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少女は王女になる!  作者: 綴
王宮編
6/48

祖父王との対面

第六話です。

第六話では玻優のお祖父様である

国王陛下登場です。

どんな方なのかは

読んでみてください。


 女官長によって別室に連れられた玻優。別室は着替えや化粧をするところのようだ。


「改めましてご挨拶させていただきます。女官長をさせていただいております、ミシェラ・ファミル・エスモンドでございます。アルシェラーサ様付きの侍女が決まるまでお世話させていただきます。」


 ミシェラはそう言うと一礼した。


「よろしく頼みます」


「はい。早速準備させていただきますね。」


 ミシェラはそう言って、何人かの侍女を連れてきた。


「綺麗な黒髪ですわ。軽く結ってあとは流しましょう。あと装飾はあまりないほうがよろしいわね。ドレスは...お若いのだし、可愛らしいお色が似合われますわ。いやでも、瞳に合わせて鮮やかな青も。薄い青色にいたしましょう。確かあったはずだわ。リフェミア殿下のお若い頃のものが。」


 ミシェラはそうやってぶつぶつ言いながらあっという間に数人の侍女と共に玻優を飾りたてていったのだ。


 終わった頃にエントとジークリヒトが部屋に入ってきた。


「お綺麗です。姫。まるでシフィアーナのようではないですか。」


 エントは玻優をそう言って褒め称える。玻優は飾りたてられるのに疲れ果てていた。


「しふぃあーな?なにそれ。」


「伝説の女王陛下ですよ。シフィアーナ女王。絶世の美姫だったそうで、かなりの賢君だったとか。」


 エントはこころよく玻優に教えてくれる。玻優は伝説の女王といわれて日本でいう卑弥呼みたいなものかなと勝手に思い込んだ。


「アルシェラーサ様。陛下が謁見の間でお会いになられるようです。」


 ジークリヒトが相変わらず事務的に言う。玻優は少し緊張した。一度も会ったことのない祖父。一体どんな人なのだろう。


「心配なされることはありません。陛下はまあ威厳ある方ですが、理不尽な方ではありませんから。」


 エントは笑みを浮かべて玻優を安心させるように言い、その言葉は玻優は安心できたような安心できないような気分にさせるだけだった。


 謁見の間。玻優は頭を下げて待っていた。謁見の間の中央には少し高い玉座ある。そこに誰かが玉座に座った気配を、玻優は感じ取る。


「そなたがリフェミアの娘か。面を上げよ。」


 玉座に座った人物が言った。声はなかなか渋い。玻優は頭を上げて真っ直ぐに玉座の人物を見つめ、驚いた。見た目がせいぜい四十代くらいにしか見えなかったからだ。


「ふむ。そなたは本当に我が母に似ているな。まるで母上がそちらにいらっしゃるようだ。まあいい。どう考えても替え玉などではなさそうだな。」


 王は玻優を上からじろじろ見て言う。


「だが、その目つき。お前の母、リフェミアそっくりだ。その意思の強い瞳。お前の母は運の良い姫だった。まさに王足るにふさわしい。だが、男を見る目だけはなかったようだ。あのような男と一緒になるためだけにすべへを捨てるような愚か者だとは思わなかった。どこで育て方を間違ったのやら。」


 王はそう吐き捨てるように言った。玻優はだんだんと腹が立ってくる。そもそも玻優は家族に対しては怒りの沸点が昔から低い。家族の悪口を聞くとすぐに怒るのでよく父に窘められものだ。


「母は愚か者などではありません。権力にしがみついて大切なものがなにかわからないほうが愚か者だと私は思います。」


 玻優はつい噛み付くように言ってしまい、少し後悔する。エントは面白そうに、ジークリヒトは怪訝そうに、王は虚をつかれたように玻優を見た。


「くっ。はははっ。あー、面白い。この私にたてつくとはな。気に入った。そなたを王女として認めよう。」


 王は目に涙を浮かべ笑いながら言った。そんな王を見て二人の騎士が驚いた顔をする。そんな王の姿を見るのが、初めてだったからだ。


「エント、ジークリヒト。そなた達でアルシェラーサを助けてやってくれ。そなたら二人を側近騎士に任ずる。やってくれるか?」


 王はまだ笑いながら二人に聞いた。


「「は。お任せください。」」


 二人は声を揃えて言い、王はその答えに満足したようだ。


「アルシェラーサ。そなたはまだこの国というかこの世界に来たばかりでなにもわからぬだろう。この世界のこと。この国のこと。よく学びなさい。それが、そなたの初めの王女としての仕事と心得よ。...王太子になるのはそなたしかもはやおらぬのだからな。」


 王は玻優に言い聞かせるように言う。玻優は大笑いされて怒りが冷めていたので素直にその言葉通りにしようと思った。


「わかりました。...陛下。」


 玻優は少し悩んで陛下と呼んだ。やっぱり偉い人だし気安にお祖父様なんて呼んではだめだろうと考えてのことである。


「陛下は他人行儀すぎるだろう。お祖父様でいい。私のことはお祖父様と呼びなさい。」


 王は微笑んで言う。玻優は本人がそう言うならいいだろうと思い頷く。だが、二人の騎士は違った。あの王がお祖父様と呼ばせるなんて、しかも微笑みながら言うだなんて信じられない。


 こうして王との対面は無事に?幕を閉じたのだ。


第六話いかがだったでしょうか?

なんか国王がただの

笑い上戸な変人になったきがするのは

私の気のせいですよね?

第七話も早く投稿できるように頑張りますね!


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