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はじめての当たり屋

◆ 王都グライデン西門付近 裏路地 ◆


「どォ〜〜〜してくれるんだぁ??せっっかくの俺の店の商品を壊しやがって!!」

「ヒヒヒ、こりゃひでぇ!アニキががんばってがんばって作ったツボが粉々に割れてやがる!」

「ひいぃ……」


 突如下品な怒鳴り声が響いた。人気のない裏路地に、大柄で不良じみた男2人組、大きなツボの破片。そして男を見上げてへたり込む赤毛の少女の姿があった。


「徹夜で作ったんだ!!家族を養うために……このツボは絶ッッッッ対6万ゴールドで売らなくちゃなんねぇのに、それをお前がぶつかってきて、壊しやがった!!」

「ち、ちがいます!それは……!」

「っかぁ〜〜〜〜泣かせるぜ!アニキは15人家族だから今すぐにでも帰って、お腹をすかせた可愛い弟や妹たちにご飯を食べさせなきゃいけなかったのになぁ……!!かわいそうに……ぐすっ」

「そんな……」


 少女はこの男2人組の事を知らなかった。男らは当たり屋だ。市で安く買ってきた適当な商品を人にぶつかり壊し、弁償費用として大金を奪い取るという手口で、今まで何十人もの人々を騙してきたのだ。

 騙す……というより、恐喝に近かった。


「あ〜〜あ!!俺の努力がなぁ!!水の泡だなぁ!!これは弁償してもらわねぇとなぁ、嬢ちゃん??」

「アニキはとっても悲しんでるんだぜ?警官には黙っといてやるから、ツボ代と慰謝料合わせて10万ゴールド……払ってくれるよな??」

「うぅっ……」

「ま、まてーっ!!」


 何者かの大きな声が聞こえた。「誰だ!?」人混みをかき分け姿を現したのは、シャーロットとギャンヌの姿だった。


「その女の子から離れなさーーい!!」

「ちょっと君ッ…いきなり走り出して……え!?」


 手を振り回し、仁王立ちになって勇敢に立ち向かうシャーロットだったが、いかんせんシャーロットは臆病であった。足がブルブル震えている。困っている人がいれば助けたい、しかし助けたはいいが被害者よりビビってしまう。現に今もビビっている。都会の、しかも悪漢2人組がほぼほぼファーストコンタクト。

 へっぴり腰のその姿を見て、男達は吹き出した。


「そ、その女の子から……」

「聞こえてるっての!! 誰が素直に、はいそうですかーって離れるかよぉ」

「カンケーねーやつはすっこんでろ!!」

「ひえぇっ……す、すっこみません! 女の子が……怖がってるじゃないですか! ギャンヌさん、どこかに助けを呼んでください!!」

「え!? 私が!? 大丈夫!?」

「大丈夫!! 私は大丈夫!!」


バクバクなり続ける心臓の音が外まで聞こえてきそうな勢いである。

 

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