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少女は王女になる!  作者: 綴
王宮編
7/48

一月後のこと

第七話です!

第七話ではまあ、あんまり話は

進んだような進んでないような感じです。

とりあえず楽しんでいただければ幸いです。

「いやあ、世にも奇妙なものを見せていただきました。ありがとうございます。殿下。」

 エントは愉快そうに顔を綻ばせながら言った。ちなみに玻優と二人の騎士がいる場所は玻優が目が覚めた時にいた部屋だ。どうやらこの部屋玻優の自室となるらしい。

「変な言い方。奇妙なものなんかあった?」

 玻優は不思議そうに聞いた。普段の王を知らない玻優なので、仕方ない。

「改めてよろしくお願いします。二人とも。なんかよくわかんないけど側近騎士になってくれるみたいだから。なってくれてありがとう。」

 玻優は頭を下げて言うとエントはきょとんとし、ジークリヒトは顔をしかめた。

「はははっ。殿下は律儀でらっしゃる。こんな面白い方に仕えられるとはこれから楽しみですよ。」

 エントは笑いながら言う。エントも王に負けず劣らず笑い上戸だなと玻優は思った。玻優の中で(お祖父様)は笑い上戸というイメージになってしまったようである。王に王女だと認められたので、二人とも玻優のことを殿下と呼ぶようになっている。

「アルシェラーサ殿下。一々頭を下げたり為さらぬように。殿下は上に立つ者としての自覚がなさすぎます。」

 手厳しいことを言ったのはジークリヒトだ。

「ご、ごめんなさい。」

「謝らなくて結構です。」

 ジークリヒトは謝った玻優に冷たい目で言った。頭を下げるなと言った矢先に謝ったので気に障ったのだろう。だが、頭を下げたり謝ったりすぐしてしまう日本人の性はなかなか直らないものだ。

「まあまあ。殿下は今まで、ごく普通に暮らしてきたんだし、仕方ないだろう。これから覚えていったらいいって。」

「そのうち?お前は能天気にもほどがある。一月後に王家主催の舞踏会があるのは知っているだろう。それが恐らく殿下のお披露目となると思われるからな。」

 ジークリヒトはため息混じりに言う。

「早く殿下付きの女官も探さなければな。あと、殿下にはこの国での礼儀作法(マナー)と常識、あと舞踏会までには舞踏も完璧になっていただかなければな。その教師も手配しなけば。」

 ジークリヒトが悩ましいように呟く。それを聞いた玻優は大変だとげっそりした。そしてエントは苦笑いを顔に浮かべる。

「おい。どこの超人だよ。でも、まあ最低それぐらいは必要だろうな。殿下、大変でしょうが、頑張ってください。...手配は私がするよ。心当たりがなくもないし。じゃあ手配に行ってくるから、ちょっと離れる。」

 エントはそう言うと部屋から出て行った。部屋に残された玻優とジークリヒト。

「殿下。とりあえず私に教えられることは教えましょう。」

「え、貴方が教えてくれるの?」

 玻優は顔を強張らせながら聞いた。ジークリヒトは会ってから厳しいことしか言ってない。嫌な予感しかしないなあと玻優は不安になった。

「今日は舞踏をやりましょう。あれなら私でも教えられます。舞踏は貴族の必須ですからね。」

 ジークリヒトはそう言うと部屋から玻優を連れ出すのだった。


 部屋を出たエントは王宮にあるとある部屋に入った。

「悪いね。わざわざ来てもらっちゃって。」

 エントは部屋でエントを待っていた美少女に声をかけた。美少女、アリアス・サシエラ・イリアフィードはエントを見つめる。アリアスは銀髪に鮮やかな青色の瞳を持つ美少女である。

「構わないわ。それで話っていうのは新しい王女殿下のことかしら?」

 アリアスは率直に聞いた。エントはふ、と微笑んだ。

「ああ。我が国の新しい王女殿下のことなんだ。アリィ。ユフィエンヌ様の女官をしていた君に頼みたい。アルシェラーサ王女付きのー...」

「断るわ。私は、ユフィ以外に仕えるつもりはないの。」

 アリアスはエントを遮って言う。エントはここまでは想定内だ、と心の中でほくそ笑んだ。アリアスがユフィエンヌにしか仕えないのはわかっていた。なら、その意思を曲げてもらうだけだ。アルシェラーサのために。

君も(・・)そうなんだな。アリィ。まあいい。だが、アルシェラーサ様に仕えてくれないか。あの方はまだこちらに来たばかりで味方がいない。側近騎士の一人はまだ前の主のことしか頭にないし。あれではあんまりだとは思わないか?」

 エントの問いかけにアリアスは黙っている。

「アルシェラーサ様はこの国を継ぐために家族も生まれ故郷もなにもかも捨ててくださった。俺はどんな考えであれ、そうしてくださった姫には敬意を表するし、忠誠だって誓う。だから、アリアス。お願いだから女官になってくれ。姫には君が必要だ。伝統あるイリアフィード伯爵令嬢が仕えているというのはあの方にとってプラスになるはずだからね。」

 エントは必死にアリアスに訴えるように言う。アリアスは黙っていたが、口を開いた。

「会わせて。会って決めるわ。貴方がそこまで入れ込む姫君に仕えるかどうかは。」

 アリアスは難しい顔でそう言ったのだった。


第七話。如何だったでしょうか。

最後に出てきたアリィは

次回で決断を下すと思います。

では次回も早く投稿できるように

頑張りますね!

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