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結果

「……と言うのは嘘で」


「はい?」


 徂徠さん、笑顔。それも、純粋な笑顔。え、えぇ? どういうことですか?


「ごめんね、死ねとか言って」


 さっき私に死ねとか言ってきた女の子は、手を合わせてぺこっと頭を下げてくる。え、え、どういうこと?


「実はね、これ、ゲームだったの」


 徂徠さんが、にっこり笑いながらそう言った。ゲーム……って、いじめのことか。それは、つまり。


「徂徠さん、それってもしかして、いじめを楽しんでたって事……」


「ま、ま、そういうわけ。でも、あんたあんまり反応よくなかったから、面白くないしやめた。本当は一週間の予定だったんだけどね、二日でやめることにしたよ」


 ほんと、女の子って分からない。いじめをゲーム? 私、これでも結構傷ついてたんだよ?

 こんなの、許さない。


「だから、ごめんね? 許してよ。勉強勉強で嫌気がさしてさ、遊びたかったの」


「許さない」


 私ははっきりと言った。こんな人たち、許したくない。絶対、絶対許さない。


「私、そんなことする人たちなんて許さないっ!」


 私は叫んだ。けれど、みんなは笑顔のまま。私をなだめてきたりする。ほんとになに? この子たち、頭おかしくなっちゃった?


「まあまあ、落ち着いて」


「ゲーム、やり直さなくっちゃ。だから、次のターゲットを選んでくれない?」


「……え?」


 この人たち、自分たちがしたことを悪いことだと思ってないの? 本当に、ただのゲームだって思ってるってわけ?


「そんなの、おかしいよ!」


 私は思いっきり叫んだ。だけど、徂徠さんたちは平然とした顔で言ってのける。


「おかしいって思うなら、誰かを思いっきりいじめてみなよ」


「きっと楽しさが分かるよ? あたしたちが楽しんでる理由が、あんたにも分かる」


 全っ然ダメ。まるで話が通じない。この人たち、頭おかしいのかな。いやー、いじめっ子の気持ちは分かりませんわー。ほんと分かりませんわー。

 むしろ、人をいじめるのってハードル高くない? よくそんなこと恥ずかしげもなく平気で出来るよね。尊敬するわ。(嫌味)


「あなたたちまたやってるんですの?」


「うわ出た」


 私は思わずそうつぶやいた。なんてったって、現れたのはわざとらしいお嬢様言葉で有名(?)な神崎さん。そして私の苦手な人ー! あっ睨まれた。

 ……ん? ってゆーか、私今さっきいじめのネタばらしされたよね? でも、なんか神崎さん誤解してない? 今まさに私がいじめられているシーンだと思ってない? おかしいよね。うんおかしい。

 これってまさか。いや、ほんとまさかなんですけど。


 ――――次のターゲット、神崎さんになる、とか……?

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