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030 新しいカード

箱の中は水で満たされていた。

多分これが聖水なんだろう。

ちょっとアモンにかけてみたら、嫌がった。

効いてる!って思ったら、濡れるのがイヤなんだそうだ。犬か。


水の中にはカードが一枚。

出してみると水没してたのに濡れている様子が無い。

さすが神様が改造したカードなだけあるね。

フニャフニャになってたらどうしようかと思ったところだ。


さて、問題のカードだけど。

大公クラスじゃないですか。そりゃ強力だわ。


--------------------------------------------------------------------


シトリ(巨蟹宮)

 姿:豹の頭とグリフォンの翼を持つ人間(女)

 能力:愛を燃え上がらせる、脱衣を促す


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姿は、これまた要素足しまくりですね。

普通に女性の姿で良くない?

何だよ、豹の頭って。

後、グリフォンの翼とかさ。グリフォン自体を知らないから意味無いぞ。


そして能力。

はっきり言おう。

この能力、捜し物をするのに必要か?

特に脱衣。脱がしてどうするよ。

まぁ男としてはロマンのある能力だけどさ。


あれっ? 今更不思議に思ったんだけどさ。

能力が書いてあるじゃないですか。

なのに今回の奇病の事と繋げなかったのだろうか?


そんな事を考えていたら、アモンが俺の足をチョンチョンとしてきた。


「マスター、登録を」

「登録?」

「カードを指輪につけてください」


そうする事で、登録する事になるのか。

登録、つまり俺の所有物になるのね。


カードを指輪に触れさせる。

カードがわずかに発光したが、それ以外は何も変化が無かった。


「これで良いの?」

「はい。登録されました。いつでも使用可能です」

「そりゃ良かった。で、漏れてたっぽい能力はどうなった?」

「治まっております」


良かった。事態は収束出来たみたいだ。


「王太子、これで大丈夫みたいです」

「本当か?」

「はい。アモンもそう言ってます」

「アモン殿が言うなら、大丈夫だろう」


そう言いながらこちらに来る王太子。

俺の言葉だけではダメですか。そうですか。

自覚はあるが、こう露骨にされるとちょっぴり悲しくなるね。


「ちょっと質問ですけど、このカードに書かれているのが読めます?」

「ん? 見る、見るからカードを渡そうとするな! 受け取らないぞ!

 その面をこっちに向けるだけで良い!」


そんなに嫌がらなくても……。

万歳するみたいに手を退けなくても良いじゃないですか。


「ああ、読めるぞ。そのカードにはシトリという悪魔が封印されているのだな」

「能力も読めます?」

「ああ、読める。なるほど。確かに原因はこのカードっぽいな」

「読めるのであれば、何で誰もこのカードを疑わなかったんでしょう?

 数名はこのカードを見てると思うんですけど」

「確かに。聞いてみよう。神父よ、こちらへ。

 このカードを見てくれ。間違いないな?」


神父さんが恐る恐るこっちに来る。

そして俺の手の中にあるカードを覗き見る。


「……カードに書かれている図柄は同じですが…………このように内容は書かれていませんでした」

「どのようになっていた?」

「我々では読めない、見た事も無い文字らしき物が書かれていました。本当です」


へ~。

俺が登録した事で、読めるようになったって事か。

もしかしたら日本語だったのかもしれないね。

登録した事でこちらの文字に変換されたのかも。




ともかく、カードは回収出来た。

能力が漏れる事も無くなったそうなので、奇病は治まるだろう。

王太子と共に、冒険者ギルドへ戻るとしよう。

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