母の語る真実
こんにちは!
第二話です!
第二話では母リフェミアが
語る真実です。
サブタイトルそのままですね(笑)
そして父も登場します。
二人の騎士の存在感全くありません!(笑)
すみません。
次では出番があるはずです。
「玻優、貴女には全てを話さなければね。ここで長話もなんだし、部屋に戻りましょう。そこの二人も中に入ってちょうだい。」
リフェミアに勧められるままに玻優達はリビングに入る。リフェミアが四人分のお茶を持ってリビングに戻ってきた。
「殿下、恐れ入ります。」
エントとジークリヒトは頭を下げてそう言い、玻優は一口飲んだ。暖かい紅茶を飲んでさっきの混乱が少しましになった。リフェミアが異世界の人間など玻優には到底信じられるものではない。
「さてと、なにから話しましょうか。まずは私の生まれた国について話さなければね。少し長い話になるわよ?」
リフェミアは微笑みながら話し始めた。エントとジークリヒトは何も口出すことはない。これは親子のこと、そう思っているからだ。玻優はごくり、と息を飲む。
「私が生まれた国はね、シエラシアって国。シエラシアは貴女の生まれた地球とは違う世界にあってねその世界では魔法が使うことができるの。シエラシアはその世界の中でもとても大きな国だった。そして私はその国の国王の娘で後を継ぐことが決まっていた。継ぐのは少しもと言ったら嘘になるけど嫌ではなかったわ。父を尊敬していたから。ある時私は魔法に失敗してしまい、地球にトリップしてしまったのよ。そこで出会ったのが、空秘行人さんよ。それから何度か私は行人さんに会うためだけにトリップし続けたわ。行人さんと恋に落ちて、行人さんと一緒になりたい。と思うようになってしまった。そんなことシエラシアのほとんどの人が反対したわ。当たり前よね。私は責任ある地位だったし。それにその地位にいて恩恵も受けていたわ。そんなこと全部捨ててしまうつもりだった。そんな時父が言ったの。認めてもいいってね。その代わり生まれた子どもにもし王の適性があったらその子どもを王女として父に渡すこと。これが条件だった。でもね、異世界の人間同士の間には子どもができにくいというのが通説だった。だから私もできないだろうと思って父の条件を受け入れてしまった。そしてお姉ちゃんが生まれて大分たって玻優が生まれた。お姉ちゃんには王の適性がなかった。でも、貴女はどうなのかわからないわ。だからね、貴女がいくことはないのよ。私が行く。もう十分幸せよ。それに、私は責任を取らなければならない。」
リフェミアはとても穏やかに微笑みながら話し終えた。玻優はすごく驚いていた。魔法なんてファンタジーの世界は信じられないが、母が言うのなら真実なのだろう。そして決心した。
「じゃあ約束は守らなきゃね。」
玻優がそう言うと三人が三人とも驚愕の表情を浮かべる。
「なに言ってるの?まさかあの国に行くつもり!?お姉ちゃんの時適性が出なかったのは始めからわかっていたわ。あの子には魔力という魔力が感じられなかったから。あったとしても微々たるものだったもの。でも貴女は違う!貴女は、玻優はお祖母様のような魔力を生まれながらにして持っていた。その魔力は封じたけど、適性の目が誤魔化せるとは思えない。王になるというのは生半可なものじゃないのよ?貴女はそれを本当にわかっているの?わかっていて言ってるの?」
リフェミアは取り乱したように言った。玻優は少し考え込んだ。母がこんなに取り乱すということは多分死ぬほど辛いのだろうな。と思う。それでも、それでも玻優は決心を変えようとは思わなかった。
「王になるというのがどういうことなのかわからないよ。でもね、私はパパとママが一緒にいるのが大好き!だからね、離れて欲しくないの。ママの代わりにママの故郷に行かせて欲しい。これは私のわがままだよ。お願い!ママ。」
玻優は手を合わせて頼み込んだ。リフェミアは呆然としていた。
「僕らの可愛い娘の我儘なら聞かないわけにはいかないな。そうだろう?リフィ。」
リビングの扉の方から男の声がした。
全員が扉を見るとそこには見目麗しい黒髪黒い瞳の男性がいる。空秘行人。玻優の父だ。いつも通りにこにこと笑みを浮かべながら四人のところに近づいてきた。
「あなた!いつ帰ってきたの?」
リフェミアが驚いたように言った。行人は平然と今だよ、と答える。
「珍しくうちのお姫様が体調を崩したっていうから仕事を早退させてもらったんだ。どうやら仮病のようだったけどね。」
行人は軽く玻優を睨みながら言った。玻優は少し身を縮ませる。
「ごめんなさい、パパ。」
玻優が謝るとふ、と微笑んだ。それから真面目な顔をした。
「玻優。本当にリフィの母国に行く気なのかい?向こうに行ったらもうパパとママには会えないし、こっちには帰ってこれないんだよ?それでも行くのかい?...パパやママのことを考えて行くって言ってるのならやめなさい。行くなら自分の意思で決めなければだめだ。」
「うん。私は自分の意思で行くの。私はママの生まれ故郷を見てみたい。それで帰ってこれなくても構わないもの。お祖父様が言ってた。『どんなに辛くても自分で選択することからは逃げてはならない。』だから、これは私の選択。私の選択でママの生まれ故郷で生きるって決めた。」
「そうか。」
玻優が真剣に言うと行人は納得したようだ
った。
「なら、王の適性がでるか試してもよろしいでしょうか?」
ずっと黙っていたジークリヒトが真面目な顔で玻優に問いかける。
第二話いかがだったでしょうか?
次では王の適性を
調べるためにちょっとした儀式があります。
早く投稿するように頑張りますね。
そして最後に読んでくれてたりお気に入り登録してくれた方々、ありがとうございます!