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021 依頼?

買い物と意気込んでみたものの、その前にまず宿屋を取らなきゃいけない事に気づいた。

今は昼間だけど、夕方になれば帰ってきた人や街に到着した人が増えるだろう。

それらと同じ時間帯に探しても埋まっている可能性がある。


後、買った荷物。

インベントリに入れるだけなんだけど、神からもらった知識ではインベントリは希少。

アイテムボックスって魔法はあるらしいけど、それも使える人は少ないらしい。


なら使わない方が良いでしょ。

だって、定番だしさ(笑) 異世界に来たら目立っちゃいけないんでしょ?

チートもらいながらも、目立つのはイヤなんでしょ?


冗談はさておいて、俺の場合は別に目立っても気にしないんだけど……。

もしそれを目当てに悪意のあるやつが近づいてきた場合、グラシアにボコられる未来しか見えん。

万が一殺人でもすれば、間違いなく牢獄行きか、逃亡生活になる。



気を取り直し。

まずは宿探しなんだが。

定番で思い出したんだけど、こういう時って冒険者ギルドで紹介してもらうんだよな。

よし、冒険者ギルドに行こう。



そこら辺を歩いてた冒険者っぽい人に場所を聞いて、やってきました冒険者ギルド。

入る前に魔法カード『バリア』を手に忍ばせておきました。

俺をビビりと言うなよ?

武器持ったゴツい男がゴロゴロ居そうな場所に、何の準備もせずに行ける訳無いでしょ。

現代人ナメんなよ!


中に入ると、意外に多く冒険者が居た。

あっ、そうか。出るには長い審査があるんだもんな。

なら冒険にも行けないか。


しかし男ばっかだな。

女性の冒険者って居ないのかな?

魔法のある世界だから、女性でも遠距離攻撃なら戦えると思うけど。

いや、鍛えた女性なら接近戦も可能か。少なくとも俺よりも強い。


とりあえず受付に行くか。

受付も男だな。何とも華のない空間だろうか。早く聞いて帰ろう。


「すみませーん」

「はい、依頼でしょうか? 今は少し割高になっていますけど」

「へ? 違いますけど。えっと、何で割高なんですか?」

「依頼されても街から出る事が難しい為、出られる冒険者は限られています。

 その人達に依頼が殺到している為に、高額となっています。

 逆に街中で済む依頼でしたら、割安になっていますが」


納得。

でもその人達ってどうやって出る許可得ているんだろ?


「それでどのようなご用件で?」

「そうでした。いえね、宿を紹介してもらいたいと思いまして」

「え~と、それは依頼でしょうか?」

「依頼?」

「『条件に合う宿を探して欲しい』という依頼ですよね?」


あ~、そうなるのか……?

確かにそう言われればそうかもしれない。

日本で考えれば、極端な例だが、デパートに行って宿を紹介してくださいって言うようなモノかも。

日本なら警察へ行け、もしくはそういうサイト見ろって感じ。


でもラノベなら、ギルド推薦の宿とか教えてくれるんだけどなぁ。

あっ、そっか。それやっちゃうと癒着とかになる可能性があるのか。

紹介した代わりに、宿から手数料もらったり。

だから、禁止されてるのかもね。


どうしようかな。

依頼にした方が良いか。

口コミよりも信用出来る所を教えてもらえそうだ。


「じゃあ依頼にします」

「分かりました。この札を持ってお待ち下さい」


32と書かれた板を渡された。ファーストフード?


ギルド内には座る所もあるので、おとなしく待つ事にした。

見回すと飲み物を提供するバーみたいなのも併設されている。

冒険者よ、稼いだ金は冒険者ギルドで使えと。考えてますなぁ。

きっと表向きの理由は『冒険者が飲んで暴れても、ここなら他の冒険者が居るから心配ナシ!』って感じか?


俺とグラシアはミルクを注文した。

酒なんか昼間から飲みたくないし、他の飲み物は何味か不明なので。

他の冒険者からバカにされるかな~と思ってたけど、何も言われなかった。

ま、メニューになるものを頼んでバカにするヤツなんか居ないのが普通だ。

それに利用してるのが冒険者だけじゃなく、依頼者の可能性もあるもんな。

何も考えずに絡んでくるようなバカは、既に排除されてるんだろう。


グラシアが何の疑いも無く美味しそうに飲んでる(皿に入れたのを舐めてる)ので、大丈夫っぽい。

一般的な飲み物でも、異世界人には毒の可能性が無いとは言えない。

味覚も違う可能性もある。グラシアが美味そうにしてるから大丈夫だとは思うけど。

ま、飲んでみるか。


「おっ、濃ゆいけど、美味いな~」

「おいしいー」

「ありがとよ。裏に牛舎があって、新鮮なのが手に入るからな」


そうなんだ。牛舎が裏にある冒険者ギルド。レアなんじゃないだろうか?

ってか、畜産ってあるんだ。そっちの方が驚きだぜ。



ミルクを堪能していると、3人組の男冒険者が入ってきた。

どうやら依頼達成してきたらしい。疲れたーとか言ってる。

そしてそのままこっちに歩いてきた。

どうやら達成の手続きよりも前に、何か飲んで一休憩するらしい。

お疲れ様です。


何を飲むのか気になるので、聞き耳を立ててるんだが。

話の内容は注文よりも街の愚痴ばかりだ。

やはり出られない事が苦痛らしい。

「儲かる仕事が出来ねぇのがツラいわ」「暴れられねぇしな」

こんな会話ばかり。


その内、唯一黙ってた一人が突然立ち上がった。


「こんな不自由な生活はもう嫌だ! 俺は自由になるんだ! フリーダム!

 さあ、皆、心も体も開放されよう!!」


そう叫びながら、服を脱ぎだした。

……え~と、変態さんですか?

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