2人の叔父
第五話です!
今回は玻優の叔父’sが登場します。
一癖も二癖もありそうな叔父’です。
これからどんどん登場するかもしれません。
今回から王宮編。早く魔法を出したいです。
玻優が落ちた先は綺麗な部屋の一室だった。品の良い、尚且つ可愛らしい部屋だ。部屋には素人目にも素晴らしいと感じられる調度品ばかり置かれている。玻優は周りを見渡すと、玻優の目の前の机に2人の男性が座っている。2人は玻優を見るなり嬉しそうに玻優に近寄った。2人とも美男子でリフェミアと同じような金髪に藍色の瞳をしている。
「ようこそ。シエラシアへ。アルシェラーサ。私はオスカー・レテガ・アジェンダー。お前の叔父だ。お前の母の弟にあたる。」
一人の美男子が言った。
「私はゼノ・リカフェン・クラシエ。お前の叔父の一人だ。私も君の母の弟だ。」
もう一人の美男子が言った。
オスカーのほうが優しそうで、ゼノのほうが厳しそうな顔立ちだ。玻優は母に兄弟がいたという事実に驚いた。玻優が後を継がなければとかいうのでリフェミアはてっきり一人っ子なのかと思っていたのだ。
「瞳は姉上で顔はお祖母様に生き写しだな...!
まさか姉上の子どもに会えるだなんて生きていてよかった!ありがとう、我らが神々!私のことは叔父様でも叔父上でも叔父さんでもなんでも好きに呼んでくれ。でもできるなら...」
オスカーはべらべらと喋り始めた。玻優が若干引いているにもかかわらず喋り続けようとするオスカーの頭をゼノが叩く。
「やめんか、この変態!アルシェラーサが驚いてるだろーが。」
「ゼノ!お兄様に向かって変態とはなんだ、変態とは。もしかしてやきもちか?安心しなさい。私はお前のことも...」
ゼノはまたオスカーの頭を叩いた。ゼノ叩いた侮蔑の眼差しでオスカーを見ている。
「悪いな。アルシェラーサ。この変態のことは気にしないでくれると嬉しい。」
ゼノは横目でオスカーを呆れたように見ながら言った。玻優はくすり、と微笑んだ。
「お気になさらないでください。楽しい方なんですね、オスカー叔父様は。でも、ありがとうございます。ゼノ叔父様。」
玻優はぺこりと礼をして言った。
「そう言ってもらえると助かる。...元の世界での名前は知らないが、こちらの世界では君はアルシェラーサ・ラピュネ・ターシャリエッカ・シエラシアが正式名となる。君は元の世界ではなんて呼ばれていたんだ?」
ゼノは真面目に玻優のこちらの世界の名前を告げてから前の世界での名前を訪ねた。とても真摯な様子だ。恐らくゼノは真面目な性格なのだろう。
「空秘玻優です。」
「外の目がないところでなら、君を玻優と呼ぼうと思うんだが、かまわないか?君の名前はきっとご両親がつけられた大切なものだろうから。」
ゼノはそう尋ねると、玻優はそれを聞いて嬉しくなり、頷いた。玻優はゼノの心づかいが嬉しかったからだ。
「さて、親睦も深まったことだし、次は陛下の御前に案内せねばな。その前に。」
オスカーはそう言うと手を叩いてぱんぱんと鳴らす。
「お呼びでしょうか。オスカー様。」
その手の音を聞いて、一人のメイドのお仕着せを着た女性が出てきた。
「女官長。アルシェラーサを陛下の御前に連れていくので、その準備を。」
「承りましてございます。さ、アルシェラーサ様。こちらへ。」
女官長は微笑んで頷くと、玻優を連れて部屋を出た。
玻優が出ていった部屋で残された二人の兄弟。
「もっと平和ぼけした娘が来るかと思ったら意外とまともな娘が来たな。」
オスカーは驚いたように言った。ゼノはその言葉に頷く。
「そうだな。まともというかなんというかなかなか一筋縄ではいかなさそうだ。意思の強い瞳をしていた。ただのお人形にはならなさそうだ。」
ゼノはため息混じりに言った。オスカーは微笑んだ。
「なんだ、心配なのか。」
「当たり前だろ!姉上の娘だぞ?俺たちの姪だ。心配じゃないわけあるか...」
ゼノはオスカーに食ってかかるように言った。オスカーは微笑ましそうに弟を見つめ、それから真面目な顔をした。
「そうだな。あの子だけは護らなければ。ユフィの二の舞にさせるわけにはいかない。」
「ああ。」
オスカーがいうとゼノは決心したように頷いた。
第五話如何だったでしょうか?
今回からだんだんと話が
動き出します。
次回は玻優にとってお祖父さんとの
出会いです。
いつも読んでくださってありがとうございます。
次回も早く投稿できるように頑張ります!