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八木間 翔子
「焼いてみたらいいんじゃないかしら」
204号室のお姉さん、八木間 翔子が提案した。
「なるほど、焼けば無毒化する食べ物ってけっこうありますしね」
大学生がうなずく。
「でしょう?あなた、ライターもってない?」
お姉さんは、大学生にしなだれかかる。
学者っぽいおっさんから乗り換えたらしい。
「あ、はい。ライター、あります」
大学生は真っ赤になって、ポケットからライターを出した。
昨晩は飲んだ帰りで着替えずに眠ったらしい。
※※※
キノコの焼ける香りが漂う。
焼いてみると、キノコの毒々しい色合いは薄れ、うす茶のおいしそうな色になった。
「なんか、おいしそうだな」
「これは、食べられるんじゃないか」
俺たちの期待は高まっていく。
「じゃあ、私が食べてみるわね」
お姉さんが、キノコにかぶりつく。
「うはぁ、おいしぃぃ~~~」
お姉さんは恍惚の表情を浮かべた。相当美味しかったらしい。空腹だし。
八木間 翔子が死んだ。




