しょうめん
ほんの少し間があきました、申し訳ございません
騙す方を罵るよりも騙された方を笑えば?
ーー・ーー
「ちょ、“ ありす ” !なんであんなこと言ったのよ!」
「ゲームの延長、だよ “ありす”」
偉そうなおっさんは王様だった。
さて、彼が私たちにあてがってくれた部屋の中であたしは幼馴染ことありすをゆさぶった。
ありすは頭を前後に激しく揺られながら笑った。
……不可解。
何故ここで本名を晒すかね。
そして何故それをゲームだと言って笑えるのか。
「気にしちゃ駄目だよありす。いいじゃん。ただのゲームだし。よくやったでしょ?あれの延長に過ぎない」
いやね、そんなこと言ったってどうやら召喚されたことはどうやら事実のようだよ?分かってるの?
……なんて。
いつも通り一部の隙もなくゴスロリを着こなして無表情に笑う彼女を見てたら言えなかった。
とりあえずシワになるから着替えるとかなんとかしないかな?
ーー・ーー
「とりあえず、この後どうする気?あのおっさんの言う通り魔王でも倒すの?」
「まさか。あんなハゲの言うことなんて聞きたくないよ。とりあえずしばらくは情報収集」
「そのあとは?」
「どうにもあのハゲの言うことは信用ならないから、返してくれるって言うけど信じない。つまり帰り方を探すよ」
……あのおっさんさ、確か王様だよね?一国の王様だよね?それをハゲ呼ばわりって……。
「ってわけで魔王サイドに帰り方を聞きに行く」
「いきなりだな!」
いきなりすぎるだろ!何故そうなった!百歩譲っておっさんの言うことが信用できないから勝手に飛び出して帰り方調べよう、ならわかるよ?でもさ、何でいきなり魔王サイドに会いに行くことになった。
「なんでそんなことになったかって?」
心を読むな馬鹿。
「魔法に特化してそうじゃん、魔王とかそっちの方が」
「そりゃそうだね『魔』王っていうほどだしねぇ」
「だから、だよ。では、おやすみ!」
こちらに来ても自分勝手なのは変わらないのね。了解です。だからと言ってまだ日も高いうちに寝るのはどうなんだろうね?
て言うか警戒心どこやった。
まぁ、いいけど。
ーー・ーー
さて、一晩すぎた。朝になった。ここは寝る前の場所と変わらない。つまり家じゃない。……いやぁ、ね?目が覚めたら夢でした、とかさ。期待してたんだよ?一応。
期待は無駄だったけどね。
「ありすー、髪結んで」
眠そうに目をこすっているありすが横にいた。
……そして髪を結べと。
お前はもう少し悩もうぜ。
なんて思いながらもあたしは彼女の髪に手をかけていじり始める。
今日はどうしようか。
「取り敢えずー、私は本とか?漁ってくるから。だからありすはなんだ?召喚チートみたいなないか調べといて」
「どうやって⁉︎」
「その辺はなんか愛と勇気でなんとかしてよ。あれだ。なんか戦ってくればいいんじゃね?」
「誰と⁉︎」
で、結局ありすの髪型はツインテールになりました。え?腹いせだよ?