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152 俺にも判らない!

「あの……リョー様」


選ばれた8人の中の1人に話しかけられた。

誰だったっけ?

こっそりと勇者に聞いてみる。


「あの娘は、言動が変だけど面白い『マヤ』ちゃんです」


マヤちゃんね。了解。

しかし、その形容詞は絶対に言わなきゃいけないのか?


「発言させてもよろしいでしょうか?」

「いいよ~。後、そんなにかしこまらなくても良いよ」


支配人が止めようとしたが、真剣な顔だったので許可を求めてきた。

全然話しかけてくれていいし、王族や貴族に話すように言わなくてもいい。


「ありがとうございます。

 えっと、8人の中に選ばれたのは光栄ですけど、何をすれば良いのでしょう?

 何を基準に決められたのかが判らないので……」


そういう事か。

例えばダンスが上手い娘を集めてるならダンスメインの楽曲をやる。

なのに、バラバラに選ばれてるので、何をするのか判らないんだろう。


はっきり言おう……俺にも判らない!


選んだの俺じゃないし!

そもそも、キャプテンのモサちゃん以外を知らないし!




う~ん、どうしようか。

ある意味ファンが選出した8人なので、ファンが喜びそうな事をしたら良さそうなんだけど。

ファンが喜ぶ事ってなんだ?


……握手会はどうだろう?

あっ、ダメだ。傭兵や冒険者が居る世界だもん。

武器を持ってる人達が多いのに、握手会なんかしたら危険すぎるな。

それにもしかしたら、俺の知らないところでやってるかもしれないし。


そうなると……難しいな。日本ならテレビやラジオに出演するんだろうけどな。

やっぱ、テレビ的にやるか。

俺が今まで見た事のあるテレビ番組を踏襲すれば良いだけだし。

テレビでそういう企画が通るって事は需要があるのだろう。


「そうだね。君達には、舞台上でイベントをしてもらう」

「イベントですか?」

「そうだね。8人居るから8回はやってもらうか」

「何をするのですか?」


テレビでは何をやってたっけ?

頑張れ、俺! 思い出せ、俺!

……よしッ!


「記念すべき第一回は……絵を書いてもらう!」

「…………絵、ですか?」


全員がポカンとしている。

うん、確かに意味が判らないだろうね。


「8人全員が舞台上で、決められた時間の中でこちらの決めた物を書いてもらう。

 その後、発表をする。その中から最優秀者と最下位を決めるんだ」

「……それにどんな意味があるのでしょう?」


意味か。

単純に、上手い人のを見れば感心するし、下手な人のを見れば笑える。

それだけなんだけどね。


あっ、そうか。

芸人っていう職業とかが無いから、笑ってもらうってのが理解出来ないかも。

……芸人で閃いたわ。


「第二回は、2人1組でコンビを組み、お笑いをしてもらう」

「お、お笑い……?!」

「ああ。漫才、ショートコント、モノマネ、なんでもアリだ」

「漫才とか、ショートコントとは何でしょう?

 それよりも、あの、第一回の説明を…………」


ああっ! 説明が面倒くさい!


「判った、判った。

 はい、ヒジリ君。舞台の上で見本を見せてやってくれ」

「…………はぁ~~~~~?!」

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