されています」

「大きさはどれくらい? まだ入るのか?」

「全然余裕がございます。それに誰も使っていない空間なので、いくらでも拡張可能になっているそうです」

「って事は……」

「はい。無制限です。多分ですが、この星をそのまま収納しても大丈夫かと」


星を収納って……。生き物は入れられないから滅亡じゃないか。

インベントリで全世界が滅ぼせるとは……。


「入れた物が分別されるのはどうなってるんだ?」

「それはですね、我々悪魔がその部屋の管理を任されているからです」

「はい? どういう事?」

「当番制になっていまして、当番の物はインベントリに24時間詰めております。

 入れられた物は『納入プレート』の上に現れます。それを当番の物が分類して棚にしまいます。

 出される場合はリクエストは思念により届くので、それを準備し『搬出プレート』に載せる事でリョー様の元に届きます」


つまり、出し入れは悪魔の皆さんの手作業と……。

今度からちゃんと分別して収納しようかな。


「質問しても良いだろうか?」

「はい、どうぞ」


王太子から質問がきた。

それに対し、普通に返すアロケス。

やっぱ悪魔にも人格があるんだね。俺以外は雑なのやアロケスみたいに普通に接する者も居る。


「その、搬出プレートだったか? それに乗って悪魔はこっちの世界に来られないのだろうか?」


おおっ! 凄い発見!

そうすれば、召喚時間とか気にしなくて良いもんな。

こういう抜け道を考えて実行するのが正しいラノベってもんだ(?)


「それは出来ません。

 我々には判らないのですが、どうやら途中に検査する物があるようで、そこで弾かれるようです。

 以前、塩を10g要求されたのですが、間違えて砂糖を載せたところ戻されました。

 慌てて塩を載せたところ、11gあったようで1gだけ返却されました。

 この事から途中に検査する物がある事が初めて判明しましたのです」


ちっ。やはり俺達でも思いつくような抜け道は潰されているか。

それにしても優秀な仕組みだね。g単位まで判別出来るとは。

それと、ゴメンね。10gとか面倒な要求して。悪魔がやってるって知らなかったんだよ。


「何か、ゴメンな……」

「リョー様が謝られる事はございません! 仕事を貰って、喜んでやっております!

 なにせ娯楽がリビングにしかありませんので、誰もがヒマをしているのです」


リビング? 娯楽? 何だろう? 興味ある。

活動報告書いてます。

良ければ読んでみてください。

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