表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ありす 此処に  作者: 左傘 蕨
序章
4/18

だぁれ?

これにて、やっと序章が終わる感じです。

ちょっと長かった……。

 さぁ、ここから始めましょうか。



 ーー・ーー



 はい、ありすです。召喚されてからまるっと三日ほど経ちました。一向に戻れる気配すらありませんね、はい。


 この三日でわかった一番重要なことは、召喚によるチートはあった、ってことかしら。

 けどまあそこにもいくつか問題があって。


 それに含まれるチートには、言葉が通じるようになるやつとか文字が読めるやつとか、あとはまぁ凄く身体能力上がっちゃうよ!みたいなのとか、魔法使えちゃうよ!みたいな。

 つまり良くも悪くも小説などで溢れているような、あれ。


 だがしかし問題があって。

 言葉と文字に関してはあたしもありすもどちらも共通だったらしいけど、ちょっとおかしなことに身体能力だとか魔法だとかに酷い偏りがでてきてる。

 あたしは魔法を使ったり、まぁ不思議なことに何かを壊すことに特化してた。

 ありすはそういうのが全然駄目で一般的に回復魔法?とか言われるのとか普通に身体能力あげて戦ったりするのに特化してた。

 聞くところによるともともと一人を召喚して一人に付加される予定だったけど二人召喚されちゃったから二つに分かれたらしい、と。


 何これ無理ゲー。ありすは体に穴空いても死にそうにないけどさ。けどあたし紙装甲なんだが。ただの女子中生なんだけど。あれか、いざとなればありすを盾にしろと。

 ……いや、いくら私でもやりませんよ?そこまで鬼畜じゃないわよ。幼馴染だし。




 さて、あたしがそんなこと調べてる間にありすがなにしてたかというと、ひたすらに書庫に侵入、こもって読書、読書、読書。

 もちろん勝手に。

「いやぁ、見つかったらやばかったかもね、立ち入り禁止らしいし」

 とかぬかしてやがりましたがあいつは。

 むしろ書庫じゃなくて禁書庫じゃね?とかっこんだら、そういえばそうだったなぁなんて言ってた。


 さて、そんな我が幼馴染。昨日までにほぼ読み終わって今日くらいで読み終わるからそろそろ出ようぜ。だとか。


 私の都合と軍資金とかはどうするんだろうね。きっとなんにも考えてなかったなこいつ。


 まぁ、いざとなれば勝手に召喚した慰謝料としてちょっと宝物この辺りからくすねてくれば……。

 ……いや、駄目か。落ち着けあたし。



 というわけで、幼馴染曰く、夜になったら出るから準備しといてねぇ。だそうで。


 普通に考えたら王様(ハゲ)の加護なしでこの世界の常識も何も知らない平和ボケした子供二人飛び出したところで何ができるんだって話。

 野たれ死にするか、どっかの誰かに騙されて身ぐるみはがされるか、はたまたすぐに王様に助けを求めるのか。

 ここの人たちは多分最後のだと思ってるんでしょうね。だからこんなにもあたしたちの周りの監視みたいなものはすごく緩い。あっても無いのと変わらないくらい。


 けど、それは普通の場合。

 確かにあたしは平和ボケしたちょっと魔法が使えるだけの女子中生。

 でも、あたしの幼馴染は違う。

 なんてったってあたしの幼馴染(ありす)は特別なんだから。

 きっと殺しても死なないでしょうし。


 だから、きっと大丈夫。



 ーー・ーー



「それじゃ、行こっかありす。それでさっさと帰ろ。ありすのご飯食べそこにちゃったから食べたいし」


 ありすはそういった。

 そう言えばそうだったね。

 ならなおさら早く帰らなきゃ。


 思わず、ふふふと笑い声がこぼれる。


 なんだか、ありすがいればどうとでもなる気がする。一人じゃすぐにでも死にそうなあたしの幼馴染だけどやっぱりこういう時頼りになるのはこいつ。


 そんなこと、思っても言わないけど。



 ーー・ーー



 何より異質で天才で素敵で脆くて間抜けなあたしのありす。

 ありす独りじゃすぐに壊れちゃうけど、ありすの足りないところをあたしが補う。そうしてやっと十分。


 つまり、そういうこと。



 ここから、やっと何もかも始まるのです。

 多分ね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ