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110 砂埃の正体

「えっ? 何?」

「説明しているヒマがありませぬ! しかし全ては殿の為ゆえ! お願いします!」

「わ、わ、判った!」


言われるまま、ハウレスを送還した。

何があったのだろうか?

戻らないといけない理由って何?


皆で焼き肉してるとか? ……そんな訳無いか。俺の為って言ってたもんな。

という事は、ハウレスが見られてはいけない、もしくは存在がバレちゃいけないって事態になる?

う~ん、判らない。


「いてててて…………何があった?」

「あっ、ギルドマスター。依頼は完了ですか?」


放り込まれたギルドマスターが出てきた。

投げ込まれた事で目覚めたようだ。

そこには誰も突っ込まず、王太子は当たり前のように質問している。


「ん? あ、ああ。問題無い……。というかモンスターよりも恐ろしかったわ!」

「問題無いなら良かったです。じゃあ完了ですね」

「そうだな。完了だから、アレを街に出さないでくれよ!」


よっぽど怖かったようだ。

焼き殺す、だからなぁ……。俺も見たくないわ。




依頼も終了したので、皆で馬車に乗り込み街へ向かう。

その道中、街の方から砂埃が起こっているのが見えた。


何アレ?


「何か走っているのか?」

「そうなの?」

「凄い速さだから何か判らないが……人間、か?」


人間?!

人間が砂埃をあげられる程の速度で走れるのか?

この世界では当たり前の事?


「んん? あいつは? ちょっと止まってくれ」


ギルドマスターの知り合いらしい。

馬車を止めるとギルドマスターが降り、来る人を待つようだ。


砂埃の人物は、ギルドマスターを発見して急ブレーキをかけて止まった。

若いなぁ。日本人っぽい顔した中学生くらいに見える。

この国の人じゃないのかな? 服装はラフで、革で出来た胸当てだけが防具で、腰には剣のような物が見える。


「こんちは、ギルドマスター!」

「おう。確かヒジリだったな。どうした?」

「ギルドマスターが厄介なモンスターを退治しに行ったと聞いたので!

 支援しようかと思って追いかけてきました!」


支援に来たのか。

強そうなギルドマスターを支援に来たくらいだから、かなり強いんだろうな。


「そうだったか。いや、もう終わって帰る所だ」

「そうなんですか?」

「ああ」

「そちらの方々は?」


おっと、話の内容が俺達に向いてきた。

ギルドマスターと同行してるもんな。気になるか。


「今回の事を依頼した冒険者だ。俺はそれの見届けとして同行しただけにすぎん」

「あっ、そうなんですね」


俺達を見ても驚かないようだ。「こんな人達が?!」とはならないのか。

ギルドマスターを信用してるのか。

まぁ、俺もこの中学生くらいの人が今回の依頼を達成出来ると言われても、あまり疑問に思わないけどさ。

だって異世界だもん。ラノベなら普通にありえる話だ。魔法もあるしさ。


彼、ヒジリと呼ばれてた、はこっちに向いた。

どうやら挨拶する気らしい。

礼儀正しい人だね。容姿と相まって好感が持てる。


そんな事を考えてたら、とんでもない爆弾発言をしやがった。


「俺は新城聖しんじょうひじり! 高校2年だった! 勇者だ! ヨロシク!」

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