表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
168/187

168 確信犯

1列になって、頭蓋骨に印を押されるスケルトン達。

シュール。めっちゃシュール。


押された者から順に作業に入っていく。

穴を掘る係、出た土を運搬する係、穴を補強する係、交通整理をする係、と作業分配も完璧。


結果、この事は村中に知られてしまい、村人全員が見に来ている。

それをどこから出したのか知らないけど、黄色いヘルメットを被った紅白の旗を持ったスケルトンがガードマンしてる……。


出た土は、別の用途があるらしく、村長指示の下に決められた場所に運ばれている。

村長も慣れたなぁ……。諦めたとも言えるかも。


そうそう、家の持ち主イクサさん。

イクサさんは所帯持ちで、奥さんと子供が2人。

家の裏手を掘られて、さぞかし怒っているかと思いきや。


「う~ん、いっその事、宿屋を始めるか?」

「温泉付きの宿屋! 私は女将さんですね! ウフフフ」


とまぁ、もう未来を見据えて妄想中。

招魂たくましい。


2人の子供は……ブネと遊んでいる。

ブネってキン○ギドラのくせに子供が好きなんだ……。

左右の首に子供を乗せ、それを上下左右に動かして喜ばせている。

両親、妄想してる場合じゃないと思うんですけど? 子供がドラゴンと遊んでますよ?


シュールな空間を見てたらクロケルがやってきた。


「順調ですね」

「順調なのかな?」

「勿論ですよ。湯が出るのも時間の問題でしょう」

「そうなの?」

「はい。なのでリョー様、今度はウィネの召喚をお願いしますね」


また召喚か。

いくら勇者が王都で仕事をしてるからって、そんなに呼んで大丈夫なのかね?


「何でウィネ?」

「湯が出ても建物が無ければ利用出来ないじゃないですか」

「そりゃそうだけど。だからウィネなの?」

「はい。塔を作ってもらいます。その中に温泉施設を作れば良いかと」


建築までこっちでやるのか。

まぁ、今から温泉宿を作るとなると、オープンは何ヶ月も先になるもんな。

俺達もいつまでもここに居る訳にはいかないし、しょうがないか。


「それに塔が出来れば、それを目当てに客が来ます」

「日本のスカイ○リーみたいな物か。確かに客が来そうだ。

 …………あれっ? 最初からそれを作れば良かったんじゃね?!」

「そうですね」

「判ってたなら言ってくれよ!」

「それでは私やブネの出番が無いじゃないですか」


くっ、こいつ……確信犯かよっ!

こりゃ、最初に全部聞くべきだな。

後からまた追加されそうだ。


「それで全部か? もう呼ぶ悪魔はいないか?」

「いえいえ、まだやる事がありますよ」

「まだあるのか?!」

「はい。塔が完成したら、今度はベリトを召喚して頂きます」

「ベリト? 確か金属を金に変えるんだよな? 何するんだ?」

「塔の建材に含まれている金属を金に変えて塔を補強します。

 配管内は全て金にする事で、錆びないようにします」

「錆びないのは理解出来るけど、補強に金? 金って柔らかいんじゃないっけ?」

「しないよりはマシですよ」

「そうだけどさ。壁削って盗んでいくヤツとか出ないか?」

「設置しているのを見られればありえますが。

 壁内部の金属がいつの間にか金になっているのですよ?」


埋め込む所を見られてる訳じゃないもんな。

誰も気づかないか。

誰も知らなきゃ盗む事も無いか。



よく考えなくても、ここは他人の土地。

なので村長とイクサさんに聞いてみた。


「塔! 温泉に塔とは……集客がハンパないですね!!」

「塔!! 俺ん家が塔になるのか!! すげー楽しみ!!」


快く許可してくれた。

……適応力が凄いですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ