126 新カード
意外な事に大盛況で終える事が出来た。
王様も満足し、専用劇場を建設するとまで言ってた。というか、既に予算も通したらしい。
終了後は、握手会も開催した。
ハガシには騎士の方々がやってくれた。ってか王様がやらせた。すみませんね……。
今後の活動だけど。
まずカメラが無いので写真が無い。
なので宮廷画家に小さい肖像画を書いてもらい、それにサインを書かせて販売。
これを買った人は握手会に参加出来る仕組みにした。
悲しいのは音楽の販売方法が無い事。
CDやDVDは勿論、MP3もカセットテープもレコードすら無い。
ラノベの主人公ならば開発するんだろうが、俺にそんな知識は無いし、するつもりもない。
王様は開発する気マンマンなので、お任せしよう。
ちなみに、アイドルの権利は王様に一任した。
俺には1円も入らない。通貨は円じゃないけど。
国の稼ぎとすれば、建設費用や開発費用も回収出来るんじゃないかな?
それに、俺はいつか元の世界に戻る。戻る予定だ。戻れたらいいな。大丈夫かな?
と、ともかく。だから俺が権利を持っていても意味が無くなる。
途中で渡すよりも、最初から持ってもらってた方が良いだろう。
「本当にありがとうございました」
モサちゃんからお礼を言われた。
「いえいえ。これで良かったかな?」
「はい。有名になれたと思います。
これからは一生懸命練習して、実力でセンターをキープします!」
「うん。頑張ってくれ」
握手会でも人気があったので、頑張ればセンターで居続けるだろうな。
王様がトップに居るので、ずっとセンターだからと偉そうにも出来ないしね。
「これはお礼です。
ある日神様の出る夢を見たんです。内容は覚えてきませんが……。
起きた時に枕元にありました。神様関係の物だと思うので、聖人様がお持ちの方が良いと思いまして。
このような物で良いでしょうか?」
「大丈夫大丈夫! って言うか、それを貰えるならこっちが感謝します!」
布に包まれたカードを渡してくれた。
やった。やっとだ。やっとカードを手に入れたぜ!
布を取ると、中には罠カードが1枚。
うん。ちゃんと『神速』のカードだ。
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『神速』罠カード
相手の手番を一度だけ無効化する
(このカードを相手に触れて早口言葉のような呪文を唱えると、相手を違う世界に送る)
※『相手に触れていないと発動しない』『呪文が早口言葉』『倒すではなく、違う世界に送る』
『一度使うと、成功失敗関係無くカードは消滅する』
呪文は『東京特許許可局』
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…………何で『東京特許許可局』??
もっと他にもあったろうに。
ってか、これを言う意味は? この言葉の必要性が無いでしょ。
しかもさぁ。確かこんな役所というか機関は存在しないんでしょ?
練習するけどさぁぁぁぁぁぁ。
関連が無いから咄嗟に出るかなぁ?
う~ん、自信が無い。その場でも緊張してしまって上手く言える自信も無い。
が、頑張ろう……。