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新魔王がいい人すぎたせいで世界秩序が崩壊しだす  作者: 進藤尚典
〜第1章〜新魔王誕生、そして即蹂躙
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〜第2話〜オーティズとの対話

「あのお、【魔子宮】の水から、この世に関する知識についてはだいたい教わったんですけど、実際に他の方とお話しするのは初めてなので、礼儀のなっていないところがあるかもしれませんので、その際はご指摘お願いいたします」


 禍々しい顔はぺこりと頭を下げた。


「……」


「オーティズさんのことも魔子宮の水から教わっています。とても魔力が強くて頭のいい方ということで、そんな方が僕について下さるなんて、なんか僕の方が緊張しますね」


「……」


「あ、コーヒーでも飲みますか?それとも紅茶の方が?」


「……」


「あっ、オーティズさん大丈夫ですか?さっきから黙ってしまって……。お腹の調子でも悪いんですか」


「レオン様っ!!」


 オーティズは叫んだ。


「っ!?どうしたんですか急に大声を出して」


「レオン様、あなたは魔子宮の水から見せられたのですよね、下賤なる人間どもや下級魔族どもが八つ裂きにされる姿を。それを見て何も感じられなかったのですか」


 オーティズは問い詰めた。

 何なのだこれは。邪気があるのは表面上の顔ばかり。出てくるセリフの柔らかさと優しさに、ギャップで吐きそうになる。

 レロンの遺伝子を受け継ぎ、レロンから残虐性の英才教育を受けていたはずのレオン。

 彼はその真偽を確かめたかった。


「……もちろん感じました」


 レオンは静かに言った。


「……あんな痛くて嫌なこと、絶対僕は嫌だと思いました」


 オーティズは肩の力が抜けていくのを感じた。


「やられるのも、もちろんやるのもね」


「……」


「だから、僕が王になったら、ああいうことが決して起きないようにします」


「レオン様ッ!!あなたは『魔王』なのですよ」


 叫ぶオーティズに、レオンは目を丸くして言った。


「ごめんオーティズさん。『王』と『魔王』の違い、よくわからないんです。これから少しづつ覚えていくのでよろしくお願いします。あっ、さっきも言いましたが呼び捨てでいいですよ」


 レオンは、にっこりとしながら言った。

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