表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
173/187

173 ミスリル

「そのミスリルってのは、どんな需要が?」

「ミスリルを知らないのか?」


日本には無かった鉱物だからねぇ。

まぁ、名前が違うだけで、地球上にも存在する鉱物の可能性もあるけど。


「ミスリルには特徴が3つある。

 まず、軽い事だ。鉄と同じ硬さながら重さは鉄の半分ほど」

「へ~。鎧とか盾とかにすれば良さそうだね」

「実際になっている。

 と言っても、次の理由が大きいがな。

 次は、魔法に対する抵抗力だ。

 どういう仕組みなのかは判らないが、ミスリルには魔法が効きにくいのだ。

 一説には、ミスリルが魔力を吸収するからと言われている」

「効きにくい? 効かないんじゃないんだ?」

「ああ。例えばそこら辺にある石を打ち出す魔法だと、物理攻撃のようなものだからな」


魔法による直接的な攻撃は効かないけど、物理的な攻撃は効くって事か。


「それに炎の矢を受けたとして、炎と矢自体のダメージは無いが、当たった事でのダメージは残る」


あっ、これは理解出来る。

運動エネルギーは伝わるって事だね?


「最後に、温度の変化に強い」


あ~、熱伝導率が低いって事か?

加熱しても熱くならないって事だね。

フライパンとかには向かないけど、防具としては良いね。

あっ、だから炎でのダメージが無いのか。


「こういう事から、防具としての需要が高いのだ。

 近衛騎士の鎧はふんだんにミスリルが使われているぞ」


そう言われると、白金っぽい色だったわ。

って事は、ミスリルは白金っぽい色なのだろう。


「これ、どうするの?」

「発見した層の厚さにもよるが、結構な量が採れると思う」

「村の財産になるの?」

「ミスリルの権利は国の物になるな」

「なんで?」

「冒険者や傭兵が欲しがるような金属だぞ?

 しかも高値で取引される品だ。

 村で管理出来ると思うか?」


あ~、そういう事か。

村で管理なんかしてたら、絶対に悪いヤツに襲撃されそうだ。

国が管理して、防衛設備も作り兵も常駐させるって事ね。

村には無理だ。


「早速見に行こうじゃないか!」


王太子に急かされて、竪穴に向かう。

まぁ、俺も興味があるし、良いけどね。


……


…………


………………


違うだろっ!

ミスリルの層が~じゃない!

出てきた石板の方が問題なの!!


「王太子、待って! コレ見て!」

「ん? ああ、石板だな。遺跡かなんかだろう?

 それよりも早く行くぞ!」

「いや、書かれてる内容をさ!」

「それは後でも見れるだろ?

 ミスリルは早急に国に報告しなきゃならん!

 量によっては村人にも箝口令を敷かなきゃならん!」


あっ、ダメだ。

目の色が変わってるわ。

うん。後にしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ