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041 過去の出来事

俺とアンドロマリウスとシトリは、別室へとアイザックさんによって案内された。

そこは誰かの政務室らしく、机には沢山の書類みたいなものが置いてある。

手前に長椅子があり、それに3人共座らされた。

アイザックさんは、俺達の後ろに立っているみたいだ。


少し待つと、王様と王太子が一緒にやってきた。

その後ろにはさっきも居たオッサン。

宰相か軍師だろうと思って見てたら、自己紹介された。


「私はサラク・アジ・ボカド。この国の宰相の任に着いています」

「あっ、これは丁寧に。自分はリョウスケと言います」


名字も言うべきか悩んだが、ここは止めておいた。

ほら、よく貴族と勘違いされるって聞くじゃない?


「さて、先程の話だが……誰に聞いた?」

「誰? えっと、シトリ?」


王様が聞いてくるけど、そもそも何の話かも知らないんだが。

宝物庫がなんちゃらって言ってたけど。

何か欲しい宝物でもあるのかな?

やっぱり女性だし、光り物をご所望ですか?


「ではシトリ殿から話してもらおう。

 勿論、ここで話す事は極秘事項。“聖人様”も話さぬようお願いする」

「は、はい」


トップシークレットって。何を隠してるんですか?

BL本……じゃないよな。


「ではお話しましょう~。

 宝物庫には、悪魔のカードが1枚ありますよね~」

「えっ?! マジで?!」

「はい~」


驚きの内容だったわ!

そりゃトップシークレットだわ!!


「……やはりか。

 『ミスリルに閉じ込めた紙の入った箱』と言われた時、確信した。

 それを目当てでこの国に来たとな」

「……え~と」

「悪魔のカードの事を息子から手紙で聞いた時、予感はあったのだが。

 それを回収に来られたか」

「……あの~」

「しかし! あのカードが発見されたのは建国時!

 なにゆえ今まで放置されたのかね?」


俺を置いて王様は話していく。

勝手に想像して話を膨らませるのは止めて欲しいです。

俺は王太子に連れられて来ただけですよ?


しかし、そんな昔からカードがあったのか?

俺と一緒にこの世界に送られたのではなかったんだろうか?

それとも別のカードなのか?


その答えはシトリから齎された。


「あるじさまと同時にこの世界に送られたのですけどね~。

 神とこの世界の時間の流れは違います~。神は過去にも行けるんですよね~。

 なので過去から現在にかけて、色々な所にカードはあると思います~」

「なるほど、そうだったのか……」


なるほど、そうだったのか。王様、同意です。俺も知らなかったぜ。

って事は、カードを探す場合、現在何か起きている場所を探すだけじゃダメと。

過去にも何かあった場所も探さなきゃいけないと。


面倒だけど、ある意味探しやすいのか?

ネットの無い世界。情報がタイムリーに入ってくる事が無い。遠い場所の出来事なら尚の事。

でも過去の出来事なら、何かに記載されていても不思議じゃない。

それが他国の事でも年月が経っていれば判るかもしれない。

……調べるのが面倒だけど。


「しかし、何故知っている?

 全てのカードの在り処を知っているのか?」

「知ってませんよ~。同族の匂いがしただけです~」

「匂い?」

「はい~。気配とも言えますね~」

「し、しかしだな! 当時の聖職者が100人以上で封印したのだぞ?!」

「封印出来ていませんよ~。ダダ漏れです~」


王族と宰相さんが驚いている。

そりゃあねぇ。皆で頑張って封印しました!って思ってたら、全く出来てなかったなんて聞きたくないよね。


「で、では、何故治まったのだ?!」

「ただ単に飽きただけじゃないでしょうか~」


飽きた?!

そんな理由?!

ってか、当時何があったのさ。

その辺も説明して欲しいです。

俺だけ置いていかれてますけど。

いや、違う。王太子やアイザックさんもよく判ってないみたいだ。

なので、王太子が質問している。


「もしやそれは建国時の話ですか?」

「そうだ」

「あの大戦争の事ですか!!」


大戦争!!

大問題!!

何やった、悪魔!!


「アイザックも知っているだろう。あの各地から色々な種族や魔物、更には動物までもがこの地を攻めてきたのを」

「はい、勿論です。教科書にも載っている大戦争ですよね」

「そうだ。あれが悪魔のカードのせいだったとは……」


はい、説明的なセリフ、ありがとうございます!!

色々なモノが攻めてきたんですね。

めっちゃ大変でしたね。

俺のせいじゃないですよ?


「詳しくは、あるじさまに登録してもらい、本人から聞いた方がよろしいかと~」

「そ、そうだな。では、宝物庫から持って来させよう」


宝物庫には入れないのか。

何があるか見たかったけど、しょうがないね。

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