表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/187

051 城の形と結界

道中は非常に暇である。

アイザックさんは御者をしているので忙しいが、俺達は乗ってるだけ。

しかもこの馬車、普通の馬車に見えたけど実は高性能だった。

現代の車並みのクッション性を備えていたのだ!


だが、現代の車のように音楽が流れる訳じゃなく。

DVDとかで動画が見られる訳も無く。

スマホや携帯式ゲーム機も無く。

やる事が全く無い。


結果、会話をするしか無い。

そこで俺は、疑問に思ってた事を色々と聞いてみる事にした。


「何でお城は平屋なの?」

「は? 2階建てだけど?」

「いや、そういう事じゃなく。なんて言ったら良いかなぁ……えっと、上に伸ばさないのか?」


そうなのだ。

日本で言えば二条城みたいな低いお城なんだよ。

異世界のお城と言えば、西洋風の城だろ?

もしくは東に向かった時に出てくる、日本風の城。


何でお城が低いのか。すごく気になったんだ。

周囲に堀はあったよ。ちゃんと水が入っていて、魚が泳いでた。


「あのな、ドラゴンとか、空飛ぶ魔物が居るのに高いのを作る必要が?」


うわ~、すごく納得。

対人間なら高くても良いけど、ドラゴンとか相手にするなら不利か。

ってか、ドラゴンとかからすれば、高い建物なんて目立って、目標にされるかも。


「後、結界魔法ってのがある。発動させてるのは魔法道具なんだけど、結界はそれを中心に円形で展開される。

 城の中心に魔法道具を置くとして、それの範囲内に建物を作るとする。

 当然建物は円形に近くなっていくだろ? そうすると、中心って判りやすくなるよな。

 どこにあるか子供でも判る。置いてある場所がバレるってのはマズいだろ?」


なるほど。中心の上空は一番高く建てる事が出来る。でもそれをするとその下にあるって言ってるのと同じ。

つまりわざと2階建てで終わらせておいて、どこが中心が判らないようになっているようだ。

考えられてるねぇ。


「その結界だが、空中・地中関係無く発動するものだ。

 防ぐのは魔法。呪いも魔法の一種だから防げるはずなんだがなぁ……」


悪魔の力は防げ無かった事を言ってるのか。

カードの悪魔は神の力なので。神の力に勝てる物を人間が作れるはずがない。

AI付きの兵器を開発しても、自軍を攻撃出来ないようにするでしょ?

それと同じで、神様も自分が作った人間に、神を超える力を開発出来るようにはしないだろ。


ちょっと別の疑問が出たので聞いてみよう。

まぁこれもラノベの知識だけど。


「使ってない空中とか地中とかまでは無駄じゃない? 部屋だけ覆うとか建物自体にかけるとか出来ないのか?

 それに何で物理攻撃は守らないの? 魔法で物を浮かせてぶつけてきたらどうするんだ?」

「その辺はファーの方が詳しい。ファーに聞いてくれ」

「そうなの?」

「はい、そうです。私の方が魔法は詳しいです」

「……何で敬語なの? 城に居た時は偉そうだったじゃん」

「あの頃の私は浅はかでした。今は反省しております。聖人様を相手に失礼な事は出来ません」


やっぱりシトリが何かしたな?


「いやいや、普通にしてて良いから。不敬とか思わないから。

 って言うか、姫様に敬語使わせておいて俺が普通に喋ってたら、俺の方が不敬になっちゃうから」

「で、でも……」

「気にしなくて良いから。もし、悪魔が何か言ってきたら、俺が怒っておくから」

「そ、そうですか?」


あっ、明らかにほっとした顔になった。

カマかけてみたけど、やっぱり悪魔が関係してたな。

今度シトリを呼び出して問い詰めてみよう。


「それで、質問の答えは?」

「あ、はい。

 範囲を限るのは大変な作業なの。それにその場合、発動時に障害物があったらそこは結界を張らなくなるのよ。

 判りやすく言えば、結界を張る時に筒状の物を挟めれば、そこを通って結界内に侵入出来るようになっちゃう。

 それを出来なくするには障害物を貫通する必要があるでしょ。

 ではその貫通する結界が発動した時、結界の所に立っていた人間はどうなるでしょう?

 多分、真っ二つになるわ。障害物扱いになっちゃうの。

 そもそも、物理を防ぐ結界を作ったら、誰も通れなくなるわ」


あっ、本当だ。

安全の為に発動したら、誰も入れなくなりました。うん、バカみたいだね。


「建物に掛ける事も出来るけど、構造が複雑になるほど使用魔力が大きくなるのよね。

 面が増える度に、必要な魔力が倍になるくらい。出入りする為のドアなんかあれば何倍になるのかしら?

 もしそれで城を全部を守れたとしても、窓や扉が開けていたら穴が空いてそこから攻撃可能になるわよ。

 なので魔法攻撃だけ防ぐ、円形が一番運用に向いているの」


途中から難しくなってきて理解が追いつかなくなった。

ま、まぁ、つまりは無理って事ね。


しかし、姫様は魔法が好きなんだって事がよく判る。

饒舌になったもん。


ついでに魔法についても聞いてみるかな。

子供に説明するような感じで回答して欲しいけど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ