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144 要求は?

要求。要求か。

何を望むのが良いだろうか?

よくある「じゃあ一つ貸しね」とか言って後に使うのが無難なのか?


こういうのは俺が考えてもダメ。

ブレインに相談するのが一番だよ。

ラノベのように主人公に都合の良い展開になんかならないから。

賢い人に考えてもらうのが正解!


って事で、王太子と姫様に相談した。


「勇者の願いを叶える事で、何かしらこちらも要求が出来る、と」

「そういう事。勇者の要求は、ある意味簡単だしさ」

「確かにな」

「どうしようか? やっぱり同等の対価を希望するべきだろうか?」

「それが一番相手が断りにくいだろう」


やっぱそうか。

って事は、大した事は要求出来ないなぁ。


「何を考えてるか判るわよ? 簡単な要求にしようとしてるでしょ?」

「え? 何で判るの?」

「顔に出てるわよ? 言っとくけど、ちょっと無理めな要求でも問題無いからね?」

「何で?」

「貴方にとって簡単な事でも、相手にとって簡単な事かどうかは別問題でしょ?

 例えば、1億持ってて『10万貸して』と言われるのと、11万持ってて『10万貸して』では違うでしょ?」


確かに!

同じ10万だけど、余裕があるのと無いのとでは全然違う!


「貴方は今、1億持っている状態なのよ。10万は簡単だと思うでしょ。

 相手は10万が無いと破滅するような状態。

 逆の立場になって考えてみなさい。破滅から救ってくれる救世主よ?」


そうか、今俺は救世主なのか。


「それとな。対価として簡単な要求を出せば、お前が行った事もその程度の価値しか無い事になるぞ」

「どういう事?」

「相手の要求はアイドルのサインだ。だからと言って軽くみてはいけない。

 入手が難しいという点においては、それ相応の価値がある。

 その価値はお前が言う対価によって決定されるのだ。

 例えば『じゃあ俺の代わりに狩りしてきて』と言えば、それがその価値となる。

 つまり狩りをしてくれば貰えると思われてしまう、という事だ」


そういう事か。

俺が対価を言う事で、それが相場になってしまうのか。

俺だけが参加しているオークションみたいなものだ。

俺の入札した金額が、その商品の価値に、相場になってしまう。


相談せずに「じゃあ一つ貸しね」なんて言わなくて良かった……。


「じゃあどうすればいいんだ?」

「相手に取って、お前にした要求がどれくらいの価値があるのかを知る必要がある」

「なるほど。……それはどうやったら知れるの?」

「ここでは無理だ。城に到着したら、父に聞いてみよう」


という事で、城に着くまで保留する事となった。



「サインの価値?」

「そうなんですよ。かくかくしかじかで」

「かくかくしかじか、と言われても意味がわからん」


ちっ!

それで察しろよ!


しょうがないので、最初から王様に話した。


「ふむ。そういう事か」

「価値が判りますかね?」

「ああ。それくらいは簡単だ」

「どれくらいですか?」

「枚数と誰に書かせるかによって違うぞ?」


あっ、そっか。

センターをしている娘の場合、高くなるんだね。


後、書いてもらう枚数。

多ければその娘の時間をその分取る事になるので、時給で考えれば高くなって当然だ。


「その辺は聞いておきます。

 で、なんとなく平均で良いんで、教えてもらえます?」

「おお、良いぞ。

 そうだな。中古の一軒家が買えるくらいかな」

「ふぁっ?! 冗談でしょ?!」

「そんな訳無いだろ? 今、空前絶後の大ブームになってるんだぞ?」


そんなに人気があるの?!

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