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171 穴の中

運搬しているスケルトンとすれ違いながら、螺旋階段を降りていく俺と隊長さん。

ネタなのか敬意なのか判らないけど、スケルトンがすれ違う時に俺と隊長さんに軽く会釈して通っていく。


「本当に魔物が言う事を聞いているのですね……」

「え、いや、あはははは」


俺に言われてもねぇ。

実際、どこまで言う事を聞くのか判らなかったので、兵士が来るまでに実験はしてた。


踊れと命令するとロボットダンスをしてたスケルトン。シュール。


某アニメを見て覚えていた「組体操みたいにして階段を作れ」と言ったら四つん這いになってた。


何かネタをやれと言ったら、先頭のスケルトンが手を挙げた。

立候補だと思い指名しようとしたら、他のスケルトンが手を挙げた。

手を挙げるスケルトンは徐々に増えていき、最後には全員が挙げた。

これはもしやと思い、俺が挙手すると、スケルトン全員が俺に「どうぞどうぞ」ってやりやがった。


俺が指名して、一人のスケルトンにネタをやれって言った時は。

そのスケルトンは自分の頭蓋骨を外し、腹の前に持った。

そのまま両手で挟んでた頭蓋骨をクルリと回して、元の位置へ。

……何故大御所リアクション芸人のネタばかりなのだろうか?


とにかく、このように無茶振りにも対応するのだった。


「階段もしっかり出来ていますね」

「そうですね」

「しかし手すりが無いと危険かもしれませんね」

「確かに。言っておきます」


時計回りに螺旋階段は出来ていて、円の中心には地上へ向かう配管が通る予定だが、そちら側には現在何も無い。

踏み外せば、下まで一直線だ。

配管の太さは判らないけど、手すりはあった方が良いね。


「そうなると、地上にも柵が必要ですよね?」

「そうですね。子供が遊びで入っては危険ですから」


地上にも取り付けよう。

いや、地上は塔の中に入れてしまうか?

ま、そこは悪魔に任せよう。


「しかし、この階段はどのように作っているのですか?

 土で出来ているようですが、頑丈ですよね?」


言われて気づいたけど、確かに土で出来ている。

でも力強く踏んでも、欠ける事も無い。

角には滑り止めのような物まで付いている程の作り。


どうやって作ってるのだろう? 俺も知りたい。

だが、さすがに知りませんとは言えないな。


「下まで行けば、作っている所が見れますよ」

「そうですね。見学させてもらいます」


なんとか誤魔化せたようだ。



話をしながら下に向かう俺と隊長さん。

だが、下まで降りる事は出来なかった。


途中でスケルトンが騒がしくなったのだ。

と言っても、そう感じたのは俺だけで隊長さんは判らなかったようだが。


何事かと思ったら、下に居たスケルトン全員が上がってきた。

手に何かを持って。

どうやら何かを発掘してしまったようだ。


只事では無さそうな雰囲気なので、全員で地上に戻った。


地上でスケルトンに渡された物。

それは石版だった。


表面にカバの絵が掘られた石版。

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