第7幕第2部
天霧日暈、山田良太、そして天霧雪風の3人が学食で食事を食っているその頃、学園の屋上にて3人の少女がお互いに睨み合っていた。
左端に座っているのが炎のように逆立たせた赤い髪と、意志の強そうなつり目がかった目が特徴の小柄な体格の少女。着ているセーラー服はサイズが合っていないのか袖の辺りがぶらんぶらんと伸びきっており、まるで小学生が高校生の制服を着ているかのような印象を受ける彼女の名前は、赤石このは。火炎を操る能力者であり、日暈とは幼馴染の関係にある少女である。
右端に座っているのが黒髪を腰よりも長く伸ばしている、端正な顔立ちとクールそうな眼つきと高身長の少女。着ているセーラー服を押し上げるほどの弾力感たっぷりの豊満な胸が特徴の彼女の名前は、西成恵。【嗜虐趣味の加重】と言う能力を持つ能力者であり、日暈とは友達の関係にある少女である。
そしてその2人の間に座っているのが白い髪を巻いている、冷たい目つきの平均よりもちょっと低い身長の少女。マフラーで口元を隠していて、藍色の厚めのコートを着込んでいる。胸は平均よりちょっと大きいくらいの彼女の名前は、天霧陽炎。光を自由自在に操る能力者であり、日暈の妹である。
その3人は全員、戦駒学園の1年生女子であり、その証拠として赤い文字で『一』と書かれた将棋の駒型のバッチを付けていた。
その3人の少女は互いに互いを睨み付けながら、食事を食べていた。
「――――――で、何? かさちゃん抜きで話がしたいだなんてさ。西成恵、私はあなたと喋りたくないんだけれども」
「私も同感ですよ。なんで、【火炎の魔法少女】の正義の味方と、この悪の総統がわざわざ会わなければならないのよ」
正義の魔法少女である赤石このはと悪の総統である西成恵は、そうやって互いを睨み合い、天霧陽炎はその2人の喧嘩を我関せずの立場で見ていた。
「それで、西成さんは兄さん抜きで何の相談でしょうか?」
と、陽炎はじっと恵を見ていた。それに対して恵は「あぁ、そうでしたね」と思い出したように言う。
「実は、ちょっとした相談なのよ。私に関連する末端組織がこのはによって倒されましたよね、今日もさ」
「まぁ、そうね。と言うか、この辺りの組織は全部このはの配下でしょ? 今さらって話だわ」
「そうですね。それは私も知っています」
と、恵の質問に対してこのはと陽炎の2人はそう返事を返していた。西成恵は【デビル・スナイパー】と言う悪の組織の総統である。しかし、【デビル・スナイパー】はこの街の全部の悪の組織を一括に統括している。今日の朝、このはが倒したのは【黒の門】と言う悪の組織であったが、それは【デビル・スナイパー】の配下の悪の組織である。
「本当にそっちの【デビル・スナイパー】を今すぐぶっつぶしたいわ。他の悪の組織で陽動作戦を行って、本命である【デビル・スナイパー】が長期的な作戦を気付かない内に行っているって……」
「正義の味方は悪の組織の活動の邪魔をする。けれども、他の悪の組織の活動によってその被害を少なくするのは当然の活動なのよ。まぁ、あんたには思いつかないでしょうけれどもね」
と、このはと恵の2人はそう言いながら睨み合っていた。
「それで、本題に早く入ってくれませんか? もう食べ終わったんですが」
1人で黙々と食べて、弁当を食べ終わった陽炎はそう聞く。それに対して、恵は「そうね」と言う。
「今日は2人とも日暈とは一緒に登校してないわよね?」
「まぁ、かさちゃんとは毎朝登校してないしね」
「兄さんが嫌だと言うので」
そして、2人の答えを聞いた恵は「やっぱり……」と呟く。
「じゃあ、今日の朝。日暈と一緒に登校した女生徒に心当たりはある?」
「「……!」」
その言葉に、2人の眼の色が変わった。
「昼休みもそんなに時間がないわ。さっさと話し合いましょう」
そう言いつつ、3人は話し合いを始めていた。




