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109 ギルマス奮闘!?

「すみません、ギルドマスター。ちょっといいですか?」

「何だよ! 詳しい事は聞かねぇぞ!」

「あのですね、ハウレスが『この山に居るモンスターを駆逐する』って言うんですけど……。問題あります?」

「……何で駆逐するんだ?」

「対象が判らないからです」

「……モンスターは基本的に討伐対象だ。

 だが依頼以外のモンスターを倒しても討伐の証明が出来なければ、報酬は出ないぞ」

「報酬は別に良いんですけど。じゃあ問題無いですね」


良かった良かった。


「いやいやいや! 肝心のゴブルト討伐をどうやって証明するよ!

 死骸を持ってくるつもりか?!」


あっ、本当だ。


「ハウレス。どうやって倒すつもり?」

「当然焼き殺しますが?」

「えっとね、このギルドマスターが倒す所を見るか、全部の死骸を見ないとダメなんだけどさ」

「なぜです?」


なぜ、ときた。

……説明が面倒だ。

無理やり納得させよう。


「ハウレス、それを俺が望んでいるんだけど」

「判りました! お任せを!」


簡単に納得してくれた。


「どうする?」

「本当はイヤですが、殿からの命令であるので、その者を運んで私の戦う所を見せつけます!」

「そ、そうか……」


それで大丈夫なのだろうか?


「では行ってまいります!!」

「えっ?! もう?!」

「お、おい! 何だ?! コラ、咥えるな!! た、助けろ~~~」


ハウレスはギルドマスターの襟首を咥えて、走り去ってしまった……。

あれ、大丈夫じゃないよな? 足を引きずってたし。


「……どうしよう?」

「大丈夫だろ。鍛えてるっぽいし。

 それに、見ればどれだけヤバいか実感出来るだろうしな。」


鍛えているから大丈夫、とはならないと思うんだけども。

だが責任取れって言われても困るし……よし! 見なかった事にしよう!

ロデ……違う違う、ハウレスの背中に乗って行った。それでいいじゃないか。


そんな事を考えていたら、山の方のあちこちから爆発音が。

そっちの方を見れば、火柱が上がっていた。

焼き殺すってそんな感じか~。近くに居たら熱いんだろうなぁ~。

…………ギルドマスター、頑張ってください。




30分くらい経っただろうか。

ハウレスが戻ってきた。背中に気絶したギルドマスターを乗せて。


「殿! 任務完了したでござる!!」

「お、おう、ご苦労さん。で、その……ギルドマスターは?」

「途中でこうなり申したので、しょうがなく」

「肝心な所は見せたの?」

「はい。その度に起こしましたゆえ」


なら良かった……のか?


「よし、帰るか」

「それで良いの?!」

「討伐する所は確認したんだろ? なら問題無いはずだ」

「……もしかして、少し怒ってる?」

「まぁな。やらなくていい討伐、しかもそれを監視するとか。こちらはやる事があるのにな」

「だったら強権使ってでも断れば良かったんじゃ?」

「被害が出ている事は確かだ。放置して被害が拡大しても困る」


複雑な心境なのね。


そんな話をしていると、ハウレスが突然ギルドマスターを馬車に放り込んだ。


「殿! 某を今すぐに送還してくだされ!!」


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