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038 アンドロマリウスとシトリ

「決めました。アンドロマリウスとシトリを呼ぼうと思います」

「うむ。頼む」


軽いな、王様!

「お茶どうですか?」「うん、飲もう」みたいに返事しないでください。


言っても無駄そうなので、諦めて召喚する。

まずはアンドロマリウスだ。


「再度お呼び頂き、ありがとうございます、主殿」

「久しぶり。って大蛇、どうした?!」

「周囲に人が多い為、警戒しているようです」


警戒か~。そりゃするよね。

でもね、元の大きさでアンドロマリウスの頭上にとぐろを巻き、シャーって言ってるのはどうかと思う。

巨大なターバンを巻いたみたいになってるぞ。


「重くないの? 大丈夫だから、降りておいで」

「重くはありません。ほら、主殿も仰っている。降りなさい」


大蛇はまた小さくなって降りてきた。

そのまま俺の胸ポケットへ。

何で俺? シャイじゃなかったの?


「主殿を守ろうとしております。無礼はお許しを」

「ああ、うん。いいよ。よろしくな。……名前は?」

「ありません」

「そ、そうか。え~と、アンドロマリウスの蛇だから、メスならマリってのはどうだろうか? オスならロマでどう?」

「メスですので、マリで宜しいかと」

「判った。じゃあマリ、よろしくな」

シャー


おっと、身内でのんきに会話してしまった。

だけど、近くに悪魔が居るってだけで安心している俺が居る。

バカみたいな考え方だけど。宗教家が聞いたら問答無用で殴ってきそうだ。


「チョット待ってて。シトリを呼ぶから」

「判りました」


回りが混乱しているので、ついでにシトリも呼んでしまおう。

質問は後で纏めてお願いします。


「お呼びでしょうか、あるじさま~」


豹の頭とグリフォンの翼を持つ女性が現れた。

身長はアンドロマリウスと同じくらいで、170cmくらいか?

翼は畳まれているがデカい。広げると3mくらいになりそうだな。

豹の頭はすごく違和感がある。

だってそれ以外はすごく官能的な女性なんだもん。外国人のモデルさんに豹のマスクを被らせたイメージ。


「始めまして、シトリ」

「よろしくです~」


そう言いながら俺の肩にしだれかかってくる。

背中と顔を見なければ、ナイスバディ(死語)の女性なんだよな~。

服装もマリリンモンローみたいだし。

緊張するじゃないか!


「どのようなご用件でしょうか~。目の前に居る2人のオジサマを相思相愛に~? ぐふふふ」


あっ、この悪魔。腐ってるな。精神が。

能力の「愛を燃え上がらせる、脱衣を促す」って、エロい方向だったのかよ!

しかも同性愛OKだと?!

俺はなんて危険な悪魔を呼び出してしまったんだ!



俺が苦悩してたら、固まっていた王様から声をかけられた。


「せ、“聖人様”。彼らが悪魔ですか……」

「え? あっ、はい。そうです。

 男性がアンドロマリウス、女性?がシトリです」

「アンドロマリウスと申します」

「シトリよ~」

「そ、そうですか……。会話も出来るのですな」


会話出来る事を驚いている。

後、人間っぽいから困惑しているみたいだ。

動物とか魔物みたいなのだと想像してたみたいだ。

まぁそういうのを呼んでも会話出来るんだけど。


蛇のマリは喋れないみたいだけど、意思疎通は出来る……と思う。

今も2人が軽く会釈したのを見て、一緒に頭を動かしたし。慣れると蛇もかわいいな。


「あっ、能力を見せるって事でしたね。

 どちらの能力を見せますか? ……いえ、ごめんなさい。シトリの能力は見せられません!

 アンドロマリウスの能力をお見せします」


危ない!

ここを同性愛の聖域にする所だった!


「え~? あるじさま~、私も披露したいですわ~」

「却下です!!」

「え~、残念~。まぁいいです~。気になる事もあるし~」

「気になる事?」

「はい~。そっちに集中するので、披露はアンドロマリウスに任せますね~」


なんだろう?

もしかしてこの中に誰か、誰かに恋愛をしている人が居るとでも言うのか?

俺は別に同性愛を嫌っている訳じゃないし、自由だと思う。

この国の法律や宗教が許しているならOKだと思う。

ただ、悪魔の能力を使って無理やりってのが許せないだけ。


「では主殿、私でよろしいでしょうか?」

「うん。そうだけど、ちょっと待ってね。おうさ、陛下。どうしましょうか?」


危ない。王様って言う所だった。

こういう所では陛下って言うみたいだし真似しておこう。


「……あ、ああ。頼む」


未だに混乱してるみたいだね。

能力を説明してから見せた方が良さそうだ。

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