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主人公
とうとう俺ひとりになってしまった。
俺にあるのは『無毒化』のスキルだけ。
もし、全員が能力を活用して、協力しあっていたら……
後悔ばかり押し寄せてくる。
いやいや、しっかりしろ。俺ひとりでも生き抜いてやるんだ。死んだみんなのためにも。
そう思っていたら、しー子のパジャマから紙切れのようなものがはみ出ているのに気が付いた。
それは異世界について書かれた便箋だった。
全員にスキルがあること、キノコには毒があること、全滅したらやり直し、などなど大事なことが書かれていた。
最後の行に、「理解できたらみんなにも教えてね by神様」と書かれていたが、どうやら彼女は理解できなかったようだ。
まあ、しー子にはいろいろ言いたいこともあるが、とりあえず復活したらぶん殴ろうと思う。
俺はやり直すために、一番高い木のてっぺんから飛び降りた。
※※※
森の中で、5人の死体と、ひとりの記憶喪失の男が発見された。
キノコ中毒で仲間を失ったショックで記憶を封印したのだろうと、発見した人たちは気の毒に思った。
男は近くの村へ連れていかれ、やがて、気立てのよい村娘と結婚し、幸せに暮らすのであった。
めでたし めでたし




