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167 ブネ

ブネはちゃんと2mくらいの大きさで現れた。

村長は卒倒したけど。


「「「初めまして、主様」」」


首が3つあるんだけど、同じ事を同時に喋っている。

今更は疑問なんだけど、首が3つある必要性って何?

体は1つなんだから、どの口が食っても同じだし。


あぁ、警戒の為か? 1つの首が食べてる間に他の首が周囲を見てれば安全だし。

人間もだけど、寝てる時・水飲みと飯食う時・排泄中の3つが危険行為だ。

その間も自身で警戒出来るなら便利かも。

確か口からビームみたいなのも出るしね。ブネも出せるのかは知らないけど。


「ここの地下に源泉があるらしいんだ。

 軍団を召喚して、掘ってくれないか?」

「「「了解しました」」」


そう言うと天に向かい「「「アンギャー」」」と鳴くブネ。

その鳴き方は、どちらかというとゴ○ラの方じゃね?と思ったけど黙っておく。


「……軍団は?」


すぐにその辺に666名が出てくると思ってたんだけど。

鳴いただけで、何の変化も無いんだけど?


「今、出てきました」

「現在隊列を組んでいます」

「出来次第、こちらに向かいます」


初めて3つの首がバラバラに喋った。

どれか1つが代表して喋っても良さそうな内容だけど。


「出てきたって、何? どういう事?」


なんとな~く嫌な予感がしたので、カードを見直してみる。


『墓に軍団を召喚出来る』と書いてあるね。

勝手に、墓の場所に召喚出来るって意味だと思ってたけどさ。

もしかしてだけど、リサイクルするつもりなのかな?



…………はい、予想通りでした。

集結したのはスケルトンの皆さんでした。

この村の元住人達なのかは不明です。

ゾンビなら判明するかもしれないが、骨なんで判らない。

知ってそうな村長は未だに起きないし。

起きたら、速攻で卒倒すると思うけど。


「はい」


クロケルが一番前に居たスケルトンにスコップを渡した。

確かにどのスケルトンも、何も装備していない。


「クロケル、何で1本だけなの?」

「1本しか所有していないからです」

「えっ?! じゃあどうすんだよ?!」

「他の者は他の作業をさせれば良いかと」


あっ、そうか。

俺は全員で掘ると勝手に想像してたけど、土を運び出す人員も必要だよね。

壁面を固めたり、出入りする為の階段を作ったり、やる事は沢山あるわ。


「でも、掘る係が1人(?)じゃあ時間がかかるんじゃないか?」

「リョー様が村から借りてきてください」

「そうだね、借りれば良いよね……って俺かよ?!」

「私やブネや軍団が行った場合、貸してくれますか?」


天使と怪獣と骨。

……うん。誰が行っても貸してくれないな。

天使だと祈られるだけ、怪獣と骨だと逃げられる。

俺が行くしかないな。


「判った。ついでに村長を家まで運ぼう」


そう言うと、スケルトンが2体こちらに来て村長を抱えた。

……なんだろう、生贄かな?

丁寧に運んでいるんだけど、見た目は1000%犯罪です。


横に居るけどちょっと引いてる王太子に話してみる。


「これ、怪しいよね?」

「……王族の印でも入れていくか?」


確かに王族の印があれば大丈夫か……ってそんな訳ないよね?!


でも、他に良い手段が思いつかなかったので、印をつける事に。

方法は乱暴な物で、スケルトンの頭に蝋を落とし、そこに王族の指輪で押印するという物。

……火傷しないよね、骨だし。

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