131 勇者の特徴2
さすがにこのままでは奇人変人の勇者の説明になってしまう。
なので、俺が読んだ事のあるラノベの勇者像を話そう。
それならまともな勇者像になるはずだ。
「え~、今までのは無し!
無かった事にして、勇者の特徴を言うよ」
「もうメモったわよ……。
まぁ、良いわ。後でまとめるから」
いや、破棄して欲しいんだけども。
「勇者……勇者ね。
え~と、どうだったかな?」
いかん。昔の話だからなかなか思い出せない!
覚えているのから話してれば、記憶が蘇ってくるか?
「思い出した。
1.悪人に人権は無いと言うし実践する
2.目立ちたくないと言いながら目立つ活動をする
3.パーティーの仲間の一人を追い出す
4.オレの物はオレの物、お前の物はオレの物
5.昼寝と射撃が上手い
6.ハーレムを作ろうとする
7.周囲の異性が何故か必ず惚れる(異性達は取り合いをせずに仲良くなる)
8.一人だけ違う行動をするが、必ずそれが良い結果に繋がる
9.「こんな事もあろうかと…」と言って、何を想定してたのか判らないが打開出来る手を用意している
10.面倒事はイヤとかいいながら、首を突っ込む
11.学校に行くと必ずイジメられるかハブにされる
12.自分の強さを勘違いして弱いと思い込み、それを人に話して謙虚ではなく傲慢に見られる
それから~」
「ちょっとストップ!」
いやいや、調子が出てきたぞ?
これからこれから!
「次は~、
13.実は良血統(親が伝説級とか先祖に人外が混ざってたとか)
14.必ず金持ちになる
15.どこにでもいる普通の人間、と言いつつ特殊な能力や才能を持っている
16.ラッキースケベをしょっちゅう起こすが許される
17.偶然手に入れた物で大活躍
18.子供が更に子供になる
19.解決は力押し
20.兄妹が実は他人
21.大ピンチになると、仲間が駆けつけるか覚醒する
22.難聴
23.ドン引きするくらい鈍感
24.ギルドに行くと侮られるしケンカを売られる
25.服装や言動が奇抜
後は……」
「ストップってば!!」
「何? まだまだあるんだけど?」
「それ、本当に勇者なの?!」
「そうだよ?」
色々なのが混じっているけど、間違っては無いはずだ。
「じゃあ、言われたのを読むから聞いててよね?」
「いいよ?」
今言ったのを復唱してもらった。
…………何これ?
「犯罪者? いや不審者? 奇人変人? 絶対に近寄りたくない人?」
「そう思うでしょ?」
「で、でも、これが勇者なんだよ?」
「こんな人が世界とか救える訳無いでしょ!」
言われればそうなんだけどさぁ。
ご都合主義で救えるから大丈夫なんだよ。
しかし破綻した性格の主人公が多いように感じるなぁ……。
俺の読んだ作品が変だったのか?
「でもね! 今居る勇者君は、これ全部には当てはまらないだろうけど、似たような行動はすると思うよ!
しなくても『こうあるべき』と思い、沿った行動は取ると思う!」
「こんな行動するヤツなんていないでしょ!」
「いや、絶対にやってると思う。
試しにギルドに聞いてみたらどう? 絶対にケンカしてると思うよ?」
バカバカしいけど、ギルドマスターに認めれれてるから絶対に何かやったと思うんだ。
「じゃ、じゃあ、聞いてみるわよ」
姫様は疑いつつも、近くに居る近衛騎士に確認を頼んだ。