表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
179/187

179 ヒントのヒント

それから数時間。

石板が4枚揃ってしまった。

勿論、北からは亀、南からはカバ、西からはヘビ、東からはハリネズミの石板。

ヒントの通りになっている。


……しかし、これってヒントと言えるのかね?

もうその場所じゃないか。

この広い世界の中から特定の場所を教えるのがヒントじゃないの?

特定の場所の中の中心を探すヒントっておかしいでしょ!


いやいや、待て待て。

落ち着いて考えよう。

ご都合主義的なのかと考えたけどさ。

深く考えてみれば、そうじゃないかもしれない。


例えばだけど、この星の反対側まで進んだ時に、この場所を示すヒントが置いてあったかもしれない。

俺が王国内ばかりをウロウロしてたから、そういうヒントを発見出来なかっただけかも。


ほら、昔のRPGとかでもあるじゃん。

たまたま見つけた洞窟とかをウロウロしてたら、終盤で使うようなアイテムを発見してしまった、みたいな。

何でも開けられる鍵を入手したからって、あちこちの宝箱を開けてたら強力な装備を入手したとか。

近くの村に行ってなかったな~と立ち寄ったら、何故か話が進んでいてアイテム貰うとか。

友人に「あそこの草を調べたらアイテム出るよ」と聞いてて、イベントもせずにその場をすぐに調べて発見するとか。

自国の城の川を挟んだ対岸に敵の本拠地があるのに、何で船で行かないんだ、とか。

最後のは違うか。


こんな感じなのかもしれない。

本来なら行かなきゃいけないルートをショートカットして発見したのかも。


とにかく、これだけヒントに類似しているんだ。

中心を掘らない理由にはならないだろう。


現在ザガンには、中心に移動して金貨に変えて貰っている。

ミスリルの層に埋まっているのか、その下の層にあるのかは不明だけど。


「あれ? ヒントってあれだけじゃなかったよな?」

「覚えているぞ。続きは『三歩進んで二歩下がる』だ」


さすが王太子。記憶力も良いね!


「どういう意味だろ? 中心から三歩進んで二歩下がった場所なのかな?」

「でもそれではどの方向に三歩進めばよいのか不明だぞ?」


そう言われたらそうだよね。


「それに三歩とあるが、歩幅が不明だ。大人と子供でも違うし、人間と魔物や悪魔でも違うだろ?」

「歩幅の問題もあるのか……」


結局ヒントが曖昧過ぎるんだよねぇ。

何かヒントのヒントは無いかなぁ。

こういうのもあちこちを回っている道中で集めるんだろうけど。


「ふと思ったのですけど」


それまで聞き役に徹していた隊長さんが話しかけてきた。


「何でしょう?」

「この村は街と王都の間にあります」

「はい、知ってますよ。中途半端な位置で不便なんですよね」


だから温泉を掘って集客しようとしてるんだからね。


「街から王都までの距離を三等分した場合の1つの距離がこの村になります」


つまり、街から王都までの距離が例えば30kmだとして、村までの距離は10kmって事か。


「街から王都に向かい三歩で着くとした場合、二歩下がればこの村になるのでは?」


なるほど! 頭良いね!

その可能性は高いかも!


「俺は、掘り進んだらミスリルの層にぶち当たって後退せざるえない、という意味が入ってるとみたが」

「その意見も良いね!」


王太子の意見もありえそうだ。

目的の場所まで進んだのに邪魔があって進めない、という事を端的に表しているともいえる。


どちらもありえそうだなぁ。

と、言うか、1つのワードに複数の意味が込められている可能性もあるね。


ま、なんにせよ、ヒントに近い事は確か。

怪しさが倍増だね! 当たり引いたかも?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ