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186 骨折

2話連続掲載の1話目です。

「ぎゃああああ!! 落ちる!! 落ちる!!」

「正確には落ちている、ですけど~。

 もうすぐ貫通すると報告が来たので飛び出しました~」

「マ、マジかよ?! 先に言ってくれよ!」

「時間が無かったので~」

「時間が無い?!」

「は~い。勇者も察知したようで、強引に突破して飛び込んだという報告が来ました~」


どれだけチートなんだよ、勇者!!

王太子とかベルを鳴らす為に待機してもらってたのに、無駄だったじゃないか!


「と、ところで、疑問があるんだけど!」

「なんでしょ~?」

「結構落ちてるけど、着地はどうするんだ?!」

「着地と言うよりは目的の物に追突が正しいです~」

「?! それ無事に済むのか?!」

「勇者より先に触れる事が大事ですので~。

 安心してください~。神には報告済みです~」


先に触れれば神が救ってくれるってか?

あの神が?! 本当に大丈夫か?!


「そんな心配よりも、もっと直立してください~」

「なんでだよ!」

「空気抵抗を減らす為です~」

「大丈夫だろ?! だって勇者より先に居るんだから!」

「向こうの方が重たいようで、距離を詰められてますね~。ピンチです~」

「マジか?!」


空気抵抗が同じなら重たい方が早く落ちるんだったっけ?

もっと物理を勉強しとけば良かった。


「ますたぁ、手を伸ばして~」

「えっ? こうか?」

「そのままキープです~」

「そりゃ良いけどさ。空気抵抗増えるんじゃないか?」

「ところでますたぁ、呪文は覚えてますか~?」

「なんだ突然。覚えてるぞ」

「言ってください」

「は? えっと『東京特許許可局』」


ベキッ!


「ぎゃあああああ!! 何かぶつかった!! 絶対今手首の骨折れた!!」

「成功です~。なので離脱しま~す。頑張ってくださいね~」

「はぁ?! 何言ってんの?!」


返事もせずに離脱するバイモン。


そして横からまたタックルされた。


「お待たせしました」

「ってザガンかよっ!」

「はい。貫通しましたので登ってきました」

「何で合流? あっ、落下の衝撃を無くしてくれる為か?」

「いえ。落下速度を上げる為です。重りの役目ですね」


そう言って俺の肩に足をかけるザガン。


「うぉーーーい!! このまま落ちたら、俺にお前の全体重が乗っかるじゃねぇか!!」

「その分早いですよ」

「そういう問題じゃねぇ!!」

「先程『神速』のカード使用で、勇者を他の世界に飛ばせました。

 しかし向こうも別の神に連絡してるでしょう。すぐに戻ってくるかもしれません」

「俺の手首と引き換えにしたのはそれかよ!!」

「どちらかの手に持ってきたでしょう?」

「確かに持ってたけどよ! じゃあぶつかったのは勇者か?!」

「その通りです。成功はしました」


言えよ!

まぁ言われて実行出来るかは別だけど。


「すぐ戻ってきても間に合わないだろ!」

「戻ってきた時に、目的の物の隣に現れないとは限りません。

 いえ、戻すなら目的の物の隣に戻すでしょう。露出しているのですから」


言われれば確かに。

どこにでも戻せるなら、元の場所じゃなく目的地に戻すよな。


「バイモンはどこに行ったんだ?!」

「時間が迫っていたので離脱しました」


召喚してからそんなに時間が経つのか。

王クラスだから1時間だったはず。


「もうすぐです! 準備を!」

「もうすぐ?! 準備?! 何すりゃ良い?!」

「成功を神に祈りましょう」

「ここまで来て神頼みかよーーーーっ!!」



俺は衝撃と共にブラックアウトした。 

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